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Guardian・Spirit 〜ガーディアン・スピリット〜サード!!!  作者: きつねうどん
File.XX 英国・魔女狩り編
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No.6 イタチごっこ

「ルビアさん!コレで本当に間に合うの!?」


「分かんないわよそんな事!あぁ、もう!見失ったじゃない!カンナのせいよ!」


魔法の絨毯にのり校舎内の廊下を巡り、巡りった結末は散々な物だった。

連携プレーにより、遠くから居場所を捉えられ、姿を眩まし、隙を見て炎が放たれる。最悪だ。


疲れ果て、絨毯から降りると辺りが壮絶としている。


「...ルビアちゃん。私達、もしかして結構ヤバイ事してない?」


「...不味いわね、校舎がボロボロじゃない。アイツら!私が停学を食らう前に絶対とっちめてやるわ!覚悟しなさい!逃げるわよ!」


まるで悪役の無様な退散劇を自分がやるとは思わなかった。

夜になり、逃亡先の宿舎に向かうとタマミちゃんとルーシーちゃんがいた。


「あっ、カンナ帰ってきたの!!何してたの!!夜は危ないの!!」


(危ない行為をしてきたからもう遅いんだよな...)


「カンナちゃん、凄かったねー。校内で追いかけっこしてたでしょー?捕まえられた?結構手強い相手だよねー」


自分のベットの上に仰向けになり、うつらうつらとしながら回らない脳を動かす。


「...ジャッチをロンドンから連れてきたのは彼らだよ。一緒に瞬間移動してきて、森を偵察して燃やした。彼らはカレッジの女子生徒を恨んでいる。だから、ジャッチに殺させた」


その言葉に2人は唖然としている。

それもそうだ、殺したい程憎んでいるとは思わないだろう。

あまりにも異常な事態に私達は陥っていたのだ。


「ねぇ、カンナちゃん。それってさ、誰が責任を取るの?亡くした人達は誰が殺した事になるんだろう...。私達もそうだよ」


「ジャッチだよ。三人は彼女達を殺してない。罪を償うのは彼だけ。...はぁ、明日ヴィクトリアさんにも協力してもらってセイレムの森に行ってくる。2人は知らないフリしてもらって構わないから」


「何言ってるの!!カンナだけ全部背負うのは許さないの!!私達もついていくの!!」


「分かってるよ。力を持つ者が逃げる事なんてしないもんね。明日皆んなで一緒に行こう。...かなり、危険な戦いになると思うけどね」


明日


「アンペルマン、顕現を」


「八咫烏さん、森の西方面の偵察をお願い」

「隼、俺たちは東方面を偵察しよう」


それぞれが飛びだって行ったのを合図に全員で車に乗り込み、目的地の森へと向かう。


「道は整備はされているみたいですね。後は、現場がどうなっているのか...」


「まさかこのカレッジの生徒が関与しているとは思わなかった。ふっ、ジャッチが利用されるなど今まで聞いた事もない。酷く滑稽な話だ。BIG7も舐められた物だな」


突然ヴィクトリアさんが笑い出したかと思いきや、真顔で怒りを表にしたので驚愕してしまった。


「どうして仲良く出来ないんだろうねー。この世に同じ物はないのに差別したり、這い上がったり、陥れたり。そんな事して楽しいのかなー」


その言葉にラントユンカー君が反応した。


「好きなんだろうな、人間はそう言う生き物だ。地下より宇宙に行きたがるだろう?それと一緒だ」


「ラントユンカーは面白い例えをするんだな。大は小を兼ねる。小ぶりより大盛り料理の方が魅了的に見えるのと一緒だろうか?」


「シュン、ドンドン意味が逸れちゃってるよ。にしても、もう結構深いところまで進んでいるよね?...うっ」


アーリフ君が突然口を抑えたので何だと思い目線を合わせる。


「ラントユンカー君、止まって!ルビアさん、もしかして」


「ここまで飛ばされてるとは思わなかったわ。もう、脈もないでしょうね。絶対に許せないわ」


私達と同じ年頃の女の子が皮膚が爛れ、髪の毛さえも焼き焦げ頭皮が見えている。

余りにも異常な光景の足が竦むがグッと堪え森の中へと進むよう指示する。


「...視線が痛い」


「ジャッチは子宮を飾るのが趣味だ。同じ事をしているのだろう気色悪い、後で彼女達を弔わなければな」

洗濯物を干すように木々に女の子達が吊るされているのだ。

私達への脅しか?それとも自己満足でやっているのかは分からない。


光の届かない森林の中から禿鷲の視線を感じる。

彼女達の死肉を狙っているのだ。

車を降り、先へ先へと進むとそこは地獄絵図だった。


抉れたように穴が空いた焼け野原に死体の山が積まれており、全部焼死体、原形が残っていても蒸し焼きにされ目玉が飛び出している。


その視線を合わせないようにするが、目を合わせない訳には行かない。

八咫烏さんも隼さんもここがゴールだと教えてくれたのだから。


『おい、バカンナ気をつけろ。異常だぞこの空気、姿が無いが見張られてる感じがする』


「センリ君の能力かもね。皆んな、武器を構えて」


「ジャッチ、お願いします。ほぉら、貴方の獲物がすぐ近くにいますよ?」


死体の山の頂上に降り立つように2人の男性が一緒で現れる。

「瞬間移動」を得意とするポートマン・ルークと白髪混じりの黒髪を持つ男、あの不気味な笑みからジャッチというのがすぐに分かった。


「貴方がジャッチさんですね?人を踏みつけにしないでいただけますか?失礼ですよ?」


「ヴィクトリアちゃん、ここにいたのか。ロンドン塔にいないから逃げちゃったのかと驚いていたよ。さぁ、僕と一緒に戻ろう?迷子になっちゃったんだね。もう、大丈夫だよ」


(この人、全然話を聞かない。わざとなの?それとも素でこうなの?)


「レディ、落ち着いて。ペルケレ先生の許可は取れています。コードネーム:ジャッチ、貴方を今ここで処刑します。貴方は3200人の女性の命を奪った、哀れな女性達に罪を償って下さい」


「ヴィクトリアちゃん、哀れなのは女性達じゃなくて男性達だよ。元々女性が少ないのに3200人も居なくなったんだ、それで番を無くしてしまった3200人の男性の方が哀れだよ。殺せるものなら殺してみろよ」


No.6を読んでいただきありがとうございます。

次はNo.7「屍の盾」をお送りします。

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