表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おんながおとこに抱かれるということ。 たまごサブレ。

作者: ミハナ

その人と会うのはもう何回めかになっていた。


柱のあるへやで、暖かいひかりがつよくなる。

闇がおだやかに遠ざかりシャワーに向かってわたしはあるく。


まどのないこの空間でバスルームだけは正気を保っていて、

律儀にひるまのひかりに照らされている。


よくあらう。

いつかはほろびる、ほろびつつあるからだを、

ようやくじぶんのもとに帰ってきたじぶんのからだを、よくあらう。


買ってきたんだと、いいながら袋をやぶるせなかをみる。

足音。とおくから水音がきこえる。


へやにある、隠されている開かないまどをみながら たまごサブレをたべる。


あたまをなでられている。わたしは気づかないふりをする。


てをつかまれる。

めのまえにさしだされるたまごサブレをわたしはかじる。


あたまをなでられている。わたしは気づかないふりをする。


へやはふたたび闇をむかえる。

いまの、いまだけのわたしのからだの持ち主の、

くちのさきにあるたまごサブレを持つその指が、闇にとけていくのをみる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