ゼロからのスタート
小さい頃から英雄に憧れていた。圧倒的な力を持ち、国と国の戦いで活躍したり、魔王や魔物から可愛い女の子を救ってみせる。そんな冒険者――つまり英雄に憧れていた。
そして、今日この日、僕は冒険者になります。
魔物と戦い、強くなって。旅の途中で仲良くなった冒険者たちとパーティーを組んで。時に死にかけ、時に見知らぬ女の子を救ったりなんかしちゃう。そんな夢がたくさんつまった世界に僕は足を踏み入れるのです。
さあ――冒険を始めよう。
アマル・シグムンド
Lv.0
力¦1 耐久¦1 敏捷¦1 器用¦1魔力¦10
[魔法]
[スキル]
所持金 5000G
武器 無し
生まれ育った村をあとにし、<始まりの街 アルヒ>へ向かう。
「それにしても、ステータスが魔力意外1って、もしかして僕、才能無いのかな」
僕は魔力石盤――持ち主の魔力に反応し、持ち主のステータスを表す石盤――に目をやりながら呟く。
それに、ステータスはともかくレベルに0があるなんて話、聞いたことがない。レベルは1からだと思っていたけれど、間違っていたのか。とにかく、ステータスが低すぎる今の状況ではいくら危険度が比較的低い魔物が生息するここ周辺でも安心は出来ない。街で防具や武器を揃えるまでは慎重に行動するべきだろう。
村を出発して数時間ほどたっただろうか。僕は<始まりの街 アルヒ>に到着した。
この街は、丸い円の形をしていて、四方に出入りする門がある。それぞれの門から延びる通りは街の中心部に繋がっているのでその四つの通りがこの街のメインストリートとなっている。必然的に武器や防具を売っている店はそのメインストリートに沿って出店される形となっている。
四つのメインストリートには基準がある。東の門を出ると高レベルの魔物がうじゃうじゃ待ち構えている。よって、東ルートは上級者向き。レベルが50はないとあっさり死んでしまうだろう。北の門からは中級者向き。基準レベルは30。西の門は初級者向け。
なので、東は高級武具屋が揃い、北には並の、西には価格の安い武具屋が揃う。
南にはレベル最底辺の魔物しか出ないので、食料品や回復に使うポーションを売る店が並ぶ。
「これで、、、よしっと」
僕は西の武具屋で胸当て、膝当て、肘当て、最後に何故か他の武器に比べて安価だったカタナという刀身が細く、片方にしか刃がついていない風変わりな武器を購入した。
そうして、僕はついに冒険者としての一歩を踏み出した。
アマル・シグムンド
Lv.0
力¦1 耐久¦1 敏捷1 器用¦1 魔力¦10
[魔法]
[スキル]
所持金 100G
武器 ムラマサ