八雲家へのプレゼント
第2話投稿します
side暦 大神神社にて
「煌炉~!お願いがあるの~!」
とある昼下がり、私はある用事の使いを頼むため娘の1人である煌炉の部屋へと向かう。中に入ると彼女は窓の桟に座りタバコを咥えていた。
「どうしたの母さん?」
彼女は灰皿の中にタバコを入れ私に尋ねる。さて...聞き入れてくれるかな? とりあえず私は風呂敷を見せる
「大神家特製の油揚げ~!これを八雲家に届けてくれないかなぁ?」
「え~」
予想通り彼女は仮面越しからでもわかる嫌悪の表情を見せる...この子は表情が出やすいため常時仮面をつけているが意味をなさない...嫌がっているがここは無理やりにでも頼むしかないね...
「頼むよ~!ほかの子は何故か屋敷内にいないし頼めるの貴女だけなのよ~そこを何とか!!」
「わかったよ...あいつら面倒だからって逃げたな...」
よし計画通り!もっとも他の子がいないっていうのは嘘だけどね~
「じゃあ頼むね~」
「はいはい...行ってきます」
私は煌炉に風呂敷を渡し彼女は風呂敷を持ち八雲家がある方向へと向かい飛んでいく
「いってらっしゃ~い」
それにしても煌炉は何で紫のこと苦手にしてるのだろうか?その式の藍とは仲がいいのにね…
まぁ…色々とあったのかな?あまり詮索はしないけどさ…
side煌炉
「はぁ...何で私が」
風呂敷を持ち私は空を飛び八雲家を目指す。あそこに行くのも3か月ぶりか?
あまり気が進まないが渡すものは早く渡して早く帰るか...
しばらく飛んでいると八雲家に到着し私は玄関の前に着地する。
ここも変わってないな…
「ごめんくださ~い!大神家の物ですよ~油揚げ届けに来ました~!」
声を上げるが特に反応なし...玄関の戸に触れるとそれが開く
「あれ?空いてるし」
中をのぞくがいる気配がない留守か? とりあえずコレ冷蔵庫の中に入れておくか夏前とはいえ痛むだろうし、私は靴を脱ぎ台所へ向かい冷蔵庫の前に立つ
「まったく不用心な...とりあえずコレを入れて早く帰ろ「藍~!」なっ!!?」
だれかに後ろから羽交い絞めにされる?この声まさか
肩越しに後ろを見るとそこにいたのは八雲紫...紫色の寝巻姿で目が棒目だ先ほどまで寝ていたことが分かる。
「藍~!ご飯~お腹減った~」
私を藍と間違えてる?こいつ寝ぼけているな!!
「私は違...んっ!!?」
紫の手が私の胸を鷲掴みにする。しかも軽く揉まれた
「ん~?あれ藍~胸小さくなった?」
「っ!!!いい加減にしろー!!」
私が叫ぶと紫の腕がビクンと震え紫は目を開き私を見たあと思いっきり後ろに下がる。
「煌炉!!?何であなたがここに!?」
どうやら目が覚めたようだな
side紫
私の目の前には私の...ゴホン!!...大神家三女の煌炉がいた。いつも通り仮面つけてるけど..すごい怒っているのがわかる
「フーッ!フーッ!」
怒っているのはわかるけど犬のように威嚇しないでもらいたいわ…すごい傷つく…
「何で貴女が?」
「母さんからの届け物だ...だれもいないし冷蔵庫に入れとこうと思ってね」
「え?藍いないの?」
台所の机を見るとメモが置いてある。
(紫様へ 橙のところに行ってきます ご飯は冷蔵庫の中に入っています)
「ああ橙のところいってたのね気づかなかったわ」
「届け物ありがとうね...暦に礼を言っておいてくれないかしら?」
「ああ言っておく...で?だれの胸が小さいと?」
うわあー!やっぱり覚えてた!流れを変えようと思っていたのにー!
