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宣戦布告

 魔法学院の都市の前に立つと、都市全体を覆うような青白いバリアが張り巡らされていた。

 その上空でドラゴンが立ち止まっていた。


「このバリア、壊していいのか?」


 

 ドラゴンの声がする。

 軽い調子で、メアリーは返事をしていた。



「別にいいんじゃない?邪魔だしさ~」


「本当にいいのか?」


「うん、大丈夫だよ!!」



 その時、誰かの叫び声が聞こえてきた。

 下に目を向けると、クサナギ一族の少女、シノブの姿があった。



「メアリー様、待ってください!!」



 シノブの声が聞こえた。

 その声を聞いて、メアリーが嬉しそうに声をかけた。



「しのぶちゃーん、元気になったのね~」



 ドラゴンが急降下し、メアリーはシノブの前に降り立った。

 シノブが頭を下げていた。




「はい、メアリー様のおかげで命を取り留めることができました…」


「いいのよ、いいの~。私は自分がしたいことをしているだけだからさ~」


「きっと、メアリー様はそう言うかと思いました。ただ、感謝の気持ちを受け取ってほしいのです!!」


「そうね、元気になってよかったわ~」


「あの、これからフランソワさんのところに行くとのことですよね?」


「ええ、そうだけど」


「それなら、私がご案内いたします…」


「じゃあ、お願いしようかな…」



 メアリーが言うと、シノブが笑顔を見せていた。

 シノブの後をついていくことにした。



 フランソワの場所に向かうため、2人は魔法学院へ向かっていた。





  ◇  ◇  ◇





 魔法学院はバリアで取り囲まれていた。

 メアリーは大きな円状の青白く光るバリアをじっと見つめていた。




「これ、凄いバリアね~」



 メアリーのびっくりしたような声がした。

 すると、シノブが返事をする。




「このバリアは檻のようなものなんです…」



「え、檻って何!?」


「すみません。ちゃんと説明させてください…」


「お願いするわ」


「魔法学院にある秘密の部屋にがあるんです。そこには、青い月の民が作った魔法道具のアーティファクトが置いてあります。誰かが許可なく入ったせいで、この檻の魔法が発動したんだと思います…」


「へえ、詳しいのね…」


「私たちはずっと秘密の部屋の管理をしていますから…。きっと、何かが起きているんじゃないかと思います…。もしかしたら、青い月の信徒のせいかも…」


「ふーん、聞いたことがないわ…」


「そうですよね…。これは極秘の階段とのことでしたので、きっと、一般的には知れ渡ってはないと思います…」


「いや、そうじゃなくてね、ゲームでね…」


「ゲーム? なにかゲームでもしていたんですか?」


「違う違う。まあ、説明とかできないから、この話は終わりにしましょう…」


「わかりました。ただ、誰も出さないためのバリアが貼られているんです。もしかしたら、魔法学院に何かが起きているのかもしれません…」


「フランソワは学校にいるの?」


「はい、仲間からは魔法学院に戻ってきたとの連絡がございました…」


「何だか、楽しくなってきたわね」


 メアリーは笑みを浮かべた。

 その笑顔を見て、ドラゴンは不審そうな顔をした。


 小さな声で呟く。


「いったい、何が楽しいと思っているのだか…」




  ◇  ◇  ◇


 

 

 メアリーは地下道を進んでいく。

 シノブの案内で、魔法学院の前にたどり着いていた。



 学長棟にある大きな会議室へと向かう。



「ありがとう。ここまでくれば大丈夫よ。会議室には行ったことがあるから!」



 学長棟の大きな会議室の扉を開ける。

 すると、フランソワが待っていた。



「あら、思ったより早かったわね…。メアリー、あなたが来ることはわかっていたのよ…」



 フランソワの声がした。

 彼女の口角がほんの少しだけ上がっていた。


 

 メアリーは大きく息を吸い込んでいた。

 彼女の大きな声が聞こえた。




「フランソワ!やっと、この時が来たわ!今こそ、私たち決着をつけましょう!」


「決着?… メアリー、一体何を言っているのかしら?」


「さあ、私とテニスで戦いましょう!」



 メアリーの言葉で静寂に包まれた。

 フランソワは呆然とした表情でメアリーを見つめていた。



「テ…テニス? ああ、なるほど、そうだったわよね…。あなたってテニスのイベントばかりしていたものね…」


「へ~、よくわかっているじゃないの~」


「これは遊びではないのよ…」



 メアリーはラケットを構えた。

 ずっと、彼女の瞳は闘志に燃えていた。



「私はテニスの試合がしたいのよ!!」


「ふーん、やっぱり、私のことを覚えていないみたいね…。良いわ…。テニスをしましょう…。ただ、メアリー、あなたが負けたら私の指示に従いなさい!!」


「いいわよ。あなたの言うことを何でも聞いてあげる!!」


「ふふふっ…。魂の契約がここに成立しましたよ…」


「やっと、フランソワと戦えるのね!!」


「そうね。では、明日、あなたと戦ってあげましょう…。深く輝く、私の愛した青い月を戻すためにね…」


「ええ、楽しみにしているわ!!」



 メアリーは笑みを浮かべた。

 しかし、その時、フランソワは悲しそうな顔をしていた。




「やっぱり、私のことなんて覚えてないのね…」


 フランソワがぼそっと呟いた。

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