涙目で書き殴った映画紹介エッセイ
映画「嫌われ松子の一生」を見終わって、三時間がたった。
ようやく胸が落ち着いてきたところだ。
見終わったばかりの時は、部屋で泣きくずれて、そのあと、感動でボーッとしていて、エッセイなんて書ける状態ではなかった。いまも、まともな文章が書けるかどうか、ちょっと怪しい。
映画の紹介。
川尻松子というひとりの女性の凄まじい人生を描いた長編映画。歌あり、メルヘンあり、暴力あり、エロスありの娯楽大作。
監督は「下妻物語」「パコと魔法の絵本」「告白」の中島哲也。
主演は中谷美紀。
いや、傑作です。マジで傑作です。とんでもない傑作です。
中谷美紀が素晴らしいです。生半可な女優じゃできねえよ、この役。
この映画になぜこれほど感動させられたかというと、「生きるってすげえ」と実感させられたからだ。
この「実感させられた」ということが重要なのだ。
「生きるって素晴らしい」ってことは、だいたいのひとは、なんとなく理屈ではわかっていると思う。でもそれを実感する機会は、なかなか無い。毎朝、起きて、
「うわあああっ!おれ今日も生きてるよ!どっしぇーっ!すげえすげえっ!やっほーっ!」
とはならない。「生きているのは当たり前」という感覚で、なんとなく日常を過ごしてしまう。学校行って、飯食って、眠ってしまう。自分のそんな日常が、素敵なものだなんてとても思えない。
それでも、長い人生、誰でも、「生きるっていいな」って味わえる瞬間が何度かあるとは思う。
ぼくの場合は、出産に立ちあったときとか、めちゃくちゃ腹減ったときに食べた巻き寿司のうまさとか、うまくいえないが、だいたいがすごい経験をし、感動したときだ。
でもそんな体験をしても、翌日には「生きてるのは当たり前」な自分にもどってしまう。
当たり前じゃないのに。
ぼくらが生きてるってのは、本当は、もうとんでもなく、スペシャルにぶっ飛んだ素敵な現象なのに。
理屈じゃわかってるんだけど、感覚的にそれを実感することがなかなかできない。
で、この映画だ。
中谷美紀が演じる、川尻松子の生きざまを見て、ぼくは「実感」した。
「生きるってすげえ」
それを理屈ではなく、感覚で実感した。震えた。そして泣いた。
ああ、ダメだ。うまく書けねえ。ぼくの文章力じゃあ、「生きるってすげえという実感」なんてとんでもないもの、上手に伝えられねえ。ここまで読みかえしたけど、なんか危ない宗教か何かの紹介文みたいじゃねえか。日本語乱れまくってるし。
まあ、いいや。
とにかく、ぼくはこの映画を見て、こう思ったわけだ。
生きるってのが、綺麗なことなのか、汚いことなのかは分からない。
でも綺麗だろうが汚なかろうが生きるってのはすげえことだ。
ああ、全然まとまってねえ。今回のエッセイは失敗です。でも気持ちを抑えられなくて書いちゃいました。スンマセン。