6話 精霊神 と 魔法源の消滅
魔法陣の回収をした事で魔力が戻っていく
キングリーを見ると既に植物は浄化していた
キングリーのフォロワー達である隊員を集めていた
「言葉使えるか?」
「まだ…あいつは…潜伏している」
「どこにだ?」
「塔の…地層の…」
その言葉を言った途端に植物が地面から生えてくる
捕縛した途端に対価として使用された
その一瞬でスフィアは支払い元を追跡する
森林から抜け出した少し広い森林の無い場所だ
キングリー
「塔は奴隷を補完する場所だった
奴隷は生贄の対価にする為の代物だった
塔を作ったのも元々俺の木魔法による自作」
地層が光るのを感じる
キングリー
「ここの地層には折り重なった魔法源が埋め込んである
魔法戦争で散って行った屍
兵装魔法が施された状態で死んでいった魔法使いが
今でも地層に腐敗せずに存在している
兵装魔法が防腐剤変わりとなっているのだ
その屍を俺は対価として払う」
その対価によって召喚魔法が繰り去れる
木属性の精霊神が出る
スフィア
「こいつは…俺じゃ手出し出来ねぇぞ
こんなの相手に出来ねぇよ(笑)」
スフィアは笑うしかなかった
木属性の精霊神と言われたそれは風を纏う存在で
目視する事が出来ない
その存在に恐怖を感じる
スフィア
「視覚に見えない事が恐怖じゃねぇ
第6感のようなものがそう呟いてんだ」
スフィアのそれは正解だった
キングリーは魔力が残り僅かだった
それだけスフィアからの攻撃が重症だったからだ
最後の体力と魔力を振り絞った魔法
キングリー
「俺はあんたを求めた
あんたは都市を存命してくれるか?」
精霊神
「貴様
名は何だ?」
キングリー
「名前はキングリーだ
ここいらの周辺地域を仕切っている中級魔法使いだ
木属性を得意としている
根本に蔓延る魔法で捕縛や寄生を得意とする
その為、
いつの間にか体力や魔力を削られた状態で戦う事で幾つも勝利を積み重ねてきた」
キングリー
「それでも叶えられなかったのは都市の存命だった
都市が潰えたのは魔法源の消滅
区域から消滅した
理由は属性不足だ
各都市には特定の属性があり
その調和によって都市の魔法源が上手く供給され動いている
調律されたその魔法源が存在しなくなり存命危機に遭っていた」
キングリーは調律の手助けを求めた
魔法使いを犠牲にして召喚したその要求に対して精霊神は言った
精霊神
「無理だな」
キングリーがそれを疑うと同時に
キングリーの身体は切り裂かれていた
風圧によってぶっ飛ばされてスフィアの足元に転がる体
スフィア
「おい精霊神!
何故だよ理由は」
精霊神に喧嘩を売った事で
神速で近づいて風を靡かせていた
その風圧に対して火反射撃で左右に分かたれさせた
精霊神
「我は精霊神だ
易々と人間の言う事を聞く訳にもいかぬ
何より対価が小さすぎる
魔法源の復元をするには」
対価に対して
魔法源の復元には至らない
ただの無駄死にだった
スフィア
「何つうか、やるせねぇよそれは」
「それでも事実だから仕方あるまい
我は人間とは違う人格をしておる 分かる訳もあるまいよ」
精霊神はその対価分の時間だけ現れて
そして消えていった
残ったのは
キメラの生存と
亡骸の存在だけであった