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拘束
どうやら僕たちは古い大きな木の切り株の上に居るみたいだ。ぼんやりとした灯りだけど灰色の世界はもしかして根っこ広場なんじゃあないかって、いつものおしゃべりを思い出していたんだ。オンボロ橋を渡った先には根っこ広場って場所があるんだよっておしゃべりをね。
おしゃべりではそうだったけれど本当はオンボロ橋の下が根っこ広場で、此処は根っこ広場なのかな?
フカフカの切り株の上ではしゃいでいたみんなは段々と時間が経つにつれて今度はやいのやいのと騒ぎ始めたんだ。オンボロ橋から落っこちたのは誰のせいかって。いつものおしゃべりのそよ風はこれっぽっちも感じなくてその騒ぎはまるで自分は悪くないって言い争っているようで、僕はお腹がとても減ったよ。そういえば彼女の囀りも聴こえないな。
彼女はもう根っこにつかまっていたんだ。みんながいっぺんにオンボロ橋の上に乗ったら重たくてオンボロ橋は壊れてしまうって事を知っていたのに、僕たちに伝えなかったから。
そしてみんなは根っこにつかまってしまったんだ。