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【完結】憧れの人が期間限定の恋人になってくれるそうです。  作者: 島城笑美


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22/25

022 従者の暗躍 ~ケヴィン・エチエンヌ伯爵子息視点~

暗躍かな?コツコツと色々してましたし。

ステファンの幸せも考えてます。

新年の宴の恙なく終わり、少しばかり休養期間があった。今日は久方ぶりにオクタヴィアン殿下の執務室に集まることになったが、予定の時間にも早い時間なので部屋にはオクタヴィアン殿下とケヴィンとリューイだけがいた。


「はぁ~ハーシェルヒルム殿下は美しかったな・・・・」


「は?殿下、まさか他国の王子に懸想ですか?」


ケヴィンの指摘に、金の目を見開き慌てて言葉を繋げる。その慌てようが怪しすぎる。


「何故!私が他国の王子に(・・・)懸想するんだ!姉上の未来の夫が美人だなと言っただけでは無いか!私には可愛い!可愛いカティがいるのだぞ!」


ケヴィンとリューイのジト目になりケヴィンが質問する。


「お二人の成婚の際、姿絵を描かれると思いますが、複写を入手しますか?」


「是非!手配しろ!」


「「・・・・・殿下」」


呆れた顔のケヴィンとリューイの前で、両手を自身の前に突き出し振りながら慌てて弁明する。その姿に呆れるが、納得もする。


「いやっ!他意は無い!美しいものは、カティも好きだ!カティは姉上も好きだから絶対喜ぶ!」


「「確かに・・・」」


うんざりしながらも、これが我らのオクタヴィアン殿下だな。とケヴィンとリューイは顔を見合わせる。そして、ケヴィンは着々としていた準備の最後の根回しを始める。


「そうですね。お好きなものを止めることは出来ませんからね。殿下。私、夢が出来たんですよ。やってみたいことも」


「そうなのか!『夢』はいいよな!私はカディアと子供が3人はほしい!しかも、カディア似の女の子!そして、お父様と結婚するって言ってもらうのだ!そして、四人で私を取り合い・・・・」


「殿下!私の話をしたいのですが!」


「あぁ。すまん!すまん!応援するぞ!我らは主従関係の前に友人だからな!」


ビシッと親指を建てていい笑顔の殿下に、自分に対する警戒心の無さに溜息が出る。でも、今回はこちらにとって好都合だった。


「言質はとりましたからね!殿下は私の『夢』を応援して下さるのですよね?」


「あぁもちろんだ、私に二言は無い。これまで、ケヴィンとステファンとは色々な事を共にしたからな!其方ら二人の希望には最大限に添うぞ!」


完璧な言質になった。リューイ様が殿下の後ろで額を抑えている。彼には私の野望、それともう一つの懸念も起こりうる事が予想出来てしまったのだろう。でも、止める気は無いようだ。私が連れて来た数人の後輩たちは彼のお眼鏡にかなったのかとほっとする。


「ありがとうございます。殿下」


にっこりと微笑むケヴィンはその後の、側近全員の打合せを終えるとステファンに予定を聞く為に声をかける。


「ステファン。今日この後、予定はあるかい?君の家に寄ってもいいかな?」


「珍しいな。当分大丈夫だ。ハーシェルヒルム殿下がご帰国されるまでシェルは出仕だそうだ。年始休養期間も会えなかった・・・。君のところの馬車は?」


「今日は、君の所に行く予定で無理なら連絡すると伝えてある」


「わかった。では、うちの馬車で」


二人はステファンの家に着き、彼の私室に通される。ステファンの従者がお茶を淹れてくれ退室したのでそれに口をつけるとケヴィンは単刀直入に話を切り出す。


「ステファン。君は今後どうするつもりなんですか?」


「今後?」


「シュミット嬢との関係ですよ」


「・・・・・」


「卒業式でさようならでいいのですか?」


「いやっ!良くはないけど・・・」


「では、どうするつもりでいるんですか?」


「彼女に、ウルリーケ殿下についていくのを辞めるようにいう事は出来ないよ・・・」


「ですよね。彼女はそのために努力されていましたから・・・それでどうするつもりですか?」


「え?」


「私は殿下から離れます。殿下の言質も、リューイ殿の合意も貰いました」


「はぁ?君がオクト殿下から離れる?え?ウルリーケ殿下についていくのか?」


「なんで、僕がウルリーケ殿下についていくのですか?僕は僕の為に殿下から離れます」


「決めたのか?」


「はい。すでに決めて、最終段階です」


「家族は?」


「除籍じゃないでしょうか?」


「いいのか?」


「仕方ないでしょう?あの家にとって僕の価値は殿下のお気に入りという事のみです。まぁ。最終段階を考えると爵位はあった方が良かったけどあの家との繋がりは無い方がいいかもしれないですし」


「そうか」


「それに、殿下の側近は辞任しますが、殿下と縁を切るつもりは無いですし、切らせるつもりはありません。その根回しはしていますよ。除籍の後に、殿下との繋がり気が付いたとて後の祭りでしょうね」


「え?」


「子の除籍は当主の意向で申請できるけど、除籍をなかったことにはその子供が成人している場合。当事者の同意も必要なのですよ」


「・・・そうか」


「それで、君はどうするんですか?卒業まであと2月(ふたつき)を切りました。両想いになって浮れているのは分かりますが今から動かなければ失うのみですよ」


ステファンは自分の思考に落ちて行ったので、扉の前に待機していたステファンの従者に帰宅の声をかける。馬車の手配をしてきますと言い離れようとした彼は、一度止まり振り返り深々とお辞儀をするともう一度踵を返して離れて行った。主思いの従者のようだ。ステファンの家は其々が忙しいが仲はいいほうだからもし、あと一つの選択をしたところで何か騒動が起こるとは思えない。


