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01

 ここ日本では未だに盗賊の勢力が衰えない。

 各県での盗賊被害件数は年に千を超える。

 その盗賊の対抗策として、日本では幕府が存在し、幕府の将軍は盗賊を捕らえ、妥当な罰を与える。

 しかし、その罰には死刑が存在しない。

 あくまでも捕えることが幕府の目的である。

 もちろんその方針に納得できない者が一部いるが、これは法律上覆せない事実である。


 

 「いいから酒を持ってこい、俺は気分が良いんだ。」

 今年5歳になるサクヤとその母親はとある盗賊に捕まっていた。

 話によると、このまま他の盗賊や国に売られるとのこと。

 

 「良い?サクヤ。

 あなたは逃げるの。お母さんが隙を作ってあげるから。」

 

 母親がサクヤに耳打ちをする。

 

 「おい、何話してんだこの商品どもが。」


 ある盗賊が母親の髪を鷲掴みにして、サクヤと引き離す。


 「お母さん!クソこの野郎ー!!」


 サクヤはその盗賊に未成長な体ながらも、突進して、足元にパンチを加えるが、盗賊は笑いながら、その攻撃ごと蹴飛ばす。


 「お前らは生きてようが死んでようが大差はねぇ。

 見せしめに殺してやる。」

 

 盗賊が拳銃を母親のこめかみに当てる。


 サクヤは叫ぼうとした瞬間、パァッン

 引き金が引かれた。

 

 こめかみから血飛沫が舞う。

 

 「キャャャャァァァ」

 サクヤは断末魔のような叫びを盗賊の拠点で響かす。


 「うるせーぞ、次はガキ、お前だ。」


 盗賊が銃口をこちらに向けたその瞬間、

 

 バタン

 と拠点の扉が思いっきり開く音。


 入ってきたのは和服で金髪オールバックの男。


 「くそっ、幕府か、、

 まぁ良いこの人数相手に1人できたのか?」


 盗賊が少し焦って素振りを見せたが、多勢に無勢の状況を見て少し安堵した様子を呈した。


 「雑魚は何人いても多勢にならない。

 強者は1人でも多勢になる。

 かわいそうに、盗賊ちゃん!」


 和服の幕府と思われる男は、ここにいる数十人の盗賊達を煽る。


 「威勢がいいな、若いの。

 行け、お前ら。」


 盗賊のカシラと思われる男が部下に向かって指示をする。

 部下の盗賊たちは体に霊気を纏わせ、そこらで拾ったバーベルや剣を使い、和服男に襲いかかる。


 和服男はその攻撃を全て見切り、フリースペースに行くと、独特の構えで両手を広げる。

 すると、和服男の背後から銀の成分が現れ、盗賊たちに向かって放たれていく。


 銀を浴びた盗賊たちは、体が銀化していき、固まっていく。

 地面に倒れた盗賊は伸縮性もあり、弾力性もある成分へと早変わり。


 盗賊のカシラは命乞いをするが、和服男は聞く耳を持たず、同じ攻撃を浴びせる。



 和服男は手をはたきながら、一仕事終えたかのような達成感を味わい、サクヤの方へ向かっていく。


 「大丈夫かい?ぼっちゃん。」


 見かけによらず優しい声だが、芯の通った重厚感すらも感じさせる。


 サクヤは立て続けの衝撃に言葉が出ない。


 「困ったな、まぁこの歳でこんなの見せられたらそうなるわな。

 そうだ、俺が面倒見てやるよ。

 だから、このことは黙っててくれないか?」


 和服男はサクヤに手を差し伸ばすが、

 「そっか、まだ喋れないんだったか、

 とりあえずここから去ろうか。」


 そう言って和服男はサクヤを担ぎ、この場を後にした。

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