解いてはならぬ金の紐。
自動販売機の前で誓いをたてたあの日以来、村下経理部長は私を見る度に何かを考える様な視線を向けて来る。
そんな視線を向けられた後には大抵、経理部長らしく算出される数字についての指摘に私的な数字を混ぜて来るようになっていた。
私にエンジニア的なスキルは無い。
だからこその役目をと経理部長権限に、私の仕事にあれやこれやと何に必要なのかも判らない数式処理の解読を織り込み、気付けば本来の仕事も領収書の整理データ入力や請求書作成から離れ、固定資産や減価償却の管理へと移行していた。
話題作りが必要と、馬鹿みたいな収支に見合わぬ事ばかりに手を出しているこの会社では処理する経費も膨大なのに、人手といえば私と粗同年代の事務経験者の中途採用。
近年、経理事務からの反発による経理業務人材流れを恐れるよりも、経理業務を他所に外部委託する方がリスク軽減になる等と謳い、経理業務を請け負う隙間産業的な企業も出て来た事で、それは経理業務の地位向上に対しては逆風にもなっている。
ただ、経理業務の職を求める者にとってはその隙間産業もまた職に就ける場となり、求職する者にとっては受け皿となっている事に一概に悪とも言えない事情がある。
詰まる処が、あの平蔵の弊害で有名な派遣法改正による弊害で起きた就職氷河期世代を極難に貶めたのと同じ原理的問題に陥っている。
全ては経営者側にとって都合よく扱える会社の駒として、小間使い的な役割に代えが利く独楽へと変える法改正に悦んだ企業が真っ先に飛び付くかに思える経理業務の外部委託だったが中々に、そこに委託する企業は安定業種ばかりが目立つ。
その一方で、頑なにそれを許さない企業も多い。
この会社もオープンオフィスを前面に出しているのに経理業務を見えないフロアに押し込め外部委託等とは縁遠い事に、外部に委託出来ない理由があるに他ならない陰部を秘めていると知る作業。
私はその秘部に関わる金の流れを追う為の逆算に必要な“数式の”解読をさせられていたと理解するまでに、毎日頭の中を数字が埋め尽くしていた。
それは生活のあらゆる所で顔を出す。
買い物や家計簿の様な実際に数字が出て来る物ならむしろ楽に思える程に、厄介な事に本来数字など出す必要のない物から出ない筈の物まで何でもかんでも数式処理しようとする思考に、
それこそ思考回路がイカレている様な感覚のそれまでもを数式処理で解析しようとする思考に……
満員に圧し潰されながら朝の通勤バスの運賃表示にブツブツと、数字を呟く私の姿に避けるに避けられずも脅威に感じてか、逃げに体を離そうと若い体力で努力する学生の意図も知れず、私との間に隙間を作る姿に有り難く会釈すると、体力自慢の学生が顔を強張らせた会釈を返してきた。
気付けば私は同じバスで通う学生から妖怪扱いに恐れられる存在になっていたらしく、その視線から私のそれが病的であると自覚した。
その後、村下に数式処理の意図を問いたい気持ちを抑え量の軽減を求める事に、その症状を話した折に別室へと促され、それはアルゴリズムを築く者が陥る職業病みたいなものなのだと伝えられた。
それは同時に、自分のしていた数式処理の真実を知る事を、ようやく許された様にも思えて、少し後退りたくなっていた。
流れるままに生きてきた私にそんな弱気にも思える気持ちを生んだのは、その真実が何なのかを頭の隅では気付いていたからなのかもしれない。
そんな私の逃げたい気持ちを見抜いてか、既に踏み入れた私の足元には何かが迷路の様に埋まっており、数式の解読はそれを解く鍵なのだと、そう言って村下が私の足元を指差した途端、まるで自分が発掘現場にでも居るかの様な錯覚に足元がグラつき呼吸も乱れる。
織り込まれていた数式処理は、会社の資金の流れを逆算して収支に合わない金の出所を追う為の手伝いを担っていた。
