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6話 反逆の少年


とりあえずわかったのはコイツらは雑食性ということだった


なぜかというと食料調達を命じて持ってきたのが別種の蟲の死骸だけではなく、キノコや木の実の類も混ざっていたからだった。


長年森の中を探索するうちに僕はある程度有毒なものとそうでないものを見分ける知識を培っていた。ひとまず二匹が抱えてきたものから僕が食べられそうなものを選別しながらこれからの予定を立てることにした。





その日一日中自分の能力を試すうちにわかったのは以下のことだ


一つ、コイツらは僕の言葉ではなく思念に反応すること


コイツらが人語を解するとは考えにくい。思い返せば最初追い払ったアリに僕は「来るな」とは念じたが、口に出しては言わなかった。だが、言葉にした方が明確に伝わるようだ。これは僕のイメージが言葉をトリガーにしてはっきりするからだろう。


二つ、命令はコイツらの認識、能力を超えられないということ


簡単な命令なら従えるが、複雑な命令になると混乱してしまう。また、コイツらの持たない概念に関する命令も同様のようだった。また、生存本能に反する命令には激しく拒否反応を示した。


三つ、同時に命令できるのは三十匹まで


段々と数を増やしていったが、さすがに十匹を超えるアリに囲まれた時には肝が冷えた。

限界を超えてもいきなり襲いかかってくることはないが、僕の命令を聞くというよりも仲間に制止されているだけのようだ。これは二匹同時の命令を試した時もそうだったのだろう。また、一匹解放させれば、新たにもう一匹を従わせることができることも確認した。


四つ、命令の持続時間はその命令を遂行するまで


最初に「僕に従え」と命じた個体はその後もずっと命令を聞き続けるが、そうでない場合命令を果たすとまた元のような状態に戻ってしまう。





一通り確かめたいことを実験し終えた僕は、三匹を残して他のアリたちを解放した。


「明日の明け方にここへ戻ってこい。それまでは僕に構うな。」


さて、明日はあの城塞を手に入れる。そしてまずはアリたちを踏み台にしてこの森を牛耳ってやる。その後はとうとう国取りだ。


自分の胸に黒い感情が渦巻くのを心地よく感じながら、僕は不敵に笑った。

ギアスみたいな感じやね

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