008 君に会えない ~ステファン・トリュフォー侯爵子息side~
すみません。
なんかなぁと加筆し始め・・・更新できず・・・
ステファンは何故かポンコツです。。。
学園の中でも皇族には執務室と客人を歓待出来る応接間の続き間の私室が準備されており、昼食をとったり、休憩をとったり、割り振られた執務、公務に準ずる準備を行うため使用されていた。
そこは、オクタヴィアン第五皇子の私室であり、もちろん側近であるステファンやケヴィンの出入りも自由であった。そのほかにも王家の代々の執事、成人済の護衛騎士の授業中の待機場所としてオクタヴィアンの側近が7人ほど出入りしている。
そんな部屋の中、ステファンが頭を抱えて項垂れているところにケヴィンは入室してしまって図書室へ行こうかと踵を返そうとする。しかし、それは叶わなかった。悲壮感を漂わせたステファンに地を這うような声で呼び止められたからだ。
「ケヴィン。なんで、出て行こうとするの?」
「・・・・・・」
「何か言いなよ!」
「あぁ。面倒くさそうだなと思って」
「正直すぎないか!?」
「何か言えっていうから」
そんなやり取りの中、オクタヴィアンの執事であるリューイが二人にお茶を淹れ二人に声をかける。リューイは二人より年上で執事らしく落ち着いた声に二人も素直に従う。
「ステファン様少し落ち着いて下さいませ。ケヴィン様はお座りになってはいかがですか?」
ありがとうとお茶を啜るステファンを眺めながら仕方ないなとケヴィンが腰を降ろしリューイのお茶に口をつけうっとりと頬を緩め言葉が零れる。
「いつも美味しいね。私もまだまだです」
リューイは微笑むと、子供のころから淹れておりますのですぐに追いつかれては私の立場がございませんと焼き菓子をテーブルに音もなく配膳する。完璧な所作である。
「私も同席しても?」
リューイの言葉にステファンは顔を上げ。是非に!と答えると、ケヴィンも助かりますと頭を下げる。いえいえと、手ずから自身のお茶をいれると席につく。
「オクト様が原因でしょうか?ステファン様のお悩みは」
リューイの言葉に、ケヴィンがその通りと言うと事の顛末を始めの試験の順位争いから説明した。またですかと続けながら眉を下げたリューイはステファンに問いかける。
「ステファン様は、今落ち込んでおられる理由はなんでしょう?」
「ユルシュル嬢と・・・会えなくて!もしかして、バレたのかな?」
「え?まだ伝えてなかったの?」
初デートからはかれこれ二ヶ月経っている。その間も、一緒に図書館で勉強していたり、オクタヴィアン殿下が公務で学園不在の際はランチを共にしたり、休日に数度出かけていた。
「だって、楽しくて!あの【賭け】の【罰】ゲームがきっかけで告白したって言って嫌われたらどうするの?」
「いや、きっかけだけど元々お慕いしてたって言えばいいんじゃないの?むしろ、【嘘告】を他から聞いた方が嫌われない?」
「やっぱり聞いたのかな?全然会えなくて!図書館にも最近配架にも来てないみたいで、手紙を書いても今は少し忙しいのでまたの機会にって返事が来て」
ステファンがレモンイエローのサラサラな髪をぐしゃぐしゃと掻きむしり唸る。ケヴィンは溜息をつき自業自得と呟くがリューイが思案顔に答える。
「今、皇宮は年始まで一月前ですので慌ただしいですし、その年始の晩餐会にウルリーケ姫様の婚約者様がいらっしゃるのでお仕度に忙しいのではないでしょうか?オクト様も公務が多くなっておりますでしょう?成人済の側近は何かと忙しくしています」
リューイの言葉に、ステファンは喜色をともした顔でばっとリューイを見る。そんな、ステファンを無視してケヴィンはリューイに尋ねる。
「リューイ様は?成人済でしょう?何故、殿下もいらっしゃらないのに学園に?」
そう実際、今日はオクタヴィアンは公務で皇宮にいるし、リューイはケヴィン達より5つも上である。リューイは柔らかく微笑みながらケヴィンに説明する。
「あぁ。私は学園に通う年齢に父について執事教育を受けておりましたので、実習が必要な講義を受講して卒業資格に必要な試験を受けております。殿下やステファン様、ケヴィン様と共に卒業資格を受け取る予定にございます。今は学園が優先です。残り4ヶ月でございますから」
