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非平凡な日常




僕には8人の姉妹がいる。




皆さん、こんにちは。おはよう。こんばんは。さようなら。あ、さよならしちゃいけない。やっぱ今の無し。

僕は赤坂 誠です。趣味は特になし。恋愛経験無し。つまり童貞、ではありません。あ、嘘です童貞です。ごめんない。

後、赤坂一家の長男をやっています。…まぁ、一家って言っても僕と8人の姉妹達だけで父親も母親もいないけど。

正直言って僕の家庭事情は複雑だ。まず、姉妹達の母親は一言で言うなら浮気癖があり、家を放ったらかしにして毎夜毎夜男と遊んでいた。その浮気相手との間に出来た子供が僕の姉妹達だ。だが、皮肉な事に父親との子供は出来ず、父親は他の女を作り出て行った。そして、その女との子供が出来た。そしてその子供が、…僕だ。

けれど、父親も母親と同種で浮気を繰り返しあの女と別れた。ついでに僕を捨てた。と同時にあの女は僕を捨て、僕を施設に入れた。そして僕は3年間ずっと施設で生活していた。だが、そこで僕は長女であるバル姉さんに引き取られた。あの頃の僕は誰も信じられなくて、すべての人間が敵だと思っていたけれど、姉妹達は血も繋がっていない僕を『家族』と言ってくれた。何度も手を振り払っても、噛み付いても、傷だらけの手で何度も手を差し伸べてくれた。それがひどく嬉しくて、少しずつ、少しずつ…僕は姉妹達に幸せを教えてもらったんだ。












…幸せを教えてもらったんだ。だから幸せなんだよ。今でもさ…ただその姉妹達のせいで毎日死亡フラグと闘っているだけで












ーーーーーー




締め切ったカーテンからも滲み出るような日射しで僕は目を開けた。てか僕がケチったレース無しの生活が地味に朝活に影響しているのだ。だが僕はそんな事関係なく二度寝の準備をした。別に今日は土曜日だし、友達からも遊びに誘われていない。まあ友達は1人だがな!!






………なので一日中寝てもいいということだ。





(…朝ごはんは…ま、いいか)




…朝は頭が働かない。なので僕は忘れていたのだ。今日の食事当番が姉妹達の中で一番凶暴なあの人だという事を…





ドゴオオォォォオオン!!!と言う破壊音が隣から聞こえた。その音を聞いて僕の眠気は死亡した。ついでに僕の部屋のドアも死亡した。ついでにドアの前側の壁も死亡した。もっと言えばお隣さん家の壁がちょっとヒビ入ってるけど僕は見てない知らない。

え?て言うか何回目だ?このドアが壊れたの、て言うか、え?あっ、ダメだ眠気が死亡しても頭が回ろうとしない。働け、僕の頭!残業代あげるから…!500円………!!!ご、ひゃく…え、ん……!





「なーに二度寝しようとしているのさぁ、小生の朝飯が食べれないって?」



「か、可夢偉姉さん…」




僕の部屋のドアを見事にぶち壊した女は僕の姉妹の次女、赤坂 可夢偉(24)である。血よりも真っ赤の長い髪を一つの三つ編みにしていて、背が高く、何よりも格好のせいか男に見える。一見ただのイケメンに見えるが、この人は姉妹の中で一番人間離れしている。それもそのはず、この人は改造人間なのだから、過去に何があったのかは知らないけれど、僕が会った時には完全に改造人間だったのだ。現にドアを破壊したのは姉さんの右腕に仕込まれているバズーカで、僕の部屋のドアを壊すのは大体この人だ。





「さっさと行くよ、私の愛しいシャルナが待っているんだ。」



「え!?シャルナ姉さん、部屋から出て来たの!?」



「一週間ぶりにね、だから、さっさとパジャマを着替えて下に来るように。」





「小生は待つのが嫌いだ、3分で来なよ。」と言って可夢偉姉さんは壊したドアを蹴飛ばして出て行った。それでまた被害は拡大する。だが、そんな事は関係無く僕は死亡フラグが立ったと思い、急いでパジャマを着替えようとした。





「あらあら、ま〜た可夢ちゃんがドア諸々、壊しちゃったの?」




と言ってドアの破片を拾った女は僕の姉妹の三女、赤坂 麗奈(22)である。黒の艶のある長髪におしとやかそうな顔立ちなのだが、ドが付くほどの天然。だが僕の姉妹の中では一番安全だと言っていい。正直言ったら僕のオアシス。けれどもこの人も可夢偉姉さんほどではないが人間離れしている。この人の事を一言で言ったら超能力者だ。本人は「大したことないわよ〜」とか言ってるけど、普通の人間はテレポートなんて出来ません。物を浮かせたりなんて出来ません。




「これは後でルルナか灰楠に直して貰うから、安心してね〜」



「ありがとう麗奈姉さん、けどルルナは止めて、切実に。あいつは破壊と破滅しか引き起こさないから。創成と創作と創造のその字も無いから」



「あらあら、そういえばそうだったわね。だったら灰楠に任せるわ〜」





そう言った麗奈姉さんは一瞬で僕の部屋から消え去った。僕は私服に着替えて下に降りて行った。





可夢偉姉さんの一言をすっかり忘れたままで

僕の死亡フラグは現在進行形で立ったままで




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