12月24日【プレゼント配り】
「んじゃ行くよー出発!」
ノエルがトナカイ型バイクにまたがりエンジンをかける。
ちなみにハンドルはトナカイの角部分、ライトは鼻と目の部分となっている。
大型免許を持っていない星茄はサイドカーに乗る。
故障したバイクは重くてスピードが落ちるため一時道路の隅に置かせてもらった。どうか撤去されませんようにと祈る。
ふわり、とバイクが宙に浮く。
「おー浮いた!」
「このまま街へ飛んでくよ」
浮いたトナカイバイクは夜の空を駆け出した。
頬にあたる風が冷たい。
暗い山道から明るく光る街中へ向かう。
『ジ~ング~ルベ~ル、ジ~ング~ルベ~ル』
シャンシャンシャン……
背景から奇妙な音が流れてきた。
「なんか変な音が聞こえるんだけど」
「ラジオだよ。クリスマスだから鈴の音鳴らして走ろうかと思って。演出演出」
「ちょっと陰気臭い感じするけど」
「ピタッとくる素材がなくてね~あ、着いた」
目標地域の上空でバイクを停め、ノエルがプレゼントの入る袋を半分渡す。
「さて、説明するね。届ける家は全部で二十軒、配るプレゼントは全部で四十五個。ひとりっ子から兄弟姉妹のいる家庭もあるから一件に一個だと勘違いしないように」
「なるほど」
「子どもの多い家は枕元ってよりツリーの前にまとめてプレゼントを置いておくのが定番かな。これは共通だけど、子どもたちに気づかれないようにね。起きてる強者もいるから気をつけて。はいこれ」
「? なにこれ箱?」
レンガ模様の長方形の箱らしきものを渡された。
傾けてみると下が空洞になっている。
箱でもない?
「魔法の煙突だよ。これを壁や天井にくっつけるとそこから出入りできるの。これでどこからでも家に入れる」
「泥棒にとっては夢のようなアイテムだな」
「そういう思考する人はサンタクロースにいません」
「ご、ごめんなさい」
「私は東から配るから、星茄さんは西の家からお願い。はいこれ配る家とプレゼント書かれたリスト」
「緊張するな」
「責任重大だよ。頑張ろう」
そう言って凄い跳躍力で屋根を飛び交っていくノエルを見送ると星茄は自分は普通に一階から入ろうと決めた。
「どれどれ……ここの家は熊のぬいぐるみお世話セットか」
リスト片手にプレゼントを確認、煙突を壁に立て侵入する。
「むにゃむにゃ」
「“メリークリスマス”」
気持ちよさように眠る少女の枕元に大きなプレゼントをそっと置く。そっと去る。
「ぷはぁ~緊張した」
とりあえず要領は得たぞ。
同じような工程で星茄は次々と家を回った。
お菓子入りブーツに図鑑、合体ロボット、変身ベルト、ゲームソフトに文房具セットを袋から取り出し枕元からツリーの元へと置いていく。
「ニャー」
「! ……しーっ」
お高級鰹節をひとつまみ捧げる。
思わぬ伏兵がいて心臓が跳び跳ねたがなんとか起こさずに済んだ。