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銀髪の劣等令嬢

この作品には残酷描写が含まれています。

苦手な方はご注意ください

私の名前は……フィリア・フィリフィス・フェルラディア。

フィルラディア王国、次期王女になる予定だ。

ただ……私にはとある問題がある


それは、姉さん達と比べ、遥かに劣っているということ。

姉さん達は勉強も運動もでき、魔法も聖級まで扱うことができる。


だけど、私はまだ中級魔法しか扱うことができない。

姉さん達は十二歳で聖級魔法を会得した。

でも、私は十二歳になっても、中級魔法しか扱えない。

お父様やお母様は、私のことを失敗作と言ってきた。


「お前みたいなやつに王女をやらせる訳には行かんな」


「えぇ、そうねあなた」


まるで、ゴミを見るかのように私のことを見下ろしていた。


食事は、姉さん達は親と食べているが、私は部屋で別のメニューを食べていた。


「落ちこぼれに、同じ食事を摂らせる訳には行かない。もし、同じものを食べたければ聖級魔法を覚えろ、まぁ十二になっても未だに中級魔法しか覚えられないお前には到底覚えることはできないだろうがな」


「……」

私は、何も言わなかった。

言っても、また殴られるから。

反論した瞬間、お父様は誰であろうと構わず、殴る。


そもそも、世間一般的に見れば十二歳で中級魔法を覚えたら充分すぎる程だ。

中級魔法は二つ魔法を覚えることができる。

そして、Cランクのクエストならば一人でも行ける強さだ。


だけど、フェルラディア家に生まれたからには最低でも零級を十一歳で覚えなければならない。


この世界の魔法階級は以下の通りだ

初級(全ての基礎であり、誰でも会得が可能)

中級(一人でも下級魔獣なら倒すことが可能)

上級(一人でも中級魔獣まで倒すことが可能)

超級(一人でも上級魔獣まで倒すことが可能であり、A級クエストを攻略が可能になる)

零級(一人でも迷宮を攻略することがかのうになるる)

聖級(魔法のエキスパートになり弟子を取ることが可能になる)

下記から一人でも無双することができるようになる

煌級(百から千人の部隊を滅ぼすことが可能になる)

天級(普通の大きさの国を消すことが出来る。また、地形を変えることができる)

神級(大陸を跡形もなく消すことが可能になる)

の九つである。

階級が大きくなるにつれMPが激しく消費することになる


魔法の他にも剣術、武術もあるが魔法と一緒なので省略する。


ただし、剣術と武術には流派があるが、それは後程説明する。


また、どうすれば魔法階級を獲得すればいいのかは下記の通りだ。

・昇格試験に合格すれば獲得

・師匠から教わり、試験から合格すれば獲得

のどちらかを達成すれば大丈夫だ。


私は、姉さん達よりも才能がないため試験は一回では合格できなかった。

ほとんどの人が初級を一回で合格する。

お父様はこの時から私に対する当たりを酷くしたらしい。

初級に4回再試験やって受かった。


本当にこの元の体の主は、落ちこぼれだったのだろう。

私も同じ境遇だったから、この気持ちは分かる。


ちなみに、いまの体の主導権はセイラにある。

私が死んだ理由は、命の恩人が目の前で死んであまりのショックを受け、その日の夜に自殺をした。


そして、この体の元の主だった女の子は転んだ時頭を強く打った瞬間に私と転移したのだろう。


まさか…この私が異世界転移するとは思わなかった……

本当にその日は、ずっと困惑した。

死んだはずの私が、別の体に移り変わり、明らかに日本じゃない場所に居たんだから。



こうみえて、私は隠れアニオタであったため、異世界転移の事は分かっていた。

いや……こんなことあるんだな……と思った。

気づいたら、異世界にいて別の体の主導権を握っていたから……


しかも……めちゃくちゃ家族から嫌われてるし……


異世界転移したら、俺TUEEEE系とかになるんじゃないの?

違うの?