私自身も何となくは分かっていた筈の答えだが、数式処理と共に移行した業務によって固定資産や減価償却の管理から知れた事に、地下に埋まる迷路には莫大な資金の流れがある事に気付きハッとし、心までもグラついた。
しかし、グラつく心とは裏腹に脳裏に浮かんだ一つの疑問。
フラつく私の姿にようやく心配したのか、倒れると厄介と思ってか、肩に手を掛け大丈夫か? とでも言おうとする村下に、私は噛み付く様に疑問を投げ掛けた。
「じゃあ!」
少し、大き過ぎた自分の声に自身が驚き慌ててトーンを下げるが、勢いはそのままに言葉を選ぶ冷静さも得られた。
「バブ……箱の中身は空って事ですか?」
村下の固まる姿に私は驚いていた。
いえ、驚きよりも残念に思えて、悔しい様にも感じていた。
私は何処かで【バブルキャッスル】に期待していた。
そして、それを仕掛けた【KIJO】に憧れを抱いていた自分が居る事への驚きなのだと理解した。
まるで初恋の相手が結婚していた事実を同窓会で知らされた様な、痛くもない御目出度い話の筈なのに何かが抜けた穴を見る様な……
ポッカリと空いた穴の隙間に何を埋めれば良いのかも分からずに、ただ虚しい気持ちが吹き荒ぶ。
「中丸、お前この短期間でよくそこまでを理解出来る様になったな」
ようやく口を開いた村下が上から目線に褒めて来たが、正直もうどうでもよくなっていた。まぁ、上司なのだから上から目線も当然の事。
ヤサグレる私の気持ちは態度にも出ているのか、村下が私の返事代わりに下げた頭を撫で回して来た事に、私の心を掻き回されてる様にも思えて……
「ヤメて下さい!」
少し顔が上の村下を見れば、嬉しそうに何かを期待する様な目を私に向けていた。
今更何をするにも期待していたものの大きさが、失望の大きさに比較すれば見えて来る。
私はこれからを考えるに、さっきの初恋の例えに乗せて考えてしまい、失恋した様な感覚を胸に秘めたまま昔約束していた大きくなったら何々しようをその相手とさせられる様な……
そんな思いに馬鹿らしくも惨めな気持ちが沸いて来る。
「お前、箱の中身を何だと思ってたんだ?」
不意に聞かれて私の思考が巡ったのか、ざわめいていた気持ちが何処かに消えた。
箱の中身に対して企業の何かを勘繰る事はあっても、具体的な何かを知っている筈も無い。
むしろ、それを公にバラしてくれる事を期待していたのだから……
「……何、と言われても、会社の……」
村下が私の応えを待つ顔に、意地の悪さは特に無い。
けれど私の思考にも答えが無い。
それに気付くと村下は、鼻から息を漏らして笑うでもなく、気合いを入れる様に息を吸い込み胸を張る。
「箱の中身は常に入れ替えてる」
「……え?」
私はそれを理解するのに間が空いた。
まるで、結婚していた初恋の相手と馬鹿らしくも惨めな子供の頃に約束していた何かをしながらの立ち話に、突如その結婚話そのものが嘘だったんだと告白された様な……
想いも忘れていた筈の感情を、嘘に引っ張られて解き放たれた告白に、突如沸いた感情が胸から飛び出して来るような感覚は心躍るトキメキの様にも思えて私の頬を紅らめていた。
「準備は整ったみたいだな。今から会いに行くか?」
「……は?」
思わず失礼な反応が口をつく程に、意味が解らなかった。
頬を紅らめた直後に逢いに行くと聞き、想像上の知らぬ初恋の同級生に顔を描く。
けれど芸能人やを浮かべる顔に初恋の記憶が重なる筈も無く、会いに行くのは誰なのか? と、村下の顔を見つめる以外に出来なかった。
「KIJO、お前興味津々じゃなかったのか?」
「……え、えっ? 解除って、ええ? え、嘘でしょ? あ、いえ、すみません。嘘ですよね?」