家に戻ると、次の休みの日にオデットを訪ねていいかと手紙を出した。彼女が根回しの最終段階だから。


◇◇◇


「今日は時間を作ってくれてありがとうございます」


ケヴィンがレノー商会にオデットを尋ねると、今日は倉庫では無く調度品の高そうな高位貴族をもてなす応接室に通された。


「今日は、倉庫じゃないのですね」


ケヴィンはふふっと笑いながら軽口を言うと、オデットは肩をすくめた。


「最近、貴方が色々動いているようなことを私が知らないと思ってらっしゃるの?」


ケヴィンは目を見張る。ケヴィンの根回しは、ステファンには伝えたしリューイにはすでにバレている様子だったが、まだ家族すら気が付いていない。それなのに、オデットに知られたのは何故だと思案する。


「オクタヴィアン殿下の側近候補は誰の紹介だったかしら?」


はっとする。オクタヴィアン殿下の側近候補に最近入れた後輩たちは自分が目を付けていた者とシュミット嬢の兄上のユリス様に紹介された者達だった。


「オデット嬢は面識があるのかい?」


「えぇ。ユリス様に紹介いただいたわ!彼のお母様は、ランゲリーヴ出身だそうよ」


あぁ。商売関係か。と安堵を覚える。それに少しの違和感を持ちながら話を続ける。ここが正念場だから。


「話が早くて助かります。あらゆる根回しを済ませました。オクタヴィアン殿下との繋がりも持ったままです。言質も取りましたし、カディア様にも根回しました」


オデットは真剣な顔でケヴィンの話に聞き入る。すでに、彼女の中でも調査はしているだろう。隠し立てはむしろ悪印象になる。


「ですが、エチエンヌ伯爵家との縁は期待できません。僕が殿下の側近を辞めると除籍は免れないでしょう」


「ケヴィン様は、平民になってもいいと言うの?」


「はい。その覚悟でここまで準備しました。その他の貴族の縁で私が提供できるものがあるのかはまだ未知数です。除籍された僕と付き合いをやめる者、しかし殿下と繋がっているのであれば付き合いを続ける者もいるかもしれませんがそれは期待できません。


しかし、僕は今までずっと殿下の傍で仕事に勤しんできました。学園の成績だけではあなたの役に立つかはわかりません。しかし、知識は力だと思います。生かし方を貴方から学びたい。


どうか、僕をレノー商会で雇って頂きたい!」


ケヴィンは、すべてを言い切るとふぅ~と大きく息を吐いた。そんな、ケヴィンにオデットはまだ手を緩めない。


「レノー商会より大きな商会は他にもあります。当家は男爵家。大きな商売をしたいのであれば伯爵家のご子息が運営されている商会もあります。当商会にこだわる理由は?」


「・・・・・それは。・・・貴方やあなたの父上のレノー男爵の理念が・・・・

『夢物語』のようだから・・・」


「『夢物語』?」


オデットは侮辱されたのかと眉間に皺がよるが、ケヴィンが軽率に侮辱するかけがないと心を落ち着かせ話を促す。


「そうです。商売で利益を上げながら商会の人間はもちろん顧客にも幸せを届ける。全ての人が幸せに商売をするのが理想とする事が商会の在り方だと仰いました。


それは、僕が聞くだけでは『夢物語』です。


ですが、レノー男爵はその『夢物語』の実現に向けて商会を大きくし、後継者はその理念を受け継ぐ貴方を育てた。


正直、今の商会を見ても十分に他の商会に比べ物にならないくらいその理念に相応しいと思います。でも、貴方は足りないと言った。まだ、足りないと。


なら、僕は貴方の、貴方がたの力になりたい。僕の知識、能力をこの商会で発揮して『夢物語』を実現させたいのです。


こんなに心が動くことが今までなかったのです。どうか、私をレノー商会の一員にして下さい」


オデットの顔は緩んだ。やっと、いつもの彼女の顔にケヴィンの緊張も少しだけ緩む。しかし、まだ答えは聞いていない。オデットは徐に立ち上がると、右手を差し出してきた。


「レノー商会は、ケヴィン・エチエンヌ・・・たとえケヴィンでもレノー商会の素晴らしい戦力として歓迎します。もちろん、父も了承済みですわ」


ケヴィンは数秒、動くことが出来なかった。しかし、オデットが差し出した手をヒラヒラと動かすとハッとして両手で握りこむ。


「よろしくお願いいたします!」

拝読ありがとうございます!

そろそろ終わりに向かってます!


そして、ここでお詫びをケヴィンが途中から何故かケヴェンになってまして・・・

コツコツ誤字報告して下さった方がおります。

お名前を出していいのかわかりませんので改めてこちらでお礼申し上げます!

本当にうざかったんだろうなと思います。私でも思います・・・

ありがとうございます!

今後は全て直しました。最後まで楽しんで貰えると幸いです。


ケヴィン・エチエンヌ伯爵子息(16)

髪型:くせ毛・ミディアム 髪色:ボトルグリーン(深緑) 瞳:グレープ

オクタヴィアン・リーヴバレンティ第五皇子殿下(16)

髪型:ストレートロング 髪色:カーマイン(赤) 瞳:ジョンブリアン(黄金色)

リューイ・オレンハウアー男爵子息(21)

髪型:ショートストレート 髪色:チョコレート 瞳:アイリス

ステファン・トリュフォー侯爵子息(16)

髪型:ストレート・ショート・センターパート 髪色:レモンイエロー 瞳:ターコイズ

オデット・レノー男爵令嬢(16)

髪型:くせ毛ロング・ハーフアップ 髪色:ラズベリー 瞳:オリーブ

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