家族会議
「とうさま、ぼくは姉さまのわがままにずっと耐えてきました。追放です。姉さまをこの家から追放したらいいんですよ!!」
弟のビルの声がした。
「いや、そんなことを言うんじゃない…」
「いったい、何で甘やかすんですか?」
「甘やかすわけじゃない…」
父親のウィリアムは否定をしていた。
ただ、彼は困っていた。
項垂れるように、また椅子にもたれかかっていた。
心配性の父親は今にも倒れてしまいそうであった。
両手を合わせた。
まるで祈っているように。
「そうだ。ゼクト兄さまは何をしているんです? 家の中がこんなに騒がしいことになっているのに、ゼクト兄さまは部屋から出てこようとすらしないじゃないですか?」
弟のビルはメガネを拭いていた。ずっと、不機嫌そうな顔をしている。
弟のビルは長男のゼクトに不満を抱いていた。
それはゼクトが部屋から出てこないせいもあるだろう。
「ゼクト、あいつか…。ゼクトはああ見えてサンタマリア魔法学院の関係者とのつながりもある。国家でも3本の指に入る魔法使いだからな。こちらが何かをしたら私たちが追放されることになってしまうのだからな…」
「ああ、追放しようとしたら追放されるなんて恐ろしい話ですね。いったい、だれが頭首なのかさえもわからない…」
「ビル、それは嫌味かね?」
「いえいえ、滅相もございません。私はとうさまを尊敬しております。とうさまのため、この家系のため、わたしはすべてを捧げるつもりなのです!」
「なるほど。そうか、ありがとう。もう少し、お前が他人のことを理解できるようならよかったんだが…」
「え、何か言いました?」
「いや、何も…」
「なら、とうさま、お願いがあるのです。家督についてです。家督は頭脳明晰、容姿端麗な私、このビルが継いだ方が良いのではないかと考えておりますがいかがでしょうか?」
「うーん、ゼクトがいるからな。あいつは何をしているんだろうか。部屋から出ず、何をしているのかな、もう、父親の私ですらわからない…」
「父上、心中お察しいたします。だからこそ、何度も言っておりますが、私がフランソワーズ家の家督を継げばいいんです。そうすればうまくいくことになりましょう!」
「まあ、それは後で考えることにしよう。それよりメアリーのことだ。いったい、あいつはどうしてサンタマリア魔法学院に入りたいんだろうな。魔法学院など行かずに自らで鍛錬でもしたらいいものを…」
紅茶をすすりながら、父親は歴代頭首の肖像画を見つめていた。
肖像画はにっこりと笑みを浮かべていた。
母親のマチルダの声がした。
「メアリーは本当に心配ですわ。あの魔法学院で素敵な旦那さんでも見つけてくれたらいいんですけどね…」
その言葉を聞き、父親のウィリアムは妻の顔を見つめていた。
メアリーは結婚させたくない、と、彼は思っていた。ただ、そんなことを言ったら面倒なことになるだろう。
父親のウィリアムはメアリーがこの屋敷にいてくれることを願っていた。
知らぬ男に大事なメアリーを奪われることを望んでいない。
父親のウィリアムは悩んでいた。
「まあ、確かに、それも心配ではあるな…。ただ、いまは魔法学院のことだ。いったい、メアリーは何を言われたのだろうか…」
それを聞いて、ビルが返事をする。
「メアリー姉さまは怒ってばかりです。ところで、父上、メアリー姉様を魔法学院の入学を許可は届いているんですか?」
「それはまだのようだ。実際、私はメアリーを家の外に出したいなんて思ってはいない…」
「いえ、私は魔法学院に行かせた方が良いとは思います。ただ、メアリー姉様が魔法学院に行ったら、一人での生活になるのですよね。きっと、その生活のなかで常識というものを理解してくれるはずです」
「そんなにうまくいくのだろうか…」
父親のウィリアムは心配そうな顔をしていた。
◇ ◇ ◇
その時、メアリーはベッドで横になっていた。
枕が濡れていた。
部屋には50センチ程のドラゴンがふわふわと浮いていた。
通常は背丈は20メートル以上だが、家に入るときはサイズを変えていた。
部屋の中をドラゴンが浮いていた。
心配そうな顔をしながら、メアリーの姿を見つめている。
メアリーは枕を叩く。
すると、枕が破けて羽毛が部屋の中に散乱していきました。
「絶対許さないんだから!!」
羽毛が広がっていく。
ドラゴンの鼻を羽毛が刺激したらしい。
ハックショーーーーーン!!
ドラゴンが大きなくしゃみをした。
途端、部屋の中が炎の中に包まれてしまっていた。
炎が部屋を覆っていく。
気が付くと、部屋の半分ほどが消失してしまった。
その時、下の階からドタドタと階段を上ってくる音が聞こえてきた。
「おい、いったい何があったんだ!!」
父親のウィリアムの声がした。
その声を聞いて、メアリーは慌てていた。
ドラゴンを外へ逃がしていた。
それから、兄のゼクトの部屋のドアを叩いていた。
「ゼクト兄さん、ごめんなさい。ちょっと私をかくまってほしいの!!」
メアリーがドアを叩ていた。
すぐに、そのドアが壊れそうになっていた。
ドアがガタガタと揺れていた。
「や、やめろ……。これ以上、ドアを叩くのは。いったい、お前は何をしているんだよ……」
ドアが開く。
ぼさぼさになった髪の男性が立っていた。
兄のゼクトである。
ドアが開くと、メアリーが部屋に飛び込んできた。
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