俺は世界を呪う、世界は俺を呪っている2
俺は、世界を呪う。
世界は俺を呪っている。
勝てないぶつかり合いだと理解して、他に俺は願う。彼女達に、幸せあれ、
俺と接してくれた、本当の友達に、祝福あれ、と。
俺と接したが為に、不幸に、ならないでくれ、と。
もう、今は彼らにどう思われてもしかたがない、と思う。だが、これだけは言わせて欲しい。
今まで、接してくれてありがとう。
楽しかった、あの一時を、ありがとう。
そして、ごめんなさい。
これが届いてくれれば、嬉しい。届かなくても願う。ひたすらに。
青年には過去がなかった。否、あった。
あったが、過去の記憶がなかった。
それ故に、自分という生き物がよく分からなかった。そして、青年にはやる気がなかった。何もする気になれない。
青年はふと思う。
いつからこうなったんだろう、と。
そして、
昔からこうだったかも知れない、と思う。
青年は、戦う。
過去と
未来と
そして何より、現在と。
残っているのは
忌まわしい記憶だけ。
残してきたのは自分自身。戦えるだろうか?
いつもそう思い、
戦い、
泣く。
勝っても泣く。
一人で泣く。
汚された、汚された。
唯一、俺が楽しめるスポーツクラブでさえ、声が聞こえる。最初はかわいいだった。…が我慢できずににやけると、聞こえてくる。
死ねっ、臭いんだよ、しんしょう。
俺には、もう、居場所がないのか…。
にやけたくてにやけているわけではない、というのに。
臭わせたくて、臭いがする、というわけではない、というのに。
生き…これは…言えない。死にたい。
もう、疲れた。
死ねば、どんなに楽だろう、開放されるだろう。
俺は、俺は、俺は、
もう、疲れたんだ。
そして青年は苦汁の選択をする。
ふっきれて、
青年は成長した。
―説明しても―わかってくれる―はずもなし―
秋の夜風の木の葉舞う
きらめく夜空のぞきこみ
一人ふけこむ
青年がいる。
チャリこぎながら、
帰途に着く。
青年は思った。
にやけるのを我慢するのはもう、つかれた。あるがままにいよう。あるがままに。
そして青年は決めた。
しんしょうとして生きることを。
一生しんしょう、
生涯しんしょう。
生涯しんしょう、
一生しんしょう。
少年は青年になった。
いろんなことを経て
何もするつもりがなくても時は無情に過ぎて行く。
青年は上を見た。
ゆっくりと…しかし確実に変化していく。
世界は空、雲は生き物。
じゃあ、自分はなんなんだろうと。
雲から外れたもの。
消えゆくもの、
薄いもの、
淡いもの、
霧かな。
そんなことを考えながら、いつの間にか、青年は大人になるのだろう。
あの日の悲しみ、憎しみは消えていく。
時とともに思い出とともにそして同時に忘れさられる
少年は、大人になる。