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バックに〇〇がついている!! マジかっ!? マジです。 実名入りの実話です(涙)。

作者: ソウ マチ

本は売れているようなのに、あいかわらずクソビンボーのソウでございます☆


なんでビンボーなのかと申しますと、まだ本が軌道に乗っていないからです。

初版でそれなりの印税をいただくのですけれど、それを時給換算したら400円くらいじゃないかなぁ?ww 「時給400円の仕事、する?」って聞かれたら秒殺で断りますね!! でも増刷になったら……とかアニメ化したら……とか考えると、やる気が出るのですよ! 軌道に乗ったらきっと蛇口からお湯が出るようになると思うの!!(← うちのアパートは水しか出ないし、シャワーもない)


べつに小学館(← 実名をあげるなよ)がわるいわけじゃないです。きちんとした会社さんですし、まっとうな対価を支払ってくださいます。やりがい搾取とは無縁です。たんにワタシがアレコレして遅いだけです。極端な話、一日で原稿を完成したらいいのですよ! そしたら日給〇〇万円のお仕事です! ウハウハです!

そうは言っても雑な仕事はしたくないので、着実に丁寧にやっていると時間がかかるのです。時間がかかると時給がドンドン下がってゆく。でもいいんです。それがワタシだから!!(← 開きなおった)


着実で丁寧で、ビンボーなのがワタシだから!!(← 完全に開きなおった!!)


今日の結論:ビンボーなのがワタシ!!(← 何か大きく間違っている)


では今日のお話を♪


これはご本人様に掲載の許可を得ておりません。でも実名で書きます。アカンかったらご一報ください。世間のすみっこで書いているエッセイだから、大丈夫だと思うの♪♪ たぶん……。


伊賀と甲賀の忍者のお話を書いたご縁から、両市に拙書を献本しました。その際に伊賀市の歴史をレクチャーしてほしいと、伊賀市役所へお願いしたのです。わたしが住んでいる甲賀市は伊賀市と隣接していますけれど、山があるので文化がまったく違います。歴史的な背景も言葉もちがう。かるぅ~い気持ちで書き始めたあとに勉強不足で悶絶する羽目になったので、ワラにもすがる思いでご教示願った。


わたしの予想では、伊賀市役所の歴史や文化財を担当する方がレクチャーしてくださるはず……でした。実際にその課の方がレクチャーしてくださったのですけれど、いっしょに出てきたのは…………、













伊賀市長!! 行政トップが出てきた!! おかしいやろ!? なんでトップが出てくんねん!? 


わたしは市役所勤務だったので驚愕きょうがくしたのですけれど、ピンとこない方もいらっしゃると思います。なにをそんなに驚いているかと申しますと、市長様ってガチで分刻みで動いていらっしゃるのです。たくさんのお仕事がありますし、そのお仕事は市の発展や衰退に直結します! すごく責任が重い! どのお仕事も大事ですし件数は膨大ですから、結果として分刻みになるのです!! もちろん市長様だけでなく随行する職員の方たちも分刻みですし人数も膨大です! たくさんの方々の中心に市長様がいるのですから影響力は絶大!! そんな市長がなんでワタシのレクチャーに来てんねん!?


その市長様のお名前は岡本 栄さまでございます。実名です。略歴によると早稲田大学を御卒業後、関西テレビでアナウンサーとしてご活躍だったらしい。大学の講師などもなさっていてとても知的な方です。


最初は数分間だけ市長様が同席して、すぐ離籍されると思っていました。ところが10分たっても20分たっても市長様はいらっしゃいます。そして言語学的な観点から伊賀の言葉を解説してくださったり、伊賀忍者の来歴について詳しく教えてくださる。後で知ったのですけれど市長様、歴史オタクでした。ww しかも知識がハンパないので、語ってくださる内容が高度で濃ゆい!! あまりに高度でその場にいる全員が「???」となることもあるという……。


博覧強記なのと同時に、伊賀を愛する気持ちもハンパないことが伝わってきました。伊賀に関することなら、ありとあらゆることをご存じなのです! 歴史、言語に限らず、地理、風土、植物、文化、近隣する地域との関わり、何でも知ってる! でも難しいからワタシにはわからん!! ただ一つわかったのは「この方は本当に伊賀を愛しているんだ」ということでした。


ご本人の承諾を得ていないのですけれど、その時にお聞きしたエピソードを一つ。

市長様は長い間、関西テレビにお勤めでした。会社は大阪市北区にある。市長様のお宅は三重県ですから、かなり遠距離です。通勤するのは現実的じゃないほど遠い。でも退職されるまで、ずうっと通勤なさっていたらしい。


ソウ:三重県から大阪ですか!? めっちゃ遠いですよね!? なんで通勤なさっていたのですか? 大変でしょうに!!


飄々とした顔で市長様はおっしゃいました。


市長:だって伊賀が好きだから。


ソウ:そういう問題ですか!? アナウンサーほど激務じゃなくても、フツーは引っ越すんじゃないんですか!? 毎日まいにち通勤するほど伊賀が好きなんですか!?

市長:うん。


クールな方なので表情が変わらないので、かえって怖いんですよ……。


会話は大いに盛り上がり、わたしは有益な時間をいただきました。そして話はその頃書いていた二巻の話になりました。


ソウ:伊賀を色々と取材して、伊賀上野城のお堀が日本で一、二を争う高さだと知りました。

市長:そうです。うちが一番高いですよ(← 無表情です)。

ソウ:いま書いている原稿でも伊賀上野城が日本一高いと書きましたけれど、大坂城が高いとする説もあるそうですね。ですから日本一という表記は、校正さまから指摘が入って削除されるかもしれません。

市長:その時は僕に言って。(伊賀上野城のお堀が日本一高いと論破するために)僕が出るから。


はっとして市長様のお顔を見ましたけれど、相変わらず無表情です。でも無表情だからこそわかりました。この方、マジだ!! マジで出る気だ!!


