魔法学院へ行こう!!
カースドラゴンの話を聞き、メアリーは不審そうにドラゴンを見つめていた。その時、突然、1号車の車両の壁が砕ける音が響いていた。天井から一人の女が降り立つ。女の足はタコのように複数に分かれ、ウネウネとうごめいていた。
タコの女の声がした。
「ニワトリの子が倒されてしまったみたいね…。じゃあ、私が相手をしてあげるわ。もう隠れていても無駄なようだし…」
気が付くと、女は巨大なタコの姿に変わっていた。車両の中には大きなタコの足がうごめいており、そのタコが車両の中を埋め尽くそうとしていた。
その姿を見て、メアリーは思案しているようだった。
「うーん、どうしようかしら?」
その声を聞き、タコの女の笑い声が響いた。
「あら、怖くなってしまったのかしら?今なら、あなたが私の奴隷になるなら許してあげなくもないのよ~」
「違う違う、そうじゃなくてさ。しばらくしたら、この場所にフランソワちゃんが来るんじゃないかなと思って、その時、私はどうしたらいいのかしら?」
「フランソワ、それは誰かしら?」
「フランソワが来るのってゲームの展開では必要なことなのかなーと思ってたけど…。ただね、ターナーが来ないなら、それって関係ないのかなと思ってさ~」
「あなた、いったい、何を言っているのかしら?」
タコ女が尋ねる。
すると、メアリーのお腹がグーグーと鳴った。
「ただね、私ね。あまり大きなタコって食べないのよ…」
「え?」
「なんか、大きいと水っぽい感じがするじゃない…」
「え?」
「ただ、異世界のタコってやっぱり違うのかしら…」
よだれを流しながら、メアリーはタコの女を見つめていた。
タコの女は不安そうな顔をしている。
「あなた、何を言っているんです!?」
タコの女の声が聞こえた。
突然、タコの足がメアリーを突き刺そうとした。
その足を掴み、メアリーはぶんぶんと振り回していった。
タコの足がちぎれると、女は壁にぶつかっていた。
タコの女は意識を失った。
その時、彼女が持っていた黒い水晶が粉々に砕けた。きっと、その水晶が魔力暴走の引き金だったのだろう。段々、電車の速度が遅くなってきた。
ただ、メアリーはそんなことを気にしていなかった。
メアリーの声が聞こえた。
「ねえ、どらちゃん、このタコの足を丸焼きにしてくれないかしら?」
ドラゴンはため息をついた。
きっと、そう言われるだろうな、とドラゴンは思っていたから…。
◇ ◇ ◇
電車が止まる。
しばらくすると、1号車にフランソワが走り込んできた。
彼女の手には小さな剣が握られていた。
彼女は列車のハイジャックの相手と戦うために来たらしい。
しかし、その場所にいたのはメアリーだった。
もちろん、メアリーは猫の仮面をつけていて、誰であるかはわからないようにしていた。
メアリーはフランソワに手を振っていた。
「フランソワちゃん、遅いわよ~。もう、全て終わってしまったんだから~」
「いったい…、あなたは誰なんですか…」
フランソワが問いかけた。
しかし、メアリーは興味がないようで、タコの足を食べていた。
「もうダメ、食べれないわ…。半分は食べたけど…。あーあ、お残しとかしたくないんだけどな~」
メアリーが呟くと、たくさんの兵士たちが1号車のドアを開けた。
兵士たちは剣を握りしめていた。
その中に、アリブ王国の王様、ターナーの姿はなかった。
メアリーの声が聞こえた。
「やっぱり…。ねえ、あなたたちの中に、アリブの王様さまはいないのよね?」
「お前、この列車のハイジャック犯か?」
「違うわ。ただ、シナリオの話をしているだけ…」
「アリブ国の王様なんて、この電車には乗っていないぞ。もしかして、それが目的だったということか!?」
「じゃあ…、シナリオ変更されたってこと!?」
「言っていることはわからない。しかし、この列車にはいないのは確かだ。それだけは事実と言っておこう…。ところで、お前は誰だ!? 他に仲間はいるのか!?」
「仲間!? そんなのいるわけないじゃない…。ただ、しまった~。アリブの王様って人気キャラだったと思うんだけどな~」
「何を言っている? さっぱりわからないな…。ちょっと、ゆっくり話を聞かせてもらおうか…」
「あー、ダメダメ、私はそういうの苦手だからさ~」
そう言うと、メアリーは列車のドアから外に飛び出した。
メアリーは窓から飛び出した。
すぐにドラゴンに乗り、あっという間に空高くまで登っていくことにした。
上空まで浮かび上がる。
強い風が吹いていて、メアリーは真っ青な海を見渡した。
ずっと遠くの方まで来てしまったらしい。
「まあ、良いか…。今日はキレイな空だし…」
青で埋め尽くされ、上空からは地平線が見えていた。
メアリーの声が響く。
「さあ、このまま、魔法学院まで向かいましょう!!!」
それを聞いて、ドラゴンがぼやいた。
「魔法学院では平穏に暮らすことができるのだろうか…」
「大丈夫、どうにかなるって!!」
そう言うと、メアリーは笑っていた。
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