7・リコ 新しい世界に慣れようとする
リコは大魔女の知識がある。転生したのとは違う。リズもそうだが、知識が有るのだ。
転生で無いのに魔力が使えるのは、出生の時に、周りで悪魔の子だと叫ばれたことと関係が有りそうだ。
この世界、魔法が使える人が少ないようだ。お父様やお母様からも魔法の話は出てこない。
3歳になり、身体も出来てきたので、威力は弱いが魔法は使えるようになった。やはり今の身体では、使える魔力に限りがあるのだ。
ジムは、周りに魔法の使える人もいないので、魔法に関しては目立たない方が良いという。まあ、すでに大魔女であるリコは、魔法の鍛錬は必要なかった。
なまじ古い知識が、この世界の常識のと合わない時がある。大魔女だから、かなりいい年まで生きてきたはずであり、とても3歳の子供らしくない行動を取ってしまうようだ。
私も生まれながらの知識が、こととでは違うので、この世界の勉強をしている。二人仲良く並んで、お父様やお母様から、この世界のことを教わっている。
「リコって、魔法使いだったんだ」
私は、勉強は始めてから、リコの魔法の知識の豊富さに驚いていた。
「多分そうなのです、リコは大魔女の、魔法と魔力の知識があるのです」
「そうか、私も何か色々な知識はあるのだけれども、どんな人だったかの記憶はないな」
「お姉様の知識はとても興味深いのです。この世界のものでは無いですよね。もっともっと教えてもらいたいのです」
リコはこの世界の今に慣れるためにがんばっているのだが、この世界の人間はお父さんとお母さんだけ、私の知識は別の世界のもの、小さな村の、村はずれの山の中腹に住んでいるので、本当のこの世界のことの多くを知ることは出来なかった。