「べ..別にそんなことないわ!逆に考えるのよ!周りが大きいのだと!!」
煌炉のポ二テが怒髪天のように天高くピンと伸びる
「へぇ...そう...燃やされたいか?」
彼女は片手に火をつけそれを私に向ける
「ひっ...だ..駄目よ室内でそれを使っちゃ駄目ー!!」
「紫様ー帰りましたよー!」
玄関の方から藍の声がする!助かった藍なら煌炉を止められる!
「台所ですか?メモには気づき...あっ」
藍は台所に来たのち煌炉をみて固まる
「ら...藍?」
煌炉は手についた火を消し藍を見て驚く...それもそう藍の目には涙が溜まっているのだから
「こ...煌炉?っ!コウロ~!3か月ぶりだー!寂しかったぞー!」
「ごはぁ!?」
藍は煌炉に頭から突っ込み彼女を抱きしめて、2人はそのまま倒れ、台所内にゴンという鈍い音が響く
「ああっ!本当に寂しかったぞっ!煌炉~!もう離さないぞ っん!」
藍は煌炉の上に覆いかぶさり口に深いキスをする。彼女の9本の尾は嬉しそうにブンブンと振っている
「あの...藍?今すごい鈍い音がしたんだけど?」
「なんです!?紫様三か月ぶりなんですよ?今やらなくていつスキンシップするんですか!?」
「いや...そういうわけではなくて...煌炉思いっきり頭を床にぶつけたんだけど」
藍はポカーンとした表情をし煌炉を確認するが煌炉はグテっとしたまま動かない...よく見ると後頭部にたんこぶが見える。
「う...うわあー!!煌炉ー!」
「落ち着きなさい!!とりあえず手当てするわよ」
私たちは煌炉を部屋に運ぶ
side藍
とりあえず客間に煌炉を運び布団の上に彼女を寝かせる...つい力が入ってしまった3か月ぶりとはいえ私も舞い上がりすぎた
「煌炉...」
私は彼女がつけている狐の仮面とポニーテールにしている髪留めをはずす。彼女の髪が腰ぐらいの長さになる。紫様は私の肩に手を置く
「気絶しているだけよ...安心なさい」
「はい...紫様一つ聞いてもよいですか?」
「...何かしら?」
「紫様と煌炉は昔は仲が良かったのに...なぜ仲が悪くなったのですか?」
「え~と...それは~!」
紫様は目を泳がせる...やはり紫様が原因か...仲が悪くなったのはちょうど5年前...それからというものの煌炉はここへはあまり来なくなった。私としては毎日会いたいのに
「う...ううん」
煌炉の方を見ると彼女は起きていた。身を起こし後頭部を手で押さえている
「煌炉ー!大丈夫か?すまない!!私は...私は!」
彼女はボーっと辺りを見る。
「あれ?藍?何で謝るの?何で私...ここに?」
?ここにいたことを覚えていない?もしかして記憶が飛んだ?紫様の方を見ると少し考えた素振りを見せた後煌炉に話しかける。
「何いってるのよ~今日は私と貴女が5年ぶりに仲良しになった日じゃないの~」
うそついた!
「あれ?そうだっけ?」煌炉は首を傾げる本当に覚えていないようだ 紫様はニヤッと笑い話を続ける。
「そうよー!藍が嬉し泣きして貴女に抱き着いた時床に頭打ったのよ~覚えてない?」
「そういえば...そんな気も」
だまされた!だまされたぞ煌炉ー!!
「随分眠ってたみたいだね...悪い!!仕事あるからこれで!!」
煌炉は自分の荷物をまとめ家を出る。
「紫さま~!?」
煌炉が帰った後私は紫様を見ると彼女は目を背けていた
「知らなくていいこともあるのよ」
紫様はそれだけを言い残し自室へと向かう...一体紫様は何をしたのだろうか?原因は言いたくないようだが...少し嫌だな...今度煌炉に聞いてみるか...
でも久しぶりに煌炉が笑ったところが見れた!!これで5年続いた喧嘩にも幕が引けそうだ!!
...とこの時の私は思っていたが2時間後嘘が煌炉にバレて彼女が激怒するのはまた別の話となる。
しかしながら私の文章下手だな...
改善の余地があるかもしれませんね
ではこれにて