はぁ……最悪だ……


でも……こうなった以上……この体のまま生きるしかないな……


さてと、これからどうしたものか。


まぁ、普通ならば、この元の主には性格がある。

急に性格が変わったら、みんな驚く。

でも、ずっと、この生活が続くと私が限界を迎えて自殺する可能性がある……


あと……噂で聞いた話だけど……いつまで経っても聖級を覚えないから処刑するっていう話をメイドさんから聞いたことがある。

それは……いやだ……

でも、前世でも、親からいっぱい殴られたり刺されたりしたから……痛みには慣れてるけど……そういう問題じゃないんだよね。

生き延びたければ……変えるしかない……


変えよう……この性格を……


こうして、私は生き延びる為に修行することにした。


「よし、頑張るぞ」

ポニテにして気合を入れ、修行を始める


最初はどうやったら魔法を出せるのか、この世界の仕組みはどうなのかを勉強する。


「ふむふむ……なるほど、面白いな」


魔法というのは魔法陣を出して発動させるのが一般的なんだな。

だけど、稀に魔法陣を出さないで強力な魔法を出すことができる者もいると。


へぇ〜……


私たち一族は魔法陣を出さないで魔法を発動できるらしい。

なるほど、仕組みが分かってきた。


「よし、さっそく教本をみながらやるか」


私は片手に教本を持ち零級魔法を発動させてみる


「零級魔法 氷の牢獄アイス・プリズン


と唱えると氷の牢獄が現れた。


「からの氷の首輪アイスロック


と唱えると氷の首輪が現れた

この二つの魔法はコンボで使うのが主流だが、単体でも強い

氷の牢獄アイス・プリズンは相手を閉じ込め、時間が経つにつれ、氷漬けにさせ、氷の首輪アイスロックは考えさせるのをやめさせる能力がある。


恐ろしい……


というか、この子のMP普通に高いな。

そりゃあ、そうか。

一応、この一族の者だからな、高いに決まってる。

ただ、この子には才能がなかったからだ。

努力をする才能。


この子は、諦める癖がついていたんだ。

挑戦しても失敗するのを繰り返して、成功しないままやめる。

いけないことだ……

まぁ……私も人の事言えないけど。


そして、その日から私は修行し、月日が経ち試験の日がやってきた。


試験内容は単純。

聖級魔法をだし、ゴーレムを破壊すること。


「では、次、フィリア・フィリフィス・フェルラディア」


「はい!お願いします!」


私は、魔法陣の中に入り、戦闘態勢に入る。

少しの間ができた瞬間、ゴーレムが現れ、一気に突っ込んできた。


でも、私は怯まずに練習通りにやった。


「まずは、相手の動きを封じ込める!砂波(サンドウェーブ!

)」


砂の波がゴーレムを襲い、動きを鈍くした後すかさず

「氷の牢獄アイス・プリズン!」

「からの氷の首輪アイス・ロック!」

コンボは決まった。一旦様子を見る


「ガ……ゴ……ギ……」


明らかに弱っている。

このコンボは普通に強いわね。


「よし!いいぞ!!最後はこの魔法で締めます!頑張って自力で会得した私が今持っている最強の魔法を!終焉ノ氷を放つ魔法エドゥラ・フォーリス!」


辺り一面が一気に氷の世界になり気温が下がって、ゴーレムを氷漬けにさせた。

そして、ゴーレムに纏っている氷はヒビが入りゴーレムごと崩れ倒した。


「はぁ……はぁ……やったぞ、やったぞ!倒した!」

私は喜びでぴょんぴょん両腕をあげ、ぴょんぴょん跳ねた


そして、試験監督がその場から立ち私の方に向かう。


試験監督は私の肩を優しく置きこう呟く

「合格だ。よく頑張ったな、このくらいの規模の魔法を操れさえすれば君は、もう聖級……いや……それ以上の階級の強さだ、君の強さは煌級レベルだ。飛び級で煌級に昇格だ!おめでとう!」


「嘘!本当ですか!嬉しい!ありがとうございます!」

なんと、私は飛び級で煌級になってしまった。

これで、両親や、姉様達に認められる!


月日が経ち、私は旅をでることにした。

あの日、父様に煌級になったことを伝えたら泡を吹いて倒れた。

落ちこぼれの娘がいきなり煌級になるなんて思いもしなかっただろうから。

そして、旅をしたかった私は説得をして、許可を得た。


「これから、どんな出会いが待ってるんだろう、楽しみだ」


私は門を潜り、期待を膨らませ、一歩一歩力強く歩き出した。


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