漆黒の魔女
この作品には残酷描写が含まれています。
苦手な方はご注意ください
死んだはずの私は、何故か目を覚ました。
ここは、どこだ?
私は……死んだはずじゃ……
辺りを見渡す
どうやら、森にある泉の真ん中に立っているらしい。
しかも、裸だ。
「うお、よく見たら裸じゃないか」
一瞬、戸惑ったがすぐに落ち着いた。
「まぁ、いいか。これくらいは、森には私以外の人は居なさそうだし、というかここはどこだ?日本のどこか……じゃないよな?」
明らかに日本じゃない景色だ。外国か?と思ったが、死んだのは日本だ。
外国に飛ばされた可能性は低い。
だと、すると恐らくここは死後の世界……もしくは、異世界となる。
「死後の世界じゃなさそうだよな、もしかして、異世界か?マジか」
「これから、どうしたらいいんだ?私は」
とりあえず、泉の近くにある大きな岩の上に座りしばらく考える
……うーん、どうするか
私は、しばらく考えた結果、この答えを出した
「よし、まずは服を作ろう、じゃないと、いつまでも裸のままだからな」
こうして、私は服を作るために使えそうな物を集め、服を作った。
「これでよしと、うん上出来だな、さすが私」
この森にいた黒い獣がいたので、狩ってその獣の皮を服にした
しかし、あの黒い獣、怖かったな。
急に、襲いかかってきて、間一髪で避けた後ろに大きな岩がたまたまあってそ、その岩にぶつかり気絶した。
だから、簡単にこの服が作れた。
「それは、そうとここは異世界なのだから魔法を使えるのか?試してみよう」
場所を移動して、早速試す
「異世界系ラノベだと、火球は初級レベル。だから、誰でも扱えそうだ」
そもそも、上手く扱えるか不安だ。
この世界にはもちろん、MPというものが存在するだろう。
私のMPはどのくらいあるのだろうか。
それも、知るために限界が来るまで、やり続けよう。
とりあえず、やってみよう。
私は、右手を前に突き出して、言う。
「火球」
体中から何かが、右手に集まっていくような感触があり、その何かが押し出されるようにして、右手の先にバレーボール位の大きさの火球が出来る。
「うお!?なんか火球が出たぞ!すごい!」
と、感動した次の瞬間、火球は木に向かって発射し、木にぶつかったのと同時に、ぶつかった木が燃え、灰となった。
「おぉ……なんという威力……これ、ただの火球じゃないぞ……?もしかして……もしかしてだけど、私、チート能力者……?だとしたら、大変なことになるぞ……」
感動したと同時に不安の感情も抱いた。
まぁ、とりあえず、魔法は使えることは分かった。
そして、チート能力者だということも分かった。
ラノベとか読んでいて、チート能力羨ましい〜と思っていたが、いざ自分が持つと、なんか……言葉では上手く言い表せない……嬉しいと不安の感情が一緒になっている……
よし、決めた。なるべくチート能力は使わないで努力しよう。
そうしよう。
こうして、私はチート能力になるべく頼らずに修行を沢山した。
月日が経ち、私は火、水、雷、風、土、闇、光属性を会得した
そして、服も進化。
布一枚だったのが、フード付きコートも取得。
かっこいい……
厨二病が喜ぶ格好だ。
黒ずくめ……
自然と顔がニヤける。
……ふふ
それと、一つわかった事がある。私は普通の人間ではなく、魔女らしい。
だから、MPも高く、最初から高火力の魔法も使えた。
この世界の魔女は、他の種族よりも遥かにMPが高く巧みに魔法を扱える。
なるほどなぁ……
基本、魔法は誰かに教えて貰ってやっとできるものだけど、才能のあるものや特定の種族は、一人でも魔法を覚えることができるらしい。
そして、誰かが広めたのか知らないが、この森に魔女がいるという噂を流した奴がいる。
そりゃ、毎日大きな音を立てていたら、この付近を通った、誰かが、この森に何かいると察知して、広めたに違いない。
そして、この森に人が入るようになってきて、私を見つけようとする。
私は見つけられたくないので、感知魔法も会得したのでその能力を使い、魔道士が近づいたら逃げるようにしているが、たまに見つかることがある。
その時は、仕方ないので相手をする
「見つけたぞ!魔女め!!」
甲冑を被った男とマントを羽織った魔法少女、弓使いのエルフの女性、剣を持った男が現れた。
「私がこの森の魔女だ、よくぞ私を見つけ出したな、褒美として相手をしてやろう」
こうして、戦うこととなった私は軽い運動を兼ねて相手をすることにした
風が止んだ瞬間、マントを羽織って杖を持っている少女が動き出した。
「みんなに、付加術魔法!全能力上昇!!神の付加術!!!」
すると、みんなの周りから光が現れた。
恐らく、能力が上昇したのだろう。
だが、私なら問題ない。
対応できる……はずだ。
「面白い、来い!」
「うおおおおー!!」
剣を持った赤髪の男が叫びながら、突っ込んでくる。
ただ、突っ込んでくると思いきや四方八方に飛びながら突っ込んでくる。
あいつは、あの見た目で結構頭を使うやつなんだろう。
弓使いの女エルフは弓で私の影を刺し、動けなくさせた。
「へぇ……でも、甘いな」
私は、腕をぎゅっと縮め、間を少し置いてから腕を広げ、巨大な炎の波を作り出し、赤髪の男とその仲間を飲み込もうとした。
「まずい!」
甲冑を被った男が、咄嗟に防御魔法を仲間に付与させたが私の魔法が勝って、破壊し直撃した。
「うお!?」
「きゃあ!」
悲鳴が聞こえ、炎の波が収まった。
周りには灰となった木があった。
挑戦者はというと、その場に倒れていた。
話しかけても、反応しなかった。
……あれ、もしかして、死んでる?
一応、確かめた。
息はしていた。
ほっ……よかった。
とりあえず、時空間魔法を使って、この人達を運ぶとするか。
空間を開き、その中に入れて移動させた。
その後は、灰となった木を回復魔法で復活させ元通りにさせた。
「ふぅ……ちょっと、やりすぎたかな……しかし、エンチャントは便利な魔法そうだな、覚えるか」
再び、挑戦者が来ては返り討ちにした。
そして……黒ずくめ、黒髪、黒目の容姿、また、魔女なので、私のことをこう呼ぶ者が多くなった
漆黒の魔女と……