三人の偉い方々の伊賀愛が炸裂した時間は、じつに2時間にも及びました! 完全に想定外!! そして後から知ったのです。その日は議会中だったことを!!!!

お三方ともふだんから分刻みですけれど、議会中はさらに多忙です! 分刻みじゃなく「秒刻み」です!! そんな時に2時間も!! なんで!? 


怖すぎて聞いていないのですけれど、ワタシのせいで議会がストップしていた可能性は大いにあります。だって市長がいなかったら、議会は動きませんもの。おそろしすぎる……。


皆さんの伊賀愛に影響されて、わたしも伊賀が大好きになりました。何度も取材に行くたびに、良いところがたくさん見つかる♪ 甲賀とはまた違った素晴らしい所がたくさんあります♪ よぉ~し! 大好きな伊賀のために「伊賀上野城のお堀が日本一高い」って書くぞぉ~!!


そして案の定、校正さまから指摘が入りました(涙)。さらっと書いたらスル~してもらえるかと期待していましたけれど、さすがプロです! すぐ見つかった(涙)。しかも校正さまは膨大な資料を準備していらっしゃいました! 伊賀上野城や大坂城に関する何ページにもわたる資料が送られてきた!!


でもワタシだって、やるときゃやります! 送ってくださった資料はすでにお勉強済みでございます! テキトーなことを書いてるように見えますけれど、ぜんぜんテキトーじゃないのです! ありとあらゆる事を調べ上げております!! 


今回の争点は「伊賀上野城のお堀が日本一高いか、否か?」です。でもこれ、数字で証明できないのです。なぜなら昔のお堀なので高さが一定じゃない! そして基準となる川底も一定じゃない!! 同じことは大坂城にも言えます。どっちも一定じゃないから、どっちが高いか証明できないのです。ゆえにそれを逆手にとって伊賀上野城のお堀が日本一高いと書いた。高くないと証明するのは不可能だから。


けれども校正さまにしたら「必ずしも正確な表現ではない」ということになります。それは、わかる。でもここで私が言い負かされたら、伊賀市長が出てくるのです!! わたしのバックには伊賀市がついているのです! もしわたしが負けたら「伊賀市 VS 小学館」の争いが始まってしまう! そんなバチバチのケンカは見たくない! なんとかわたしがブロックしないと!! わたしは必死で校正さまにお返事を書きました! でも校正さまだって正確なことしか載せたくない! 議論は激しさを増し、よっぽど市長様にお出まし願おうかと思いましたけれど「伊賀市 VS 小学館」の争いなんて見たくない! それにわたしだって伊賀が好きだ! あぁ、でも、大阪も好きなんですよ! 以前に大阪に住んでましたから! どっちの顔も立てたい!!


そういうワケで、わたしはナナメ上の答えを出しました。


答え:二巻で「伊賀上野城のお堀が日本一高い」と書いて大阪の方から「大坂城のお堀のほうが高い」とクレームが来た場合、三巻で「大坂城のお堀が日本一高い」と記載する。両方に同じことを書くから、二巻は「伊賀が日本一」としてください。


さらに付け加えるとこの「伊賀上野城のお堀が……」「大坂城のお堀が……」というのは、昔からの鉄板ネタだそうです。滋賀県民が「琵琶湖の水止めたろか!?」っていうのと同じノリらしい。そういうこともご説明した結果、なんとか掲載にこぎつけました……! 良かった! 「小学館 VS 伊賀市」の争いを阻止することができた!!


…………なんで本筋と関係ないところで、こんなに苦労してるんだろう??


たぶん伊賀の皆さまの伊賀愛♡に触発されたのだと思います。市長様をはじめ伊賀の皆さまは、本当に伊賀が大好きなのです♡ そして伊賀忍者だけでなく伊賀の歴史や文化に大きな誇りをお持ちです♪ たしかに面白いんですよ! 忍者が住んでたおうちに、今もフツーに子孫の方が生活してたりしますし♪ 他にも昭和な雰囲気がそこここに点在していますし、興味深い史跡もたくさんあります☆ 何より面白いのはそれらの貴重な資源を伊賀の皆さまが貴重だと気づいてないことかもしれません。ずうっとそこにあるから、それが珍しく貴重だって気づいていらっしゃらない。よそ者のわたしから見ると、とても貴重なのですけれど……☆


そんな伊賀の皆さまが、わたしは大好きです! ゆえに「伊賀上野城のお堀が日本一高い」と書くため壮絶なバトルを繰り広げましたし、そもそも二巻に出てくる伊賀のシーン、本筋とまったく関係ございません! 大好きな伊賀を書きたくて、無理やりぶっ込みました!!


わたしは伊賀が大好きです! そんなわたしはビンボーです! でも、いいの。それがわたし!!


皆さまも、それぞれの大好き♡を炸裂させてくださいませ♡ 愛はビンボーを凌駕する!!(← 何か大きく間違っている)


                  挿絵(By みてみん)


ワタシが出したのはナナメ上の答え。これは大好きなナナメ上の神様♡


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― 新着の感想 ―
[一言] 「ワシのバックには市長がついとるけんのぉ!」 一度、言ってみたい日本語
[一言] ソウさん、そして伊賀市のみなさまの伊賀への愛が伝わってきました。 市長さんとても素敵な方ですね。お忙しい中を縫ってソウさんのレクチャーをされたということは、それだけソウさんの作品のお力があっ…
[一言]  伊賀ライバルは甲賀ではなかったのですね。  まんじゅうのぶん勝ってるから余裕なの?
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