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フランソワを追いかけよう

 古代の大木の迷宮を抜けると、ようやくメアリーは出口にたどり着いていた。大地に着くと戦いの跡が色濃く残っていた。ただ、既に戦いが終わっていて、そこにフランソワの姿はなかった。



 すぐに、アレックスがメアリーに向かって歩いてきた。

 アレックスの言葉が聞こえてきた。



「メアリー!! フランソワに、何かあったのか!?」



 彼女の肩を掴んでいた。

 メアリーは悩んだような顔をしていた。

 


「そう思うよね…」


「何が起きたんだ?」


「そんなこと、私にもわかるわけないじゃん!!」



 メアリーが返事をする。

 彼女の言葉には苛立ちの感情がこもっていた。



「そうか…」


「…とにかく、すぐに魔法学院に戻りましょう!!」



 メアリーの声が聞こえた。




 ただ、アレックスとトラ猫は疲れ果てて座り込んでしまっていた。

 彼らの様子を見て、メアリーはため息をついた。




「あなたたち、そんなところで休んでないで!!」



 メアリーの言葉を聞いて、二人は不満そうな顔をしていた。

 ずっと、その場にへたり込んでいた。



「もう、へとへとなんだ…。俺たちがどれだけの戦いをしていたかわかってないだろ!!」


「わかっているわ。ただ、それどころじゃないのよ…」


「いったい、何が起きているんだ?」


「だから、私にもわからないって。だから、確かめに行くの…」



 すると、トラ猫が口を開いた。



「フランソワとやらは、青い月の仲間じゃないのか?」


「そうね…」


「きっと、ワシらの話なんて聞いてはくれないじゃろう…」


「私が行って、どうにかするのよ!!」


「無理じゃ…。そうだ、そこの少年に青い月の計画でも聞いてみたらどうかにゃ?」



 トラ猫が指をさした。

 そちらに視線を向けると、そこにはエルムが座っていた。


 彼はぶつぶつと独り言を呟いていた。




「ああ、女神様、どうしてぼくをおいていったんですか…。ぼくにあなたの力を少しでもいただければ…。ああ…女神様…」





  ◇  ◇  ◇





 エルムは絶望した表情を浮かべていた。

 彼の声を聞いて、メアリーは呆れたという顔をしていた。



「エルム、いったいどうしたの!?」


「いいんです。もう終わりですよ…」


「そんなこと言ってても幸せにはなれないわよ…。幸せってのはね、自分でつかみ取るものなんだから!!」


「ぼくは女神様のために生きたいんです…」


「もういいわ。一緒に来なさい!! 何が起きたのかを説明して!!」



 メアリーはひょいとエルムを持ち上げていた。

 その時、アンリが声が聞こえた。




「あの、ドラゴンさんの応急処置はしておきました。火傷がありますが、回復用の薬さえあれば問題はないと思います…」



 ドラゴンは不審そうな顔でメアリーを見つめていた。

 まだ、ドラゴンの羽が傷づいている。



「いつもいつも、こんな目に会うなんてな…」



 すると、メアリーはドラゴンを撫でていた。

 彼女は感謝をしていた。



「助けてくれてありがとう…」


「別に、そんなつもりはないさ…」


「ふふふっ、そうね…、ねえ、どらちゃん、飛べるのかしら?」


「問題ない。いつもながらドラゴン使いが荒いな…」


「ありがとう~。さあ、魔法学院に戻るわよ!!」


「仕方がない…」



 そう言いながら、ドラゴンは古代の森から飛び立っていた。

 上空には嵐のような強い風が吹いていた。





  ◇  ◇  ◇





 夕方の空には青い月が浮かび上がっていた。

 世界に魔力が満ちていた。




「さあ、行きましょう!!」



 メアリーの声がした。

 すると、ザイール村に着くと、ザックが帰りを待っていた。



「フランソワのことを頼む…」


「大丈夫、私が何とかしてあげるから!!」


「すまない…」


「謝ることなんてないわよ!! 私は私がしたいことをしているんだから!! あなたもフランソワを誰かに奪われないように気を付けなくちゃだめよ!!」


「はあ? お前は何を言っているんだ!?」


「しらばくれなくたっていいの。まあ、いいわ。私が助けてあげるから!!」


「何か勘違いしていないか?」


「ふふふっ、まあ、そう言うことにしておくわ。じゃあ、私たちは行くわね!!」




 そう言うと、ドラゴンバサバサと音を立てながら上空に浮かび上がった。

 メアリーは微笑んでいた。




「ここからが本当の戦いになるのね。やっと、やっと、私の力を見せられるわ!!」




 ドラゴンは魔法学院へ向かっていた。

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