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約束

 あの日のおしゃべりはみんないつもよりとってもワクワクしていて、マーブル色の鮮やかな逆さ虹がいつもよりハッキリとしていた。彼女のビブラートが混ざったそよ風はいつもより少しだけ強かった気がする。

僕たちはオンボロ橋を渡ったことが無いんだ。だってさ、此処でおしゃべりをしているだけで楽しくって、白日夢みたいな時間はあっという間に過ぎちゃって、僕はお腹がへったり暗くなってくると怖くなっちゃう彼や、憎めない可愛らしいいたずらをあの子にされて暴れそうになるあいつをお人好しな誰かさんが優しく宥めてあげたり、黒の時間が近づいてくるとみんな忙しいんだ。この森には一つだけ『やくそく』があってね、黒の時間は静かに眠って過ごさないといけないんだ。何でかは分からないけれど僕は黒の時間は綿菓子雲も見えないくらい暗いから、逆さ虹の灯りはまるで朧月夜のように感じるよ。


「ねえ、今日こそオンボロ橋を渡ってみない?」


 誰が言ったのかさえも覚えていないけれどその囁きにみんなが首をうなずいたのは覚えているよ。『やくそく』の黒の時間はもうすぐやって来ることを忘れてしまうくらい、きっと本当にそよ風は少しだけ強かったんだ。




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