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【完結】憧れの人が期間限定の恋人になってくれるそうです。  作者: 島城笑美


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13/25

013 久しぶりの再会 ~ユルシュル・シュミット子爵令嬢side~

すぐにユルシュルの相手は分かります。笑

堪え性が無いのですがコメディですので許してください。

ステファンとの初デートの時に、ウルズラに仕立てて貰ったモスグリーンに山吹色の差し色が入った落ち着いた色合いではあるが、今迄の節約していたユルシュルの衣装には無かった華やかさを持ったワンピースに身を包み、噴水広場につながる道で御者には降ろして貰った。


噴水広場の周辺は混雑しているので馬車が入ると大通りに出るのに大変で、少し浮きすぎているから歩いて落ち着きたいと御者に大きな通りで降ろしてもらった。


噴水広場に近づくと、懐かしい夕日の様に明るいくせ毛を見つける。ユルシュルが学園に通い始めてから戻ることが無かったから2年半ぶりの再会に心が弾む。


「ユリス!ユリス!」


声をかけられた長身の男は、振り向くと一度目を見開いて驚きの表業になる。しかし、それはすぐに柔らかな笑顔になった。


「シェル!あぁ~都会のお嬢さんになったな!」


「叔母様に買って頂いたのよ!」


「ウルズラ叔母上には迷惑かけてないかい?」


「私がそんなことすると思う?」


「はは!シェルは無いな!」


「でしょう?素敵でしょ?叔母様と親友が私に似合う装いを見立てて下さったの!」


ユルシュルは親友のところで照れる様な仕草をした後、くるりと一回りする。すると途端に、スイっと脇に手を入れられふわりと抱き上げられ、ユリスは抱き上げたままくるくると回る。


「あぁ!王都で一番!俺の妹が可愛い!」


「やめて!降ろして!兄さん!あはは」


ユルシュルとユリスは年子の兄妹でいつも一緒に過ごしていた。兄を前にすると、学園に入って身に着けた淑女の仮面はスルリと抜け落ちた。こんなに、笑ったのは久しぶりだから誰かに見られるかもしれないという事もすっぱりと頭から抜けていた。


元来はユルシュルはすごく笑う子であった。田舎で貴族とはいえ大らかな両親と仲の良い兄弟に囲まれ、瞳や髪の清涼さを感じさせないほどよく笑う子だった。


しかし、王都に出てきた初期はあまりの人の多さと周囲の人々の洗礼された所作や出で立ちに萎縮して笑う事が出来無くなっていく中、学園では淑女教育が始まり、真面目な性格が幸か不幸か淑女としての表情を浮かべる事でくったくない笑顔というものはほぼ失っていた。


それは、ユルシュルが皇宮で働くことを目指し高位貴族の嗜みを身に着けたいとマナーの教師へ直訴したからの教育であって下位の貴族に当たる子爵令嬢、男爵令嬢にそこまでのマナーは求められていない。すべては努力と向上心によるものだった。


「さぁ!うまいものでも食べに行くか!」


「ユリスは、いつ来たの?」


「あぁ。昨日到着した。ここに来たってことは手紙は届いたんだよな?」


「そうよ!なんで、領地からじゃなくて途中の町から出すのよ!返信できないじゃない!」


「いやぁ。父さんが腰が痛いっていうから急遽、俺が商談に出ることになったんだよ。

領地から出る前に手紙をだしても俺がつく1日か2日前にしか着かないだろう?下手したら俺が先に到着してしまう。郵便の流通がいい近隣についてから送ったんだよ」


「お父様大丈夫?ん?あれ?ユリスに商談も大丈夫?」


「何言ってるんだ!王都以外の近隣や隣国も俺が商談に行ってるぞ!お兄様を見縊らないでもらおうか!」


あははっと腰に手を当てて胸を逸らすユリスにユルシュルは変わらないなぁと微笑む。


「それでは、腕利き商人貴族のお兄様!すてきなレストランへエスコートしてくださいな!」


と言いながら、腕にぶら下がる。実家で行っていた紳士淑女ごっこのような全くきちんとしていないマナーをしながら屈託なく笑いながらレストランへ歩き出す。


ユリスが予約してくれたレストランは裕福な商家が利用するような、少し落ち着いてはいるが格式ばった場所では無くホッとてぶら下がりエスコートからきちんとしたエスコートに直し、それこそごっこみたいねと囁きながら入店した。


