プロローグ2
ちょっとグロテスクな表現が入りますのでご注意ください!
苦手な方はバック!
まあさほどグロくはないので多分大丈夫だとは思いますが一応。
「悠・・・・?悠ーーーー!」
目の前で友人がトラックに轢かれた。俺はその光景をただ見ていることしかできなかった。悠に危険を知らせようとしたが、俺の声は出てきてはくれなかった。ただ、悠が振り返った瞬間、突っ込んできたトラックが悠を20mほど先に吹き飛ばした。振り返った悠の笑顔が鮮明に脳裏に焼きついている。しかし、今俺の前に広がる光景は、血だまりの中に最早原型を留めていない肉の塊があるのみだった。轢いたトラックはそのまま近くのスーパーに頭から突っ込んでいた。
「どういうことだよ・・・?なんで・・・?」
俺はそのまま考えることを放棄した。
―――――
目を開けると、白い天井が広がっていた。消毒液の匂いでここが病院だとわかると上半身を起こした。足元に違和感を感じ、ふと目をやると母さんが寝ていた。
「ん・・・。あ、翔、起きたのね?」
「あぁ・・・。俺どうしてこんなところに・・・?たしかさっきまで家に帰ろうとしてたような・・・・!」
そこまで考えて俺が意識がなくなるまでのことを思い出す。
「悠は!?悠はどこ!?」
「・・・・・・・・。」
母さんは黙って下を向いていた。
「まさか・・・・・死んだのか・・・?」
「死んでは・・・ないわ。」
「ほんとに!?ってことは生きてるのか!?会わせてくれ!」
「それはできないの・・・。ごめんなさい。今悠ちゃんは全身にものすごい怪我をして意識不明。今の技術では治る見込みはないそうよ。本当は即死でもおかしくないくらいの怪我らしいわ。」
「嘘・・・・だろ?」
「でも、とりあえずあなたが無事でよかったわ。特に怪我してるわけじゃないみたいだし、明日にでも退院出来ると思うわ。」
「うん・・・。心配かけてごめん。」
「いいのよ。」
そう言って母さんは俺をそっと抱きしめた。温かさが伝わってくる。生きてるって思える瞬間だった。それを悠にももう一度味わってほしい。俺は悠を救うことを心に誓った。
―――――
次の日、退院すると、俺は早速ゴーグル先生を召喚した。
「さて、とにかく有名な外科医でも調べてみるかー。」
しかし、調べてもめぼしい情報は見つからなかった。そもそも悠の状態がいまいちよく分かっていない。全身骨折やらなんやらかんやらだという話は聞いたが、詳しいことはよくわからなかった。とりあえずヤホー知恵袋に投稿しておき、その日は終わった。
次の日、知恵袋にアドバイスがついていた。
『私ならなんとかできるかもしれません。あなたのHPに電話番号を書いておいたので話を聞きたければ連絡してください。』
と書かれていた。見てみると本当に書いてあった。すぐにそこに電話をかけた
『・・・・・・もしもし。花宮です。』
聞こえてきたのは男性の声だった。
「えっと、知恵袋に投稿した清水と言います。えっと・・・」
『あーはい。あの件ですね。分かりました。できれば直接会って話したいのですが・・・。』
「えと、花宮さんはどこに住んでおられるんですか?」
『私は○○県の××というところです。』
「あ、すごいですね。僕も同じ地区です。」
『そうなんですか。じゃあ話は早いですね。××駅前に今からいいでしょうか?』
「はい、もちろんです。」
俺はすぐに準備をして家を出た。駅前までは徒歩15分と比較的近い距離にあったのでまだそれらしき人はいなかった。が、しばらく待っていると、俺の方へゆっくりと男が近寄ってきた。恐らく花宮という男だろう。
「君が、清水君かい?」
男は黒いスーツ姿に帽子をしていて顔はよく見えなかったが、恐らく20代後半~30代といったところだろう。
「はい。」
「話は見てきたよ。ちょっとしたニュースになっているからね。話を聞いた限りでは、できる確率は50%。といったところかな。」
「・・・・でも今のままだったら死ぬんですよね?」
「そう。しかし、この薬はまだ開発途中で、研究している最中なんだ。」
そう言って花宮はスーツケースからひとつの注射器を取り出した。中には黄色っぽい液体が入っていた。
「それは何の薬なんですか?」
「人体の自然治癒力を上げる薬さ。試作段階だがね。」
「これで悠は助かるんですか?」
「50%ね。」
「・・・・お願いします。」
「それは君が決めていいことなのかい?」
「分かりません・・・。だけど、お願いします!どんな報酬でも払いますから!」
「ああ、その件に関しては心配しないでくれ。さっきも言ったがこれは試作段階だ。つまり、これを実験として使わせて欲しいんだ。だから報酬は必要ない。」
「・・・・!」
「だが、これで失敗してその子が亡くなっても私たちは責任を取れない。それでいいだろうか?」
「俺は決めることはできません。でもどうか、悠を助けてください!」
「よし、君が誰にも言わないという約束を守ってくれるならこれをその子に打とう。」
「はい。言いません。」
「分かった。結果が出たら報告してくれ。」
「分かりました。よろしくお願いします。」
これで悠が助かるかもしれない。そう思うと俺の心は弾んだ。絶対に悠を助ける。そのためにこの実験がうまくいくことを祈るしかなかった。
気分が悪くなった方は申し訳ありません。
いやー文章を作るって難しい!