アジ
猛禽類っぽいのに家畜が襲われたりする様にしようかとかおもってますので、そういうのとか、初心者の実験的作品がダメな方は、オススメできませんのでお避けください。
m(_ _)m
その日は、おだやかな朝だった。
アジは普段の様に、陽が登る前に起き出し、三十頭ばかりのクアと呼ばれる家畜を囲いから一頭づつ数えながら出していた。
クアは、アジの家の様な夏季に放牧する者たちに飼われている獣で、主にその毛皮や乳、時に肉を食用もできる家畜である。
一番大きなクアは、今年かぞえで十歳になるアジのゆうに三倍はあろうかという大きさだが、クアの性格は大人しく従順な為、アジと彼を手伝うウラ数頭で誘導できている。
ウラはアジよりもさらに小さく、生まれたての仔クア程もないのだが、臆する事なく柵から出たクアを上手に放牧地への道のりへと進ませてくれていた。
ウラは黒い毛並みが「ウタ」、茶がかった「ウワ」、「ウタ」の子供で黒の毛並みに、目と目の間額に当たるあたりに白い毛並みがある「ウフ」がいる。
三匹は先行したクアの鼻先にいたとおもえば、アジの足元近く間で駆け戻ったりと、くるくると楽しそうに走り回ってクアの群れを整理していた。
最後のクアを柵から出し終えると、アジは自宅に向かって出掛けると一声かけると、放牧証の付いた杖を手に、ウラやクア達と共に歩き出した。