口をつく失礼な物言いを言い直すも失礼な、私の脳内は既にスペックオーバーの処理内容に熱暴走を起こし始めていたのか、単純計算すらも出来ずにどんな表情をしていいのかすらも判らず固まっていた。
「ふっ、あいつ、お前の中でどんな扱いだったんだ?」
こんな私の反応は予想もしていなかった事なのか、村下は面白がってデコピンまでして来て痛い筈なのに痛くもないのが、私の中でも解らないままに呆然としていた。
何故なら、私は村下がKIJOなのかと勘違いしていたからでもあり、今日まで村下からの数式処理の指示をKIJOの手伝いをしていると考えては興奮気味になる私の感情も、全ては【バブルキャッスル】の中身への興味から。
けれど、村下から告げられたのはKIJOは別に居る事に他ならず、今日まで手伝っていた事が何だったのかにも村下そのものの存在にも疑問しか浮かばない。
「おい、中丸! いい加減目ぇ覚ませ! そんなんじゃ会わせられん。今日はやめて仕事に戻れ」
その村下が今KIJOに会いに行こうと言っていたのだから、村下もまたKIJOの……
「何なんですか?」
そのまま口にしてしまった事にばつが悪いが、何がだよ! と言った顔を向ける村下がそれを口にする前にと、私は先に口にした。
「経理部長! いえ、村下さん。あなたは……KIJOと」
言葉に詰まる私の意図に気付いてか村下は、あゝと言った顔で私の言いたい何かを理解した様子で、首振り人形の如くに一人頷きながら自身の視線を追うように顔を動かしこちらに戻って来ると
「そうだよな。KIJOが何かも解らないのに……」
何となくムカツキを覚える村下の所謂先に知った者の態度も気になるけれど、私は村下が“KIJOが何かも”と、名前についてを物か何かを解くかの様に言った部分に、自分の見解が間違っていた事に気付された。
勿論、それを気付かせようとしてのあの態度では無い事は判っている。
なので、先ずは確認しないといけない事を……
「それって、KIJOは一人じゃなく……」
「お、察しがいいな。まぁ実質的には一人みたいなもんだけど……」
村下の続ける言葉にKIJOとは、を聞くより逢った方が早いからと部屋を後にし、村下へのモヤモヤする苛つきと初恋の様な憧れを抱く私のトキメキを連れてビルの地下へと向かって階段を降りて行く。
エレベーターを使わないのは村下の何かの拘りなのか慣習か、もしもの時の為に出口の塞がる箱の中には入らないのだそう。
KIJOはその箱に侵入して中身を開ける側の癖に何を言っているのか、村下がKIJOと思ってからはそう思いながら階段を上り下りしていた。
何故なら、前々から経理の人間は村下の指示に移動する際に誰しも必ず「階段で行け!」と、送り出されるからで、エレベーターを使っているのはオープンオフィスと言われてるフロアの人達だけ。
しかも、オープンオフィスフロアの中に居る経理の数人までもが階段を使わされていて、エレベーターを使っているのを見つかると普通に何故使ったのかを聞かれる始末。
けれど、そのお陰なのか経理の中に体調を崩す者は少なく、ここに来て三年目の先輩の話にも経理の職業病と云われる腰痛が出るには出るが軽減されている様な気さえして来るのは、やはり階段の効果ではないのかと……
三年も経てばむしろ肯定的に捉える様になるらしい。
そんな事まで思い出す程に階段を延々と下っていた。
今時、地下にエンジニア達を押し込める様な企業がどれ程あるのかも知らないけれど、先日初めてブレーン・ルームを覗いた時も階下の階下だったのに。
今その階を過ぎて尚、更に階下へと下って行く村下を追いつつも、何とも言えないキーボードを叩く音に一瞬振り返ると、先日の部屋の扉から薄明かりが漏れている。
