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カースドラゴンということにしちゃいましょう!!

 海辺から戻ると、二人は列車に乗ることにした。その時、シノブは真剣な顔でメアリーに問いかけた。



「あの、さっきの話ですけど…列車のイベントとは何ですか?」


「そうね…。シノブちゃんが驚くと困るから説明しておいてあげる。この列車、ハイジャックされるのよ~」


「ハイジャックって…」


「大丈夫、大丈夫、アリブ王国の王様、ターナーとフランソワがハイジャック犯を倒してくれるから問題ないのよ~。それに、私たちには関係のないイベントだからさ~」




 そう言い、メアリーは列車の個室のドアを開けようとした。

 すると、部屋からトラ猫がメアリーを睨みつけていた。



 突然、トラ猫の声がした。



「いったい、お主は誰なんじゃ…」


「それって、私のこと?」




 メアリーは返事をする。




「当たり前じゃ、それ以外、誰がいるというのじゃ…。いや、待て…。お主の肩に乗っているのはドラゴンじゃないのか?」



「ふふふっ、そうね。じゃあ、私のことを教えてあげるわ!! 私は悪役令嬢のメアリー!! そして、この肩に乗っているのはドラゴンなのよ!!」



 

 そう言うと、メアリーは嬉しそうな顔をしていた。

 その時、付き人のヒカゲの体は震えていた。




「ドラゴン…。それは、神話に出てくるドラゴンということなのか…」と、ヒカゲの声がした。


「ヒカゲ、慌てるでない。これはただのドラゴンでしかない。私たちが恐れるとしたらカースドラゴンぐらいだからな…」と、トラ猫が返事をした。



「へー、ドラゴンに対して、そんなことを言うんだ…」



 メアリーは不満そうな顔をしていた。



「当たり前じゃ!!」


「じゃあ、言っちゃうけど、この子、カースドラゴンだから!!!」


「え、嘘じゃろ…」



 それを聞いて、誰もが驚いた顔をしていた。

 いや、ドラゴンも驚いていた。


 

 全員が、呆然とメアリーを見つめていたのであった。




  ◇  ◇  ◇




  

 メアリーがカースドラゴンであるというでたらめを言ったので、ドラゴンは小声でメアリーと話をしていた。


(待て待て、オレはカースドラゴンではないぞ…)

(いいじゃない、あの猫をぎゃふんと言わせたいのよ。きっと、バレないから大丈夫。カースドラゴンの真似をしてよ~)

(何で、オレがそんなことを…)

(大丈夫よ、あなただってドラゴンなんだからさ~)

(カースドラゴンは神と呼ばれる存在だ。オレたちとは違う存在なんだが…)

(いいわよ、どうにかなるって~)

(くそ、どうしてこんなことになったんだ…)


そんな話をしていると、トラ猫の声が聞こえてきた。ドラゴンに疑いの目が向けられていた。


「やっぱり、こやつは勘違いをしているのだな。カースドラゴンほどの存在がこんな場所にいるはずがない……嘘ではないようだが。きっと、勘違いをしているのじゃ……」


 すると、ドラゴンの声が響いた。


「この少女の言っていることは嘘ではないぞ…。ワシはカースドラゴンじゃ。そこのトラ柄の猫を知っている。その匂いには覚えがあるからな、ワシのことを憶えておるだろ。いまだに、あのあやかしの民たちに従っているとはな…」


「まさか……。本当に、あなたはカースドラゴン様なんですか?」


「そうじゃ、これが事実というものだよ…」


「なんと!! も、申し訳ございません!! あなた様がこんなところにいるとは思いもしておりませんでした……」


トラ猫が頭を下げる。それを見ると、メアリーは嬉しそうに笑っていた。


「まあ、よい…。別に、おぬしの言っていることが間違っているとは思わないからな…」


「どうして、あなたさまほどの存在が少女に付き従っているのですか?」


「理由と…、まあ、この人間の女に興味を持ったということだな…」


「興味ですか?」


「こやつは何者であるのかすら私にもわからないのだ。さらに、この女は呪われている。それなのにまったく気にしない。さらに、この呪いは巨大過ぎて私ですら食べることができないのだよ」



 それを聞いて、メアリーは驚いた顔をしていた。

 メアリーの声が聞こえた。



「へー、そうなんだ。初めて聞いたわ!!」


「何を言っているんだ!! 何度も話しているのにさ。その度に忘れてるだけじゃないか…。もう、お前には話してやらないからな!!」



 ドラゴンが文句を言っていた。

 本当に、ドラゴンは怒っているようであった。



「ごめんごめん。興味がないことは忘れちゃうのよ…」



 メアリーが頭を搔いていた。



「興味がない……」



 ドラゴンが悲しそうな顔をしていた。

 その姿を見て、トラ猫がメアリーに怒っていた。



「カースドラゴン様に対してそんな口の使い方をするんじゃない!! このお方はお前よりずっと強いんじゃぞ。世界を滅ぼすことができるほどにな!!」


 すると、ドラゴンの声がした。


「待て待て、この女はおかしいのだ…。許してやってほしい…」


「う…、カースドラゴン様が言うのであれば…」



 トラ猫が困惑していた。

 ただ、隣にいるシノブは顔を真っ青にしていた。


 次の瞬間、カースドラゴンという話を聞いてシノブが倒れてしまった。



「ああ、夢ね、これは夢だわ……」


 シノブの声が聞こえてきた。

 彼女は自分の頬をつねっているようである。


 突然、カースドラゴンが従魔として、彼女の目の前に現れたのだ。どうしても、それを信じることができなかったのだろう。

 シノブの顔は真っ青で、口から泡を吹きそうな様子であった。





  ◇  ◇  ◇



 


 その時、列車のドアを叩く音が聞こえてきた。

 すぐに、車掌が入ってくる。




 ドンドンドン!!





「大変です!! この列車から異常な魔力を検知しました!!」


「突然、何があったのだ!?」と、トラ猫の声がした。


「魔力の急激な上昇により、現在、列車の速度を落とすことができなくなっております!! お気をつけてください!!!」と、車掌の返事をしていた。




 列車の中ではブザーが鳴り響き、通路を従業員があわただしく走り回っていた。

 乗客たちは呆然とその姿を見つめていた。




「どうやら、イベントが始まったみたいね…」


 

 メアリーの声が聞こえてきた。

【応援よろしくお願いします!】



 「面白かった!」



 「続きが気になる、読みたい!」



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