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11話 逃避


辛くも横穴へと逃げ延びたが、アイツらは諦める気がないようだった。背後に次第に追いついてくる気配を感じながら、必死に横穴を駆け抜ける。


ーーギィァァアアア!!!


この世のものとは思えない咆哮をあげ、触覚を振り回し、牙を鳴らす。その暴れようは横穴が崩落するのではないかと思うほどだった。


くそっ、くそっ!くそっ!!想定外だ!能力が効かないなんて!


ようやく縦穴まで辿り着き、すぐ後ろについてきていたアリに飛び乗る。あの巨体だ。上まで登ってしまえば、追いつくことはできないはずだ。それに闇に紛れれば他のアリたちと区別がつかない。


アイツらが縦穴についたのは、なんとかアイツらの届かない高さまで登ったのと同時だった。


ーーギギギギィ


こちらを口惜しげに見上げると、三匹のうち二匹は女王の下へと戻っていった。だが残った一匹はこちらを見上げたまま動かない。そして何やらこれまでの鳴き声とは別の音を鳴らし始めた。


ーーギュルルル…


見るとこちらに大きく開いたアゴをこちらに向けている。嫌な予感がしてとっさに叫んだ。


「固まれ!僕を守れ!」


ソイツが何かを噴射したのはその直後だった。


すんでのところで僕はその霧のようなものを避けることができたが、そのかわりに五匹のアリがまともにそれを食らう羽目になった。


ジュワジュワと音を立てて体を焦がしたアリたちが虚ろな目をして落下していく。


ギ酸か!


「急げ!次が撃たれる前に距離を取れ!」


どうやらそう連発はできないのか、溜めの間に逃げられると思ったのか、ソイツは再びギ酸を撃ってこようとはせず縦穴に爪を立てて登り始めた。


これ以上逃げてせっかくの機会を逃すわけにはいかない。時間をかけると他のアリたちが戻ってくる。フェロモンの効果があるとしてもそれは避けたかった。仕方がない。どこかで迎え撃つしかないようだ。暗闇の中を目を凝らしてこの縦穴につながる横穴を探す。


幸いそう遠くないところにそれはあった。


「あそこだ!あそこに向かえ!」


残った五匹に指示を出す。あそこでアイツと決着をつける。

フェロモンてエロいよな響きが

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