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魔法学院 合格祝い

 グレース草原で眠ってしまったメアリーは、そのままドラゴンに家まで運ばれたらしい。ドラゴンの服を作るための材料をすべて揃えた後、メアリーはずっと眠り続けていた。


 メアリーは夢を見ていた。


 それはサンタマリア魔法学院で仲間たちと冒険をする姿だった。ドラゴンに乗って、彼女は長い冒険の夢を見ている気がしていた。


 目を覚ますと、既に夜になっていた。

 気が付くと、自分の部屋で眠っていた。布団から飛び上がり、彼女は部屋を出ることにした。


 何かおかしいと感じた。

 廊下には誰の姿もなく、屋敷は静かだった。




「ねえ、誰かいないのー?」





 まだ夢の中にいるのかと思えてきた。

 廊下には誰もいなかった。




 その時、誰かが走る音が聞こえた。

 そちらに視線を向けると、バタンッと視線の先にあるドアが閉まる音がした。




 誰かいる。




「ねえ、どうしたの?」





 ドアに向かって問いかけたが、返事はなかった。


 ゆっくりとドアを開けることにした。

 部屋は暗かった。




「ねえ、誰かいないの?」



 

 メアリーが問いかけると、




 パパパパパアァッーーーーーン!!!!




 破裂音が響いた。



 祝いのクラッカーが打ち鳴らされ、その後、たくさんの声がメアリーに向けられた。







「「「「メアリー、サンタマリア魔法学院、合格おめでとう!!!」」」」







 その日、サンタマリア魔法学院の合格通知が届いていたらしい。

 それはサプライズだった。


 

 父親のウィリアムが歩み寄ってきた。


「メアリー、魔法学院合格おめでとう。父さんはメアリーが家から出て行ってしまうのが辛いが、メアリーが決めたことなら仕方がない。影ながら応援させてもらうよ……」



 次に、弟のビルが歩いてきた。


「姉さま、魔法学院合格おめでとうございます。これから新しい旅に出るのですね。寂しい気持ちはありますが、ぼくは姉さまを応援しています。だから、この家のことは気にしないでください。ぼくがちゃんと守っていきますから!!」



 母親のマチルダも歩いてきた。


「メアリー、魔法学院合格おめでとう。きっと、たくさんの素敵な男性がいるはず。その中の一人でもいいからどうにか捕まえてきなさい。あなただったらできるはずよ……」




 母親の話を聞き、メアリーは困ったような顔をしたが、合格したことは嬉しかった。

 さらに、ドラゴンのこともあった。ドラゴンはブレザーのような綺麗な服を着ており、その横にはゼクトが立っていた。



「捕まえたリザードマンとスリープシープを使ってドラゴンの服を作っておいてやったよ。ずっと寝てたから、こっちでデザインとか決めさせてもらったけどな。まあ、少しぐらいなら直せるとは思うけどさ。あと、魔法学院合格おめでとう。あんなところに意味なんてないが、行くのであればトップになってこい!!」



 メアリーの瞳はうるうるとしていた。

 泣きそうになっていた。



「父さま、母さま、ゼクト兄さん、ビル、みんな、ありがとう!!!」



 メアリーはドラゴンに抱きついた。

 ドラゴンはメアリーに締め付けられていた。




 ドラゴンの叫び声が響いた。





 ギャギャワーーーーーー!!!





 初めてドラゴンのうめき声を聞いた。

 家族はいろいろ思うことはあったが、誰一人何も話そうとはしなかった。




 その日、メアリーはサンタマリア魔法学院に入学することが決まった。




 出発の日、桜色の雨が降っていた。

 誰もが、きっとゼクトの魔法だろうと思っていた。



 メアリーが魔法学院に向かっていく。

 大きな右手を振っている姿が遠くからでも見えた。




 魔法学院での物語が始まることになった。

 ただ、悪役令嬢メアリーの右肩にはドラゴンが乗っていた。

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