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【完結】憧れの人が期間限定の恋人になってくれるそうです。  作者: 島城笑美


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006 デートは無事?に終わりました ~ステファン・トリュフォー侯爵子息side~

すみません。

普通に予約を間違えてました。


デート・・・でいいのかなこれ?

少し長いです!

ステファンはデートの了承の約束の日、ユルシュル嬢が身を寄せている叔母上の邸まで迎えに行った。そこにはモスグリーンに山吹色の差し色が入った落ち着いていながら令嬢が着るのに相応しい可愛らしさを持ったデイドレスに身を包んでいるユルシュルが出迎えてくれた。


ステファンは表情筋を総動員して、柔らかな笑顔をかたち作る。気を抜くと鼻の下が伸びた姿になってしまっては絶対に引かれてしまう。と考えてだった。


「お迎えありがとう存じます。・・・殿方との・・・デっ・・・外出は慣れておりませんので無作法がありましたらご注意頂けたらと存じます」


綺麗なカーテシーを披露しながら少しも、つっかえながら口上を述べるユルシュルの緊張が見て取れる姿に顔の筋肉の自制が利かない。ニヨニヨしてまう頬をバシンと叩くとその音に驚きビクッと顔を上げるユルシュルとステファン目が合う。


「いやっ虫が・・・。私も・・・・デートというものは初めてでして!何か不快な事がありましたら是非!必ず仰ってください!(嫌われたくないし・・・)では!参りましょうか」


手を差し出し、エスコートの形をとりつつ御者に合図を出すが一向に、思い描いている感触が手に来ない。不思議になってユルシュルを振り返ると、いつも通り無表情に背筋がピンッとしているが顔の色が朱に染まったユルシュルの視線がステファンの手を凝視している。


(え?え?可愛すぎない???エスコートだよ!)

悶えそうな心の声を押し殺して、あくまで平静にユルシュルへ声をかける。


「どうか、されましたか?」


ステファンの声に、ビクッと視線を上げたユルシュルは淑女の薄く微笑んだ色づいた顔で、いえっと言って柔らかな手を重ねた。


(はぁっ~出発前でこれか・・・持つのかな・・・可愛すぎる)


ユルシュルを馬車へエスコートして、ステファンも馬車に向かい合わせに乗る。まだ隣に座るのが早いと思うくらいにはステファンも自重している。先ほどの可愛すぎる反応から立ち直ったユルシュルがステファンに声をかける。凛とした佇まいの彼女も美しいなと思いながら耳を傾ける。


「トリュフォー侯爵子息様。本日はどちらにいらっしゃる予定ですか?」


ユルシュルの質問に、甘やかに微笑みステファンは答える。作っているわけではなくただ単に顔が緩んでいるがステファンは気が付くことが出来なくなっていた。


「シュミット嬢・・・・ユルシュルとお呼びしても?」


「あっはい。大丈夫です。私もステファン様とお呼びした方がよろしいでしょうか?」


「ん~ステフと!」


「いえっそんな!それは恐れ多すぎます!」


「え?それは残念です。ステフでもステファンでもスティーブでもなんでもいいですよ。あっ名前が嬉しいです」


「はい。親密に見せる為にはお名前がよろしいですわよね。分かりました」


愛称や名前で呼び合う話をしているはずなのに、先ほどエスコートで赤くなったとは思えないほど義務的に返されステファンは少し不思議に思うがユルシュルの呼びかけに違和感はどこかへ飛んで行ってしまった。


「ステファン様。本日はどちらへ?」


「あぁ。すみません。今日は、ユルシュル嬢と出来ればお話がしたく・・・街を散策と食事ができるところを予約しております。よろしいでしょうか?」


レストランとトリュフォー家が懇意にしている装飾品店を予約しているが、装飾品店は身構えさせてはと思いふらっと立ち寄る予定にしていた。


「はい。歩きやすい服装とお伺いしておりましたので、ブーツにしております」


「それは良かった。あぁ着いたようです。ここからは歩きましょう。疲れたら教えて下さいね」


「ありがとう存じます。体力には自信がありますので大丈夫かと思いますわ」


ステファンが先におり、手を差し伸べると一瞬の間があったが先ほどよりはすんなりと手が差し出された。こんな小さな事に心躍ってデートは始まった。



◇◇◇ケヴィンの自宅(エチエンヌ伯爵邸)


ケヴィンは図書室で本を読んでいると、人が立っているのが目の端に入った。片付けの使用人か父の従者が資料を取りに来たのか気にせず本を読んでいるとその人影はぬぼっーとケヴィンに近づく。


ふと視線を上げると至近距離にステファンが立っていた。


「うわぁっ!何!?使用人の案内もなく入って来てるの!」


「君の従者に案内いらないって言ったら、図書室にいるって教えてくれた」


長年付き合いのある友人だからと言ってその辺が緩くなるのはいかがなものかと考えていると隣の応接室にお茶の用意が出来たと従者が声をかけにきた。ステファンの顔をみて判断したのかと察し、すぐには帰らないであろうステファンをお茶の席に誘う。


「今日、デートだったでしょ?なに?フラれた??」


「フラれてない!なんて事言うんだ!言っていい事と悪い事があるだろう!」


さっき、幽霊のように登場したくせにと思いつつケヴィンは憤慨しているステファンを眺める。落ち込んでいる?がフラれていない。デートだったのに浮れてない・・・。なんだコレ?と思いながらお茶を啜り話を続ける。