本来は花形である筈のエンジニアが地下に根を張り日影族扱いに、プランターから根を這わして花への栄養と向かうべき水脈への道筋の情報を捉え的確に伝える役目のプランナーが陽をタップリと浴びて肩に日焼け跡までつけているのがこの会社。
階下の階下の階下……
元々入口が中二階に在るせいか、地下のフロアが何階なのかも理解するのに考えさせられる建物自体の問題も重なり、ここが果たして何処まで下かも考えるのも馬鹿らしくなる程に、陰気な冷気が足元に漂っていた。
「あ、すまない。言い忘れた。中丸、ここ寒いぞ。」
村下の今更過ぎる忠告に、取りに戻るも上る階段の数に下りる数とまた上る数を考え……
「大丈夫です」
「そぉ? じゃ、行くぞ」
一応の気は遣った事に自身への納得か、大丈夫と言った私の理由など最初から汲む気は無いと判る程のあっさり感に、村下はその部屋の扉を開けた。
一瞬にして部屋から冷気が漏れ出す程の空調設定の異常さに、会社の知能となっている人材を就かせる場所とはとても思えない。
無論、其処にあるのが自社サーバーに他ならず冷却装置が必至な事位は理解している。
理解しているからこそ、何故其処に人を置いているのかに対しての疑問と同時に怒りさえもが湧いて来ていた。
しかし、その最初の印象は一瞬にして変わる。
何故なら最初に目に入った男性は、歳は少し上の村下と同じ位に見える。
何かに真剣に取り組む人にも似てるが少しそれとは異なる誠心誠意に尽くしても尚、何処か取り憑かれた様に精根尽き果てるまでを費やして来た分なのか、その窶れた顔にも眼の奥には燃える何かを秘めている。
それが周りの人をも焚き付けているのか、薪となってでもその火を絶やさんとする様に周囲を囲み、その火が欲する向きをも先読みせんとし薪を焚べる様に問いより先に答えを調べていたかの様に応えては、その答えを入力するのはまた別の者で、入力された数字が弾き出す答えを更に別の者が待っている。
私にはそれがまるでオーケストラと指揮者の様に見えていた。
最初に私が怒りを感じた理由は、部屋のデスクの方まで行くと指揮者が座っていたのが車椅子だと知ったからだ。
血の巡りが悪くなる様な環境に車椅子の人を置くとは、等と感じた事に障害者に対する差別意識は何も無い。
ただの心配。そして、私にもそれが不要な心配だと理解させるようにその指揮者は冷まさなければならない程に熱を帯びていた。
「……介助」
私は思わず口にしていた。
村下がそれを説明するでもなく私がそれに気付いたのを察してか、その思考に足りない答えを添えるように続ける。
「本人は皆の介助があるお陰だって言ってるけど、正直あれは育成の為としか見えねえけどな」
村下が言っているのは、介助が必要な障害者では無く、介助しないとキーボードの速度が一人では間に合わない事に対する意味合いだと教えていると解かるが、そもそも私は最初からそちらの意味で口にしている。
「でしょうね……」
明らかに熱意を持って生徒に自身の持つ知識を与えんとする姿は、私の想像していたKIJOと巨悪に立ち向かう熱意と言う点において重なっている。
憧れを抱いていた男の窶れた姿は車椅子も相まってか、今日まで私が勝手に描いて来た想像上のストーリーで悪漢や暗躍する始末屋から狙われてはかわし逃れる際に傷付けられて来た称えるべき怪我の様にも映る。
強い精神性に屈強な体では無かったが、男の眼の奥に宿り燃え滾る炎の熱が、離れた場所で見ている冷え切った空調に晒されている私の頬にも伝わる様だった。
その最中、師の思考を先読みするかの如くに問いより先に調べる弟子と思しき男の顔に見覚えがあるように思えて記憶を探っていた。
「……村下さん、あの人」
私がバブルキャッスルを口にしてこれを手伝うキッカケを作った人だという所までを思い出し、名前は出かかっていたが私が思い出そうとしていたのはそれだけでは無い様に思えて言葉に詰まる。
