誘拐犯を追いかけて①
翌朝、メアリーとアレックスは再び小屋を訪れた。すると、少女のアンリが出発の準備をしているようであった。アンリはにこやかな顔をしながら、二人の方へ駆け寄ってきた。
「勇者様、また来てくださったのですね~。」
アンリが嬉しそうに微笑んでいた。
突然のことに、アレックスは驚いた顔をしていた。
「お前、オレのことを知っているのか!?」
「昨日の夜、おじいさまから勇者様のことを知りました。私、勇者様のパーティーに入るか、クサナギ一族としてシノブ様の配下になるのが夢なんですよ!!」
アンリは嬉しそうに話し続けていた。
すると、奥の部屋から老人がゆっくりと歩いてきた。
「アンリ、忍びとして生きるのなら、そんなことを言ってはいけないよ…」
老人は優しく諭すように語りかけた。
アンリは不満そうな顔をした。
「そんなことはわかっています!! おじいちゃんは病み上がりなんですから、私のことより自分のことを考えてください!!」
「はいはい、わかりましたよ…。では、アンリ、お客様にお茶を持ってきてくれないかな?」
「わかりました…」
そう言って、アンリは部屋を出ていった。
メアリーは老人に問いかけた。
「ねえ、犯人の居場所はわかったの?」
「わかりました…。ただ、少し問題が起きています…」
「ただ、どうしたの?」
「そうですね…。説明をしたほうがいいですね…」
「お願いするわ」
「調べたところ、犯人たちのアジトはザイール村の近くにあることがわかりました。ただ、詳しいことがわからないのです…。現在、調査に行った者が戻ってこないのです。もしかしたら、犯人に捕まってしまったのかもしれません…」
「なるほど、そういうことなのね…」
メアリーは考え込んだ。
その時、アンリが戻ってきた。
「じゃあ、私が調べてくるわ!!」
その言葉に老人は驚いた顔をした。
老人は咳き込んでいた。
「ダメだ。お前は行かせられない…」
「でも、おじいちゃんも行けないでしょ。大丈夫よ。私はパンダマンの孫なのよ!!」
「危険すぎる…」
そう言うと、メアリーが笑った。
「じゃあ、私が一緒に行ってあげるわ。ザイール村には詳しいしね~」
「私もついていきます…」
「じゃあ、アンリちゃんも一緒に行きましょうか!!」
それを聞いて、老人は椅子から転げ落ちそうになった。
老人が咳き込んだ。
「ダメです!! それなら私が一緒に…。ごほごほ…」
すると、メアリーが自信満々に話をしていた。
「大丈夫よ。私たちには勇者の末裔のアレックスがいるのよ~。それに、心配なんてしてたら冒険なんてできないわ!」
「お願いです。おじいさま、私はメアリーさんと一緒に行かせてください!!」
アンリは真剣な顔をしていた。
それを見て、老人は諦めたように頷いていた。
「わかりました。では、私は、支援できるように手配しておきましょう…」
「お願いするわ。じゃあ、行きますか!!」
メアリーはアンリを連れて小屋を飛び出していた。
彼らはザイール村に向かっていた。
◇ ◇ ◇
ドラゴンが空を飛んでいた。
荒くれ者たちの町の人々は驚いた顔をしている。ただ、ドラゴンのお腹が膨らんでいるようだった。その姿を見て、メアリーが問いかけていた。
「どらちゃん、何か太ってない!?」
「あの町には呪いが満ち溢れていたからな…」
「昨日からいないと思ったら…」
「別に、何もすることなどなかっただろ?」
「そうだけど…、ほら、空から見るとよくわかるわね~。町がきれいになった感じがする~」
「そうだろうか…」
「あなたが呪いを食べ過ぎたのよ!!」
「いいじゃないか…、人間の恨みや呪いなんて、ウジのように生まれるものだ。いくら食べたってなくなりはしない。だからこそ、ワシはこれだけの力を手にしたんだからな…」
「食べ過ぎてお腹を壊さないでよ!!」
メアリーは不満そうな顔をして、ドラゴンと会話をしていた。
その時、アンリの顔は青ざめていた。
ドラゴンを見て、アンリの声は震えていた。
「ど、どうしてこんな場所にドラゴンがいるのですか…」
「大丈夫。噛んだりはしないから…」
「ワシを犬みたいに言うんじゃない…。世界を終わらせるだけの力を持つカースドラゴン様なんだぞ!!」
「カースドラゴン…。伝説のドラゴンですよね…」
「そうじゃ、わかってくれる奴がいて嬉しいぞ。いつか、お前の望みでも一つかなえてやろうか?」
ドラゴンが笑っていた。
最近は、ずっと、ドラゴンはカースドラゴンの真似をしていた。
「あら~、あなたにそんな力あったかしら?」
メアリーの声がした。
「う、うるさい。ワシにはそれだけの強い魔力があるのだ。お前はワシのことをバカにしすぎだぞ!!」
「してないわよ。いつも感謝してるって~」
「ならいいがな…」
ドラゴンが嬉しそうに返事をした。
それを見て、アンリはこのドラゴンちょろいんじゃないだろうかと思った。
しばらくすると、ドラゴンはザイール村にたどり着いた。
ドラゴンが降り立つと、そこにザックがいた。
「ザック!! 久しぶりね~!!!」
メアリーは手を振っていた。
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