アレックスとの会話
「ねえ、あなた、勇者の子孫、アレックスよね。あなたの肩にいるキツネ、もふもふさせてくれないかしら?」
突然、メアリーはアレックスに声をかけた。
それに気が付くと、父親のウィリアムがメアリーを止めようとしていた。
「メアリー、アレックス様に対して、そんな口のきき方をしてはダメだぞ!!」
その時、アレックスがメアリーの前まで歩いてきた。
彼はメアリーに視線を向けていた。
そして、アレックスは父親のウィリアムに話しかけた。
「大丈夫です。まだ、彼女は幼いのです。どうか、そんなに怒らないでください…」
「おお、アレックス様、ご配慮に感謝いたします」
「配慮なんてありませんよ…」
「そんなことはないのです。それでは、私は他の方にもご挨拶に伺いますので、失礼いたします」
そう言うと、父親のウィリアムはその場から離れた。
すると、アレックスはメアリーを見つめた。
アレックスはメアリーにあまり関心がないようであった。
◇ ◇ ◇
しばらくの間、アレックスが舞踏会の会場を歩いていると、メアリーはその後ろをついていくことにした。そのことに気が付くと、アレックスは立ち止まっていた。
「うーん、おかしな奴もいたものだ。ぼくが英雄の子孫だと思ってもいないようじゃないか?」
「別に、私、そんなことには興味がないし…」
「そ、そうか…」
そう言うと、突然、アレックスは嬉しそうに笑みを浮かべた。
ただ、メアリーは別の話をしていた。
「アレックス君、あなたも勇者ナナに憧れているの?」
「勇者ナナ? ああ、おとぎ話の話か…。そんなものは存在しない。くだらない話はやめてくれないか、ぼくはこの国の英雄になるため、この世界のルールを学んでいるんだ。君のように無能なことを考えてはいられない。特に用事もないのなら、ぼくの前に立たないでくれないか」
「へ~、あなたも勇者ナナの物語が好きだったのね。どこが好きだった? 私はドラゴンを倒すところ。ただ、私はドラゴンと仲良くなりたいと思うんだけどね」
メアリーは笑っていた。
すると、アレックスは不快そうな顔をした。
「何を言っているんだ、君はドラゴンと仲良くなりたいだと? そんなことができるはずがないじゃないか。ドラゴンとは生物の頂点にいる存在だぞ。彼らからしたらすべての生物は下等な生き物でしかないのだ」
「ドラゴンのことも詳しいのね!!」
「当然だろ、ぼくはこの世界についていろいろと調べているのさ。ただ、別に冒険なんてものに興味はないし、神が作ったというアーティファクトにも興味なんてない。ただ、ぼくはこの世界を統治するための政治や経済のことを学ばなければならないんだ。君みたいにそんな自分勝手なことはできないんだ!!」
「ふーん、いろいろなことを勉強しているのね。じゃあ、もう少し大人になったら、フランソワという女の子とパーティーを組んで冒険することをお勧めするわ」
「フランソワ? それは誰だ? 君、ちゃんとぼくの話を聞いていたのか?」
その時、アレックスの肩に乗っていたキツネをメアリーが見つめた。
メアリーはキツネをぎゅっと捕まえた。
メアリーに抱かれると、キツネは嬉しそうな声を出していた。
「あなたの友達は賛成みたい。あなたはどうするの?」
「ふん、じゃあ、わかった。ぼくは君に1つの課題を与えようじゃないか。もしも、君がサンタマリア魔法学院に行くことができたら、その時、その話を考えてやろうじゃないか。まあ、ぼくにも部下の一人は必要だと思うからね。冒険になんて興味はないけど、どうしてもというなら付き合ってやってもいい。ぼくは世界を平和にする使命を受けているんだ。こんな舞踏会には興味がない。ぼくと話をしたいならぼくと同じ立場になってから来るんだな…」
「そうね。私は悪役令嬢だし、サンタマリア魔法学院に行くのは決まっているものね。じゃあ、またそこで会いましょう!!」
「君が魔法学院に入れるとは思えないけどな…」
「大丈夫、私は問題ないわ!!」
メアリーは自信満々に返事をしていた。
それを見ると、アレックスは怒っているようであった。
「無理だよ。かわいいからって、魔法学院に行けるわけじゃないんだ!!」
「私のことかわいいと思っているの? まあ、悪役令嬢だったら容姿は良いのかもしれないわね~」
「別に、そんなことは言ってないからな」
「まあ、そうしておきますわね」
メアリーは笑みを浮かべていた。
アレックスは不審な顔をして、何かを話していたが、メアリーは少年の話をまったく聞いていなかった。彼女はキツネをモフモフしていた。ずっと、メアリーはキツネを見つめていた。そして思っていた。たまに、悪役令嬢としてキツネをモフモフしてやろうと。その日、メアリーは勇者の末裔が行く魔法学院に行くことを決めたのである。
毎日、メアリーは魔法の勉強をするようになっていた。
そして、月日が過ぎていく。
本日、魔法学院の試験が行われていた。
朝から、メアリーはサンタマリア魔法学院の試験を受けていた。
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