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11・私 剣が欲しいのです
私のお父さんは冒険家である。子供の頃から冒険家なので、それなり剣は持っている。子供の頃使っていた物もあり、私とリコの剣の訓練にはそれらが使われた。
「リコはいいな、お父さんに魔法の杖を用意してもらって」
私は、お父さんとリコの二人で魔法の杖を用意したことに、ちょって拗ねていた。
「そうだな … …」
ジムは考え込んでしまった。
私とリコの訓練に使っている剣も優れた物である。
「リズ、今は、ここにある剣を使ってくれ。リズの身体が大きくなったら、それに合わせた剣を作ってやるから」
ジムにはそれしか答えることが出来なかった。
「リズ姉、魔力が有れば、剣に魔法陣を書き込んで、魔法の風や炎を詠唱なしで放つことが出来るようになるのです」
リコは、自分の片手剣にも魔法陣が書き込まれていて、何種類かの魔法の刃をとばせることを話した。
「そうなのリコ、でも私は魔力がないので、魔法の刃は無理そうです。今ある剣を使うしかないですね」
リコは、いずれ作ってもらえる剣に期待して、今は諦めることにした。