「ああ、木場か? そう、この前奴等と揉めてたのが彼だよ」
「あぁいえ、私彼を昔から知ってる気がして……」
初恋に照らし合わせて考えていた今日の私に、それが重なってしまう様な記憶の曖昧さの中で木場との接点を探していた。
「木場をか?」
「おい、村下。その子か?」
男が何の作業をしていたのかも聞かぬ内に終えいてた。と、同時にこちらを向きこちらに気付いていたのは何時からなのか既に私の話は通っているらしい。
が、私自身を彼にどういう話で紹介されるのかを考えていなかったと、今更に気付いた詰めの甘さに嫌気が差す。
「ええ、中丸、国富さんだ」
村下の雑な紹介で一瞬にして自身の心配が消えた気がした。
と、男の名前をあまりに軽々しく唐突に言うものだから、聞き取りがあっているのかも微妙なままに私は頭を下げるだけしか出来なかった。
その眼の奥の炎に燃やされぬようにと……
「はじめまして、中丸さんは何で彼、この木場君がKIJOと気付いたのか村下君に聞いたんだけど教えてくれなくてね。良ければ聞かせてくれないか?」
私の方こそ何故教えてないのかと疑問を向ける顔で村下を見たが、答えてやれよ! とばかりに顎で示すその素振りに、やられたと思う他ない。
私の恥ずかしい推理にもならない直感的に思い出した名前をついつい口にしてしまった先般の出来事を、KIJOが揃う皆の前で申し訳なく説明した。
その間も私は無意識に国富の眼を怖がってか他に目を向け話していたが、その目線の先で優しく時に笑いかけるような視線を返す木場に目のやり場に甘えさせて貰っていた。
無論笑っていたのは私のドジな話にだとは理解している。
けれど、そうして笑う木場の笑みにやはり何かの記憶があるようで、私はドジな説明をする為に一時的にその記憶を思い出すのをやめ、話を最後まで……
「……なので、ずっと村下さんがKIJOと思っていたのに、今さっき逢いに行くと言われて何が何やら分からないままにここに連れられたものですから」
「村下、中々に悪い奴だなお前」
「いや、国富さんの方が酷いでしょう」
悪人を追求してる者二人が戯れ合う様に悪癖比べをしている様は、私の中のKIJOという男像を崩しているに他ならず、想い描いて来た憧れの偶像崇拝を何処かのテロリストが破壊するのを見ているかの様だった。
その最中……
ふと、木場の記憶の事に思い出そうとするも一度止めたせいか解らない。
そうして見ていた視線に木場も気付いて会釈を返されハッとした。
少しドキドキする胸の鼓動に例えた初恋の顔に重なる様で、私は襟元を掴んで扇いでいた。
この部屋の寒さを忘れる程の熱を頬に感じて……
戯れ合いを終えた二人がこちらを向いた時、初めて国富の眼を見れた気がした。
何かに溺れるのを救って貰えた様にも思えて。
国富……いえ、KIJOはサーバー管理に託け様々なテストをしていた。
自社サーバーのメンテナンスと並行して消されたデータの解析と吸い取り、そして追跡調査を行っていたらしい。
私がしていたのはその追跡に必要な、金の流れを解く為数多ある逆算式を割り出し絞る作業。
それは、毎度変更されている為に都度に割り出す必要から、その変更されるアルゴリズムを割り出して紐解くそれをも自身の作るアルゴリズムに充てて解析そのものもプログラムで解錠しようとしている。
そう、KIJOとは介助であり解錠なのだと、私はその日KIJOの本来の意味を知り、様々な顔が浮かび興奮して眠れなかった。
これは短編【黒い箱に滴る蜜の味。】の続きであり、この数年後の話が短編【白日の下に晒される。】になります。
中丸美鈴シリーズとしてシリーズ設定しています。
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