6・私 身体を鍛え勉強を始める
マナを制御し身体強化が出来るようになると、身体を動かしたくなる。自分の知識の中に格闘技というものがある。素手での戦い方である。知識だけでなく、身体でも覚えているようだ。身体の仕組みも、格闘技を上達するために覚えたようだ。当然トレーニング方法も知っている。
この世界では、剣の指導や訓練も、経験に基づくもので、効率は非常に悪い。私は生まれながらの知識をつかい、身体を鍛え、剣の扱いを、ジムから教わることにした。
ただ、剣のトレーニング中は身体強化をしないようにジムから言われた。身体強化はあくまで強化であり、まずは身体の基礎能力をあげていくことが必要なのである。
また、身体強化は戦うだけのものではない。ジムも村の公共土木作業に奉仕活動として良く参加していた。
この世界の生物は、全てマナを持っている。訓練次第では誰もが身体強化は出来るのだ。しかし、マナの量は人によって違い、マナを認識すること、マナの理解力、などの差によって、身体強化できない者から、ジムのように超人的な力を発揮する者までいる。
身体を鍛えるだけでは脳筋になってしまう。勉強もしなければ。
人一人の人生分の知識がある、知識の元は、この世界よりも、進んだ世界のようであり、算術とか科学は自分の方が詳しかった。
学んだのは、この世界の歴史とか、社会の仕組みなどである。
読み書きは、ゼロから始めた。生まれた時は回りで何を言っているかわからなかった。知っていた言葉や文字はこの世界とのは違っていたのだ。それでも3歳になれば、日常会話は出来るようになった。