お得意先
得意先訪問中、自治体が経営する店にて
美人 「それでは、今年度もよろしいお願いします。」
俺 「お荷物と、書類、お預かりします。」
店員 「はい、お願いします。クレヨンさんはいつも謙虚ですね。」
俺 「いえいえ、足りないとこだらけで……。」
俺 『いい子だぁ(感動)』
店員 「美人さん、お綺麗でうらやましい。」
美人 「いえいえ、ありがとうございます。」
俺 『なんだ、ただのお世辞か(しらけ顔)』
店員とのやり取りが終わり、店を出ると一人のおっさんに目がいった。
おや?
達磨 「よう、クレヨン!」
こいつは、中学生からのクラスメート。こんな達磨ではなかったのだが、時間の呪いとは怖い。
俺 「おーす!荷物貰いに来たぞ!」
達磨 「おっ、頼みます。」
俺 「はい、ありがとうです。ところで、近頃本当に達磨みたいだぞ!」
達磨 「仕方ないさ、年が年だし。変わりに貫禄と腹が出てきた。」
俺 「一緒、一緒!」
達磨 「ただ、達磨だから御利益はある。経営も軌道にある。」
俺 「流石だ。」
達磨 「何も出んぞ!流石ぐらいで」
俺 「別に、中性脂肪と血糖値高めが出たことくらいだろ?出たの?」
達磨 「お前、超能力あるだろ!(驚き)」
俺 「誰もが、通る道さ(遠い目)」
達磨 「そうだな(遠い目)」
美人 「そろそろ、帰りましょう!」
俺 「わかった。」
達磨 「おっ、この化粧美人は?」
俺 「厚、化粧さん!では、失礼します。」
達磨 「おう!」
美人 「……(変な目)」
俺はシカトして、歩き出す。
達磨 「美人さん、あんなバカですか、アイツをサポート願います。」
美人 「……はい、わかりました。」
達磨と美人は、そういって俺を眺めていたらしい。
オッサンになっても、いつまでも子供の俺に、サポートしてくれる、お節介に感謝!