「はぁ~王家に代々、執事として仕えるオレンハウアー男爵一族皆様ですか?お仕えする皇子や皇女に卒業次期を合わせるという事ですか?大変ですよね?あれ?リューイ様2ヶ月前から学園にも同行してますよね?」
「ふふっそうですね。仕えている主の卒業に合わせて通わせて貰っております。オレンハウアーの特例ですね。ですが、きちんと王家に仕える事が出来たら次男でも三男でも女性でも土地はありませんが男爵位とそれに見合った報酬が王家から頂けるのですからお得ですよ。これも、オレンハウアーの特例ですね」
リューイは悪戯っぽくウィンクをする。半年で三年間の講義を履修しなくてはならないのは大変そうだけど、そういう制度のお陰で普段は口数の少ない執事とこんなに話ができるのは良い事だなと考えているケヴィンの思考を遮るようにステファンは声を張り上げる。
「待って!今は、私の悩み相談だろう!」
「あぁ。でもウルリーケ皇女様の仕事で忙しそうって話だろう?」
「でも!こんなに会えないってことある?学校でも!」
「こんなにってどれだけだよ?」
「みっか」
「「?」」
「三日!会えてないし!見かけもしない!」
ケヴィンとリューイは目を窄めてステファンを見る。なんといえばいいのやらと思いつつ、ふと気がつく。
「まて、君。手紙書いたって言ったけど1回だよな?」
「返事は1回」
「返事は?」
「私からは毎日送ってます・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・重っ」
「だって、心配だったんだ!一昨昨日は、学園に来てないようで会えなくて寂しかったと送った。昨日は返事が無く、学園にもいなかったからまた手紙送ったんだよ!体調はどうか?と・・・・・それで、体調が良いですが近日中は忙しく予定が立たないって返事が来て、忙しいそうだから体に気を付けてと会える日を楽しみにって!・・・・・送りました」
最後の方でやっと、ケヴィンとリューイの視線に気が付き尻すぼみに声を小さくするが、二人は呆れる。
「君、【嘘告】以前にフラれると思う」
「その危険性は否めませんね」
二人にフラれると言われぐっと苦し気になったステファンにケヴィンは一人納得したようにはっとした顔になる。
「まぁ。卒業式までの付き合いだからいいのか?後、4ヶ月シュミット嬢が君の重い行動に堪えられれば」
ケヴィンの発言に、ステファンはガバっと立ち上がりケヴィンに詰め寄る。テーブル越しであまり近づかなかったがケヴィンは背もたれまでぐっと下がる。
「どうゆうこと!」
ステファンの行動にケヴィンもリューイも眉を顰める。
「どうゆう事とはどうゆう事?」
「シェルと僕が後、4ヶ月ってなに?真摯に訳を話せばシェルは許してくれないかな!もう無理だと思う???でも、シェルもまんざらでもなさそうだし!優しいし!」
混乱中のステファンにリューイが不思議そうに尋ねる。
「ステファン様はオクタヴィアン殿下の側近から外れるおつもりですか?」
その質問にステファンの方が不思議な顔になる。ケヴィンは頭を抱えうぅ~と少し唸ると切り替えるように説明し始める。
「確かに、君とシュミット嬢がお付き合いを始めた頃は知らなかったが、先ほどもリューイ様に言われただろう?今、シュミット嬢はウルリーケ第2皇女殿下の公務準備で忙しいと!」
「え?聞いてたよ。シェルからも聞いたよ。ウルリーケ第2皇女殿下の執務をお手伝いする侍女に声をかけて頂きましたって・・・あ。あれ?」
「そう。ウルリーケ第2皇女殿下は僕らが卒業してオクタヴィアン殿下が公爵領を賜る頃には隣国へ婚約者として赴いて翌年には隣国ランゲリーヴ王国第二王子と婚姻される。近年、王族減少の為、我が帝国と結びつきの為だ!数年前から準備されていた事でこれは覆らない!その側近は同行する!」
拝読ありがとうございます。
ステファン・トリュフォー侯爵子息(16)
髪型:ストレート・ショート・センターパート 髪色:レモンイエロー 瞳:ターコイズ
ケヴィン・エチエンヌ伯爵子息(16)
髪型:くせ毛・ミディアム 髪色:ボトルグリーン(深緑) 瞳:グレープ
リューイ・オレンハウアー男爵子息(21)
髪型:ショートストレート 髪色:チョコレート 瞳:アイリス




