ようこそ幻想郷へ!
ハーメルンに投稿した作品をこちらにも書かせていただきます
つたない文章ですがどうぞよろしくお願いいたします
幻想郷..それは妖怪がたどりつく最後の楽園である。外界から切り離された外とはまた違う空間で人間や妖怪がそれぞれの生活をしている世界である。
そしてこの幻想郷の端の山奥にひっそりと存在している。大きな神社こと大神神社、赤い鳥居が大量に敷地内に存在し、何とも言えない雰囲気を出しており、よほどの物好きでもない限りここへは来ないだろう...
大量の赤い鳥居を超えて神社内に入ると大きな池にかかる赤い橋が存在し、橋のその先へ進むと和風の屋敷へと到着する。屋敷の中には多くの部屋があり、ある一室ではパチンパチンという音がする。その部屋の中には将棋をしている女性と少女がいる。
女性の方は赤い長い髪をポニーテールにして、顔には口元だけ露出している狐の仮面、服装は白い導師服・同色のズボンを身に着けている。少女の方は地面まで届きそうな金色の長い髪をしており白と黒の陰陽玉のような着物を身に着けている。少女の表情はニコニコとしており女性の方は首をひねりながら悩むように将棋盤を見ている。
将棋盤の女性側の陣は王将1つのみとなっており、すでに少女側の駒に囲まれ投了するしか道は残されていない、女性は深くため息をつき自身の髪をまとめていた紐をとる。
「あの..母さん?私の負けだよねコレ...なにこれ?私の駒王しかない...」
女性が母さんと呼んだ少女はフフンと笑っている。
「煌炉の戦術はわかりやすいもの~」
煌炉と呼ばれた女性はガクリとうつむいて縁側の方へと移動する。そして懐からタバコのケースを取り出し、口に咥えタバコの先端に指をあてると先に火が付き始める。
「5戦中全敗...向いてないのかな...」
(大神家三女 大神 煌炉 通り名:燻る炎の軍人)
「フフ..でも楽しかったよ~!」
少女は口に手を当てて笑い縁側に立つとフワッと宙に浮き山の方を見る…
「..ん?どちらへ?」
「少し散歩よ~夕方までには戻るよ~」
少女は空を飛び屋敷から離れ、彼女が消えた後に煌炉がボソッとつぶやく
「あれ?そういや..今日雨降るって言ってたような..」
同時刻 ここは博麗神社..幻想郷を覆う博麗大結界を分ける場所である。そして神社の境内を竹ぼうきで掃除している黒髪の少女はこの神社の巫女こと博麗霊夢 彼女は境内を軽く箒で掃いた後自分の神社の賽銭箱を見て溜息をつく
side霊夢
「はぁ...今日もないか...」
私は賽銭箱をのぞくのをやめ賽銭箱の横に座る。ここは人里から遠いから参拝客が来ないのはわかっている!でもこの収入こそ私の全てなのに!!
「はぁ...ん?」
神社の石段を歩く音が聞こえる...もしかして参拝客!? 私は胸を躍らせて石段の方を見る。
「うんしょ...うんしょ...長い階段だなぁ...」
石段を上がってきた人物は金色の長い髪の少女だった。白と黒の陰陽玉のような着物を身に着けている。見た限り外の世界の者には見えない...少女は私に気づく
「こんにちは~貴女がここの神社の巫女さんの博麗霊夢さんですか~」
「そうだけど...参拝客なのかしら?」
見た限り私より年下ね...なんでこんな子がここに? 少女は懐から黒いがま口の財布を取り出す。
「うん!色々と頑張っていると聞くから~」
少女はがま口を広げ中からお金を取り出す。それを見て私は驚愕する。
「なっ!?」
私が見たのは一万円札...それも3枚!?何かの夢かしら? 少女はそれを賽銭箱に入れ、私を見て笑う。
「...これから大変だと思うから私からの祝福よ...期待してるわ」
少女の口調は先ほどの間の伸びた感じではなくなり、大人びた感じになる。私はとっさに札を取り出す。
「あんた...何者?」
「そんなに警戒しなくていいわよ...私の名は大神暦!!宜しくね~!」
(大神家当主 兼母親 大神 暦 通り名:始祖の???)
暦は二カッと笑い先ほどと同じ口調に戻る。どうやら妖怪の類ではないようね...私は札をしまう
「そう...悪いわね」
「気にしなくていいよ~さて!ゆっくり話でもしたかったけど、そろそろ日が落ちるし今日はここまでにしとこうかな!!バイバーイ!」
暦の姿が霧のようになり辺りから気配が消える
「なんだったのかしら?でも...」
確かさっき彼女は「これから大変」とか言っていた一体どういうこと? 私が考えていると辺りに雨が降り始めてくる。暦の言っていたことに疑問を抱きながら私は神社の中へ入る。
side暦
「あら?雨かしら?」
屋敷に戻る途中に雨が降り始めてくる。私はすぐ近くの木の下へ入る。
「困ったなー」
「母さ~ん!」
遠くの道を見ると煌炉が傘をさしてこちらへとやってくる。ナイス!!
「煌炉あんがと~!」
私は傘の中へ入り、煌炉は博麗神社の方を見る。
「何か用事あったの?」
「博麗の巫女がどのような人物か見に行っただけよ」
「博麗の巫女?」
煌炉は首をかしげる
「前に紫が言っていたじゃない...忘れたの?」
私の言葉に煌炉は仮面ごしでもわかるような嫌悪の表情を浮かべる
「...さぁ記憶にない」
「相変わらずね..まあいいけど」
私は神社の方向を見る。そのうち何かが起こる、まだ予想だけど無いとは言い切れない。あの子には期待しないとね、この楽園の守り手としてね
「さぁ帰ろうか煌炉...皆が待ってる」
まずは軽く...
ではこれにて