「じゃあ、なんか失態でもしたの?」


「しっ!してない!っと思う」


勢いよく答えた割には尻すぼみに返事をするとまた、落ち込んだステファンにケヴィンは呆れた。本読んでいいかな。とも思ったけど聞かないとずっとこのままだと思い至り話を促す。


「思う。失態を犯してない自信が無いってこと?もう、面倒くさいな。なんで落ち込んでるの?話をしに来たんでしょ?僕もアドバイスなんて出来ないと思うけど話聞くくらいは出来るよ」


そんなケヴィンの言葉に、ステファンはうるうるとターコイズの瞳を潤ませた。確かに美形ではあるが、ケヴィンは自身の姉のウソ泣きに慣れているので女性の涙にさえ何とも思わないのに男の涙なんて本当に何も思えないなと考えているとステファンはやっと話をする気になった。


「まずは」


「まずは?え?たくさんやらかしたの?殿下じゃないんだから!」


「いやっやらかしたというか・・・まぁ聞いてくれ」


「あぁごめん。話の腰折っちゃって」


ケヴィンはついつい殿下と同じようにツッコミを入れてしまったなと反省しながら再度、お茶を飲み一口チョコレートを摘む。うまい。


「えっと、今日は街に行ったんだ!彼女に、その・・・装飾品をプレゼントしたくて・・・・」


「うん。それで?(また、自分の色とか拒否られたのかな?)」


「うちで、使ってるお店に行ったんだけど・・・」


「え?最初から?ん、何って言って連れて行ったの?」


「え?街を散策しながらこのお店入ろうって・・・」


「え?侯爵家御用達は気軽に入るお店じゃないでしょ?しかも、君ら恋人?だけど、婚約者ではないよね?」


ケヴィンが引いてると、ステファンは腑に落ちない顔になる。侯爵家の感覚なのかステファンの感覚なのかわからないが伯爵家のケヴィンとも相容れないのだから田舎の子爵令嬢のシュミット嬢はかなり混乱しただろうなと目の前にいない令嬢に同情した。


「それで、お店入ったの?」


「いやっ断られた」


「だろうね」


「なんで!?」


「むしろ、何で入ると思ったのかが聞きたい。それだけじゃないんだよね?」


理解不能なステファンの所業はこれだけではないだろうと先を促すケヴィンに、素直にステファンは続ける。


「えっと、ユルシュルの友人の男爵令嬢と良く行く雑貨屋に行った。一応、青緑に近い?石がついてる髪飾りをプレゼントさせてもらう事は出来た。これも、なかなか受け取ってもらえなくて・・・もう破棄するしかないって・・・ちょっと同情を引いて受け取ってもらった・・・」


「あぁ。レノー嬢ね。うん。頑張ったね」


「頑張った!でも、髪に飾った後のはにかんだ笑顔が可愛くて!頑張った甲斐はあったよ!」


幼少期のデートのような有様に少し複雑になったが、普通にデート出来てるじゃないかと安心したケヴィンにステファンが更に爆弾を投下する。


「ロクシュールルースで食事をと思ったんだけど・・・」


「はぁあ?ロクシュールルース?え?なんで?」


「なんでって、兄上に女性が好む食事をするところを聞いたら・・・」


「いやいや、兄上って二番目の?」


「二番目の」


「プロポーズしたお店だよね?」


「ん?あぁ。兄上がプロポーズしたお店だね」


「え?馬鹿なの?え?侯爵家ではそれが常識なの?え?初デートでそんな高級レストランに連れて行かれたの?シュミット嬢は?」


「いやぁ。このお店に入れる装いでは無いって断られた・・・」


駄目だ。シュミット嬢が不憫過ぎる。スマート?に女性をエスコートしてる努力は認めるが、なんというか。なんというか。


「シュミット嬢・・・かわいそう・・・」


「え?何で?」


「あぁ。まず君らに家格差がある事は気が付いてる?」


「まぁ侯爵家と子爵家だよね。でも、侯爵家って言っても私は三男だよ?殿下について補佐として勤め続けても賜る事が出来るのは高くて子爵位だよ?つりあってると思うけど・・・???」


ケヴィンは真顔になる。ここは早めに正さないと、【嘘】告以前にフラれる未来しか見えなくなったケヴィンは淡々と説明する。


「まず、侯爵家御用達の装飾品店は侯爵家でも皇宮、つまり城で行われるようなパーティーにつけていく品質を扱っているお店だ!子爵位のましてや学生が婚約者でもない男から買ってもらう店ではない!」


「え?」


「更に、侯爵家次男とはいえ侯爵家を補佐しながら家の伯爵位をつぐ君の兄上が公爵家のご令嬢にプロポーズするようなお店は決して!初デートで行くところじゃない!」


「えぇ!?」


ステファンの顔は真っ青になる。自分の失態をやっと薄々、分かってきたのだろう。まだ、薄々な気がするけど・・・。


「待って!家族に挨拶は?彼女の叔母上に挨拶したいって言ったんだ!」


「え?会ったのかい?」


「いやっ叔母上は皇宮の女医で今日は不在だった」


「はぁ〜。・・・・・・・・・・・君、重すぎる。初デートですることじゃない」

拝読ありがとうございました。


ユルシュル・シュミット子爵令嬢(16)今年で卒業で成人

髪型:ストレートロング一つ三つ編み 髪色:シアン 瞳:スカイグレイ


ステファン・トリュフォー侯爵子息(16)

髪型:ストレート・ショート・センターパート 髪色:レモンイエロー 瞳:ターコイズ


ケヴィン・エチエンヌ伯爵子息(16)

髪型:くせ毛・ミディアム 髪色:ボトルグリーン(深緑) 瞳:グレープ

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