食事を取りながら、近況の報告。ユリスからは家に残っている弟妹達の話を聞いた。ユルシュルのすぐ下の弟は来年13歳になるので、ユルシュルと入れ違いで学園に入る。そんな弟に毎日、「淑女になれないと学園にはいけないぞ」と言われ、泣きながら母親にマナーと文字を習っているという10歳と8歳の双子の妹たちの話に頬がゆるむ。


それは、「このままでは13歳になっても学園に通うなんて無理じゃないかしら?」と勉強から逃げている弟にユルシュルが学園に入る前に話をしたことそのままだった。その時には学園に通うために王都にいた兄は見てなかったが学園にきたばかりのユルシュルから話を聞いていたので本当に笑いをこらえるのが大変だったんだよ。アイツ真面目に説教してたからとニコニコと話す。


家族の話に気を緩めたユルシュルは、ユリスにステファンの話をした。弟妹の多い、年子の長男長女の二人は同士の様に仲が良くお互いに内緒の話が今までなかった。


つい気が緩んだユルシュルは、初の恋人ができた話から殿下の賭け【嘘】告までも全部話してしまい、さらにはステファンに憧れユルシュルを貶めようとした令嬢たちの為に身を引いた方がいいのではないかとまで話す。


最初、恋人が出来たと喜んでいたところに【嘘】告、【偽】恋人にユリスは段々イライラしてくる。だが、なぜかその嘘告野郎の話をするユルシュルが可愛らしく頬を染めたり、嬉しそうにデートの話をするので怒ってもいいのか困惑する。


「シェル!ちょっと待て!そいつに復讐とかする話じゃないのか?」


「復讐?」


ユルシュルは緩く首を傾ける。可愛い仕草だが何故、不思議そうな顔をするのかユリスは本当に分からなかった。


「嘘の告白で!ユルシュルを騙して!」


「でも、私も知っててお付き合いしてるのだから、私の方が騙してるかも?」


「デートだって!なんか質素じゃないか!」


「・・・・豪華なデートは萎縮するからって断ったの。私は彼と会いたかっただけだから」


「それで、変な女たちに絡まれたんだろう?」


「ん~やっぱりそれはしょうがないと思うのよ。彼女たちもステファン様を慕ってのことだから実害はないのだし」


「?????? なんで、俺に話した????」


混乱極まるユリスにユルシュルははにかみながら答える。


「だって、初の恋人よ!話したいじゃない!ユリスもきちんと報告してね!」


愕然とするユリスにユルシュルは更に言葉を続ける。


「あっ!相談事はあったの!卒業パーティーを思い出にしたいからそれまでステファン様にはお付き合いをしてほしいと思ってるのだけど、やっぱり彼女たちの事を考えると・・・・早く別れたほうがいいのかしら?」


混乱の上に、混乱する相談をされてユリスは頭を抱えて唸る。何が自分の妹をこんな珍獣にしてしまったのか都会って怖いなとぼそっと独りごちる。

シェルも変な子になっちゃた・・・

でも、理性的なのですよ。

*************


拝読ありがとうございます。


ユルシュル・シュミット子爵令嬢(16)今年で卒業で成人

髪型:ストレートロング一つ三つ編み 髪色:シアン 瞳:スカイグレイ


ユリス・シュミット子爵子息(17)前年卒業済

髪型:くせ毛ツーブロック 髪色:キャロットオレンジ 瞳:スカイグレイ


髪色はユリスがママ似、ユルシュルがパパ似、目の色は二人ともパパ似

女の子は、パパ似が幸せになるとか・・・

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