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FATE  作者: おしょくじけん
新しい生活
4/11

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ようやく本編といった感じです。でもまだシリアスが続きます。すいませぬ。

 目を開けると白い天井が広がっていた。周りを見渡すと、様々な機械から出た線が僕につながっていた。だが、体に痛みは無い。周りの様子を確認していると慌ただしく医者と看護師が入ってきた。


「・・・・・。」


「・・・・・。」


 誰も言葉を発しなかった。そのまま数秒経過する。沈黙に耐え切れず、最初に口を開いたのは僕だった。


「どうされたんですか?」


 あれ、なんか声が高いような・・・?風邪でもひいたのかな?そういえば体に繋がってるチューブ。もしかして風邪を治すために?そんなわけないか。


「体は・・・なんともないのかい?」


 医者が震えながら言葉を発する。お化けでも見たのかと思うほど震えている。


「はい。えっと、僕なんでこんなところにいるんですか?」


 まさか風邪をこじらせて命に関わるような病気になってしまったのだろうか?さっきから喉の調子も悪いみたいだし。それだけじゃなくてなんか頭が重い気がするし、なんか胸も重たい気がする。


「すぐに親・・・いや、清水さんに連絡しなさい。」


「は、はい!」


 看護師さんが出て行くと、医者は僕の方へと近づいてきた。


「奥田 悠さんで間違いないかい?」


「僕ですか?もちろんです。」


「そうか・・・。」


 一体どうしたのだろうか?


「まあいい。すぐに検査するからちょっと待っているんだよ。」


「は、はぁ・・。」


 その後、一度部屋を出て、他の看護師さんを呼んできて、僕を検査室へ運び、様々な検査をしたが、異常が見つからなかったのか、すぐに機械を外され、もとの部屋へと返された。正直ずっと眠っていたせいか頭が働かず、何をしていたか、全然覚えていない。今ですらまだぼーっとしている。そこへ、突如扉が開き、一人の青年が入ってきた。


「悠!」


 その人が入ってきた時はまだ何が起こったのか理解できていなかった。しかし、目が合った瞬間、僕の意識は完全に復活した。赤くなって『失礼しました!』と去ろうとする青年の背中に呼びかけた。


「翔・・・?」


 すると、青年はピタリと止まり、ロボットのような動きで首をこちらに向ける。


「・・・・・え?俺の名前を知ってるの・・・?」


「何言ってんだよ。当たり前だろ。ずっと一緒の学校だったじゃないか。」


 その青年とは、僕の幼馴染で大親友の清水 翔だった。


「えっと・・・ごめん。俺悠以外で小中一緒だった子って覚えてないんだけど・・・。」


「僕が悠じゃないか。親友の顔も忘れたのか?ひどいなー。」


「え?え?」


 一体どうして翔はそんなに混乱しているのだろうか?すると、後ろから、医者と翔のお母さんが一緒に入ってきた。そして、翔のお母さんは僕を見ると一瞬驚くような仕草を見せるが、すぐに元の優しい笑顔に戻って近寄ってきた。


「悠ちゃん・・・辛かったわね・・・。」


 そう言って彼女は僕を抱きしめた。暖かさが伝わってくる。しかし、辛かったとは一体何のことだろうか?一体僕の体に何が起こっているのだろうか?


「母さん・・・?もしかして、この子、悠?」


「らしいわ。」


「ええええええええええええええええ!?」


 翔が大声で叫ぶ。


「いやどっからどう見ても僕でしょ?」


 ついそう突っ込んでしまった。


「いや、えぇ!?とりあえずお前鏡見たか!?」


「鏡?なんで?」


「いいから見ろ!」


 そう言って翔は、ベッドの隣にある机の中から鏡を取り出し、それを僕に向けた。そこには黒髪の少女が写っていた。


「だれ?この子?」


 後ろを振り返って見るが、誰もいない。もう一度見てみると、その子は僕の目を捉えていた。よく見ると、目が青っぽく、肌が白い。顔はどことなく僕に似ている気がする。そしてもう一度後ろを振り返り、鏡を見る。目をこすって見ても何も変わらない。そこまでしたとき、僕は考えるのを放棄した。


「これは、お前だ。」


 鏡を持っている翔が言う。


「違う。」


「・・・・。」


「・・・・・。」


「随分と落ち着いてるな。」


「何かもう一周回っちゃたよ。」


「そうか・・・。」


 翔が同情の視線を浴びせてくる。そんな目で見るな・・・。


「まさか女の子になってるとは・・・。」


 言葉にしてみると実感が湧いてくる。でも、一体どうしてこんなことになったのだろうか?


「現段階ではどうしてこうなってしまったのかはわからない。だが、何も異常は見つからなかった。検査をしてみると、体はかなり健康状態に近しいとさえ言える。そのことを踏まえた上で我々が導き出した結論は、君の自然治癒力が体を蘇生させた。と考えるのが妥当だと思われる。」


 今まで黙っていた医者が急に口を開きそんなことを言った。正直何を言っているのかよくわからないけど、自然治癒力という言葉が聞こえたとき、翔がすこし体を震わせたような気がした。


「しばらく入院してもらうが、何もなければ退院しても大丈夫だろう。」


 そう医者が告げるが、まだよくわからない。


「そもそも、どうして僕はこんなところにいるんですか?」


 さっきからの疑問を投げかける。


「君は6日前、下校中に居眠り運転をしていたトラックに轢かれた。全身骨折等により、体の組織がほとんどダメになってしまい、本来なら即死であったところをなんとか助かり、機械で生かしていたが、今日急に君は目を覚ました。ということだ。」


 全く覚えていない。体に異常は全くないし、トラックで轢かれたなら6日で治るとは思えない。だから全く実感がわかない。


「まあ一週間ほど検査入院してもらうよ?」


 最後に医者はそう告げ、部屋を出ていった。


「悠、良かったな!」


「うん。ありがとう。」


 よくわからないけど普通の生活に戻れるならそれで良しとしようと思う。

どこがコメディだよって感じですね。はい。ごめんなさい。

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