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本当はカースドラゴンじゃないわよね!?

 1号車に入ると、メアリーは操縦室の方へ向かっていた。


 その先には操作された乗客たちがいた。その中に、ニット帽を被った男が立っていた。彼が魔法で他の乗客を操作している魔法使いであり、ずっと、目の前にいるメアリーを操作できないことに驚いていた。彼の能力は「黒い鶏の叫び」と呼ばれ、人間の邪な感情を呼び覚ますことができる。


 しかし、メアリーにはその魔法の効果がなかった。




「どうしてだ…」



 ニット帽の男は困惑していた。

 その時、メアリーの後方からヒカゲの声が聞こえた。




「危険ですよ!! メアリーさん、あなたも操作されてしまいますよ!!」




 その声を聞いて、ニット帽の男はニヤリと笑った。

 彼の魔法には、高度な術式が練り込まれており、誰も抗うことは困難であると自負していたからだ。

 当然の指摘であると思っていた。



 しかし、メアリーは魔法にびくともしない。

 平然とした顔をしている。




 突然、メアリーはぶつぶつと呟き始めた。

 魔法が効いたのか、そう思ったのだが、どうやらそうではないらしい。



 メアリーの声が聞こえてきた。




「なんで、私が戦わなくちゃいけないのよ…。ターナーが来ないなんて信じられないわ。ここで、フランソワと共闘して、仲良くなるはずだったんじゃないの…。もう、本当に嫌になってくるわ~」




 ニット帽の男は困惑していた。



(何を言っているのだろうか…。もしかしたら、この女も呪いの魔法を使うことができるのだろうか…。そうだとしたら、自分よりも強い操作能力があるということだろうか。いや、待て、そんなことはない。あり得ないことだ…。ただ、あれは何だろうか、彼女の肩に乗っている小さな生き物はいったい何だろうか…)




 ニット帽の男はメアリーの肩の生物を見つめていた。

 ドラゴンのようでもある。



 いやいや、あんなに小さなドラゴンなどいるはずがない、ニット帽の男は顔を左右に振っていた。

 しばらく、ニット帽の男はメアリーの様子を観察していた。


 数分が経過しているのに、どうしてメアリーという女を操ることができないでいた。

 どうにかして、ニット帽の男は原因を探そうとしていた。



 魔法で防御をしているわけではない。では、アイテムだろうか、いや、そのようなものは見当たらない。試しに、魔力を強めてみようかと思っていた。



 そんなことをしていると、メアリーが近づいてきた。

 その時、メアリーの肩にいる小さなドラゴンがこちらを見つめていた。




 気が付くと、ニット帽の男は震えていた。





(何だ、この圧迫感は…、いや、違う……何だ、何が起きているんだ、おかしなことが起きている…)





 ドラゴンが睨みつけてきていた。

 ただ、それに恐怖した。




 理性では抑えることができない。

 ドラゴンが来る。




 そんな感覚に襲われる。

 気が付いた時、彼の体は青い炎で覆いつくされた。




 呪いの炎である。



 どうしてこんなところで呪いの炎が発現したのか、ニット帽の男には理解できなかった。

 呪いの炎はカースドラゴンしか使えない。

 では、あの肩にいるのはカースドラゴンということなんだろうか…。




 ドラゴンの幻影を見つめていた。




 気が付くと、ニット帽の男は倒れていた。

 その時、暴れていた乗客は意識を取り戻していた。ニット帽の男の魔法が解けたらしい。



 最後に、ニット帽の男の声が聞こえた。




「ど、どうして、こんなところに、カースドラゴンがいるんだ…」




 そう言うと、ニット帽の男は消滅していた。



 メアリーは立ち止まった。 

 ふと、彼女はドラゴンの方に視線を向けた。



 ドラゴンの顔を見つめていた。




「ねえ、さっき、カースドラゴンって言葉が聞こえなかった?」


「うん、そうか?」


「ねえ、あなたが本当はカースドラゴンって落ちはないのよね?」


「そんなことあるわけがないだろ…」




 ドラゴンは困った顔をしていた。

 すると、メアリーはゲラゲラと笑っていた。




「そうよね~、じゃあ、私の聞き違いだったのかしら?」


「きっと、そうだろう…」




 ドラゴンはヤレヤレという顔をしていた。


 ただ、ドラゴンは自分の出生がわからないことは黙っていることにした。まあ、カースドラゴンではないと思う。全く迷惑な話だと思い、ただ、自分の中にある暗い闇を押さえつけようとしていた。

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