提出課題が終わらない!
「あーもーッ!!!!!終わらねぇぇぇぇ!!!!」
昼休み。
学生たちが愉快に休息を取っている中、必死にノートと向き合っている人物がいた。
「ねぇ」
「ん?」
「佐古どうしたの?」
一人の女学生がさす先には、普通よりかは多めのノートと問題集が重ねてあった。
「次の英語の課題、まだ終わってないんだって」
「え?あの地獄からやってきた鬼軍曹の宿題!!?」
「言うな!私だって必死にやってんだから!!」
そう叫んだ佐古はちょっぴり涙目だった。
実は、この学校にはもと軍人だった教師がおり、軍隊並に厳しく、宿題など忘れようものなら宿題倍はもちろんのこと、その時間ずっと当てられ、さらにかなり難しい問題まで答えろと言われる始末。
ついたあだ名が「英語の鬼軍曹」
そんな恐怖の授業の宿題を忘れてしまった佐古の生き残る道はただ一つ。
必死に宿題を片付けるだけだったのが
♪きーんこーんかーんこーん
「ぎゃぁあぁあああ!!!鳴った!!!!」
「ドンマイ」
「生き残ってね佐古・・・」
はたして佐古の運命は一体・・・
それは神のみぞ知る―――
〜後日談〜
数日後の昼休み。以前と同じ風景が教室で繰り広げられていた。
「ねぇ」
「ん?」
「何あれ?」
一人の女学生がさす先には、以前の倍以上重なっているノートと問題集の山だった。
「英語の追加課題だって」
「へぇー結局終わらなかったんだ・・・」
「すごかったよー。佐古がやってればパーフェクトだったのに、結局終わらなかったせいでパーフェクトならず。そのせいもあって、鬼軍曹かなり激怒してたからねー・・・」
「あぁ、だからいつもより倍になってんだ・・・」
「もーッ!!!あの鬼軍曹!!何も2.5倍にすることないじゃん!!ひどくない!?」
「しょうがないよ。諦めてやらないと、終わらないよ?」
「そうだよ。後すこしで休憩終わr」
♪きーんこーんかーんこーん
三人でもめている時、ちょうど言葉に重なるようにチャイムが鳴り
「「「あ」」」
二人の女学生は佐古の肩にぽんと手を置くとその場を去って行った。
「あとちょっとなのにーーッ!!!!!!」
次の時間、佐古の悲鳴と鬼軍曹の怒号があたり一面に響いたという・・・