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2・私生まれました

「う~ん おはよう」

目を開ける、目の前にかっこいいおじさんがいる。この人は誰だ。にこにこした顔で私をのぞき込んでいる。


「ジム、何とか出産に間に合いましたね」

「はい マリー義姉さん、留守の間 妻の面倒をみてもらいありがとうございます。」

「元気に生まれてきて良かったです。女の子ですよ」


私は人間である。それはわかる

どうやら、生まれたての赤ん坊のようだ。

私は誰、名前は知らない。ここは何処、知らない。知っていることは、沢山あるのだが、私ついては、なにも知らなかった。


のぞき込んでいるおじさんは父親らしい。


どうも、私には人生一生分の知識がありそうだ。今は考えることはやめておこう。おなかがすいたので、取りあえず泣くことにした。


家の中には、私以外にお父さんお母さん、お母さんのお姉さん そして私と同じ赤子がいる。私の隣で、一緒に寝ているのだ。


「マリサ この子たちの名前を決めないといけないな」

ジムが妻のマリサに話しかける声が聞こえた。

「そうね、女の子ならリズにするってきめていたけど、二人になっちゃったから、もう一つ考えないとね」

「そうだな、では、リコにしよう」

「それは可愛くて良い名前ですね」

深く物事を考えない夫婦らしい、簡単に決まってしまった。

それに冒険者は優柔不断では命を落とす。素早い判断が身に付いているのである。

私の名前はリズ 隣の子はリコと名付けられた。


「マリーお姉様 リコも私たちの子供として育てます。村や教会には双子が生まれたことにします。実家の方にはお姉様からそのように伝えてください。本当のことはお姉様の信頼の置ける人以外には秘密にお願いします」

「わかりました、マリサ。ところでリコの方が早く生まれたみたいですが、どちらがお姉さんでどちらが妹になりますか」

「生まれたのはリコの方が早いですが、ここは夫婦の独断と偏見でリズがお姉さんとします」

やはり、自分の産んだ子を長女にしたかったのだ。


ジムは妻と妻の姉の話を聞いていた。この二人の会話には、ほとんど入ることが出来ない。妻は名門薬師の家系の出である。ここから徒歩と馬車で5日くらいの街に住んでいた。お義姉さんもその街に住んでいる。

ジムは薬草の採取の時の護衛を頼まれたのをきっかけに、マリサと知り合った。お互い気に入り結婚して、薬草の豊富なこの村に越してきたのだ。

ジムの、親父も爺さんも冒険家だった。ジムは何も考えず冒険者になっていた。ただの冒険者である。

考え過ぎなのかもしれないが、何となく妻の名門な実家には頭が上がらない感じである。

出産から2週間、魔理沙の姉は、家に帰っていった。

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