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フランソワとの戦い②

 テニスコートは崩壊し、魔法学院の明かりが消え、真っ暗な闇が全てを覆い尽くしていた。

 無数の魔法が飛び交い、世界の終わりのような戦いが繰り広げられていた。



 その時、フランソワだけは微笑んでいた。




「やっと、全てを終わらせることができるわ…。元の乙女ゲームに戻すことができる。これは素晴らしい催しになりそうね~」



 彼女は世界の終わりを願っているかのようだった。

 その時、メアリーが歩いてくる。

 傷ついてはいたが、彼女は元気そうだった。



「あら、あなたは元気なの?」


 フランソワの声がする。


「もちろんよ。だって、テニスの試合が終わっていないんですからね~」


 と、メアリーは返事をした。



「でも、テニスコートがないわよ。どこで戦うのかしら?」



 そう問いかけると、メアリーが持っていたテニスラケットでフランソワの頭を叩いた。

 一瞬で、フランソワは吹き飛ばされた。



 フランソワは何が起きたのか理解できなかった。

 すると、メアリーの声がした。



「さあ、試合を続けましょう…」



 メアリーは悪役令嬢のような笑みを浮かべた。

 それを見て、フランソワはメアリーとの距離を取っていた。



「昔から、そういうところが嫌いなのよ…。絶対にあなたは許さない…。この攻撃で終わらせてもらうわ…」



 フランソワは魔力で扇を作り出した。

 彼女の両手に魔力が集まっているようだった。



「氷魔法をプレゼントしてあげるわ!!!」



 フランソワの声がした。


 フランソワの頭上にたくさんの氷の塊が現れ、それがメアリーに向かって飛んでいった。

 大きな塊がメアリーにぶつかっていた。

 


 メアリーは倒れ込んだまま上空を見つめていた。



「大丈夫か?」


 ドラゴンの声がした。


「どらちゃん、あの青い月、邪魔だから吹っ飛ばしてくれない?」


 と、メアリーが返事をする。



「はあ、何を言っているんだ!?」



 ドラゴンは驚いた顔をしていた。

 しかし、メアリーは青い月を指さしていた。



「あの青い月ってさ、邪魔だと思わない? 吹き飛ばしてほしいのよ!」


「青い月だよな…?」


「そうよ!」


「確かに、この距離なら魔法が届くかもしれないな…」


「じゃあ、お願いね。このゲームが終わってしまうのを止めたいの!!」


「本当に良いんだな?」


「もちろんよ!!」


「仕方がない…。ただ、どうなっても知らないぞ!!」



 ドラゴンの声がした。

 メアリーは笑みを浮かべていた。



「いいの、いいの、青い月なんていらないでしょ!! フランソワが月に帰ることもなくなるんだしさ!!」


「この世界の(ことわり)すら壊すというのか…」


「そうね!!」




 ドラゴンが青い月を見つめていた。

 青い月は信仰であり、人々の恐れの象徴であった。




「どうなってもしらないぞ!!」


「お願い!!」



 その声を聞いて、ドラゴンの大きな魔力が青い月に向けて放たれた。

 青い月が消滅していく。

 人々は青い月が消えていくのを見つめていた。





  ◇  ◇  ◇

 




 魔法学院には静寂が訪れていた。

 青い月が消滅して、誰もが驚きを隠せないでいた。



 フランソワは倒れ込む。



「な、なんで…。こんなことになるのよ…。私は月の民、主人公のフランソワなのよ。ダメ、ここで負けるわけにはいかない。ちゃんと、攻略相手と月に戻って幸せに暮らすんだから…。だから、すべてを終わらせるんだから…」




 そう言いながら、フランソワの意識は消滅していた。



 ただ、悪役令嬢であるメアリーは違っていた。

 荒野に立ち、彼女はテニスラケットを握りしめていた。

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