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2話 火炙り鍋 と 処刑の時間

座標軸を合わせて転送してきた魔法使いは

扉の無い塔の中にいた裸体女が焦土しているのを見た



「お前が殺ったのか?」

「覚悟は出来てんだろうなぁ 人肉になれなかった奴が」



「お前等はこいつらを利用する時

どんな気持ちだったんだ?」



「あ?そんなの決まってんだろ!

笑っちまうほど滑稽な女を犯して犯して犯し尽くす!

これ程おもしれぇ玩具はねぇだろうがよおらっ!(笑)」



死体蹴りをして遊んでいた

何度も回復魔法を施して肉体の綻びを無しにするように

何度も蹴り潰して遊んでいた



「ケケケッ!!

これだから止められねぇんだよ!

捕虜凌辱はよぉっ!!

俺達はこいつらの監視員

監視員は何でもしていいんだからよ!

こいつらは俺らの奴隷!下僕!生贄なんだよっ!!(笑)」



魔法使いは奴隷が死んだ事に僅かながらの後悔もありはしなかった

次の目には奴隷の死体蹴りで遊ぶ姿があるだけだ


スフィアは成仏し切れない魂を見た

それは強い怨念に取りつかれていた


それでも物理的な攻撃力を持たないその霊は

そこにただただ漂う事しか出来なかった



「なぁ、俺がお前らの欲望満たせば

お前等は満足するのか?」



「なにいってんだこいつ?」

「おい一人で何言いやがんだよ

聞いてんだろ虫けら野郎」

「おらおら!(笑)」



スフィアは足蹴りにされる

奴隷から受けた肉体の損傷が今でも響く

それを狙うように蹴り続けて血を噴き出すのを楽しんでいる魔法使い


それでもスフィアは相手をしなかった






「まあいいや

お前が無視する気ならこっちも考えがあっからな」



「俺がこいつらに魔法を繰り出して殺せばいいのか?

それともお前らは恨み言を聞かせたいのか?」



無視しながらスフィアは霊との対話をそのまま進めていた

魔法使いは塔の室内を支配下させていた



「二人係の融合魔法でこの領域の支配をした

これから繰り出す魔法でお前は地獄と再生を見るだろう」



「死ぬ前に望みはあるか?

命乞いなら早めに言えよ?(笑)」



二人の魔力は本物だった

魔法源が支配下にびっしりと漂っている

そんな状態をスフィアは興味を示さなかった


ぶつぶつと独り言みたいに例と対話する事に専念していた



「つう事はあれか?

お前等はこいつらに地獄を見せつけてやりたいってことか?

勿論その後の例は弾ませろよな(笑)


俺だって病み上がりなんだ

それなりのリスクってもんがある訳じゃん」



「こいつ…ぶち殺す!!!!」



二人の魔法使いはブチ切れていた

増大になった魔力が生み出される

それは闇魔法を媒介としていたからだ





「うぇ?なんだこいつら

すげぇ魔力だ やべぇよ

塔の中の霊的エネルギー使ってんじゃん!反則だろ!」



スフィアはやっと驚いた

それもそのはずだ

この塔の中で死んでいった捕虜達の霊的エネルギーを媒介にした闇魔法だからだ

その闇魔法の属性を変換していく



「お前は奴隷達を見て何とも思わなかった

だから闇魔法よりもお前は物理的な殺傷力の方が効果が抜群であると適例した


出でよ!火炎歪曲魔法 火炙り鍋!」



具現化された鍋を歪曲させていき

それが巨大化していく


そしてスフィアを鍋の上の橋に縮小化させていた

領域を支配した為に起こった事象だ






「うっへぇ

お前等ってすげーんだな 感心だわ

けど何でそれを救世の為に使わねぇんだ?」



それを二人は笑っていた

スフィアの身体が高熱の温度で焼き溶ける前に力説していた



「当たり前だろ

これだけ魔法戦争が仕掛けられてんだ

今を楽しむ以外にねぇだろ」



「なるほど

情け無用って訳ね

分かったよ 俺も本気出すから」



「何言って――」



その瞬間、スフィアは元の姿に戻っていた

何故スフィアが元の姿に戻っているのか分からなかった

そんな事よりもスフィアの姿が大きいのが気になる


下側から高音のマグマのような音がする

グツグツした音である下を見るとマグマが広がっていた


スフィアはそれをじっくり見るように間近で笑っていた






反射魔法リフレクターを施してたんだよね

最初から君らのしようとしてんのは丸分かりだったから」



「そんな訳あるか!

俺は何の提示もしてねぇのに」



魔法使いは何の余裕も示していなかった

その証拠に魔法を唱えてからの発動も早かった



「答えは簡単 ただの勘だよ

勘も何重にも張れば何通りものパターンへ対策出来る

ちげぇかよ?(笑)」



ドヤって魔法陣を見せつけた

蛍光化された魔法陣が幾つも存在していた



「これだけの魔法陣を…!

隠匿魔法で隠していたのか

クソッタレが!早く殺せ!」



既に諦めた魔法使いは死を望んだ

しかしスフィアは笑いながら縮小した魔法生物を火海に召喚していた


火炎属性のピラニアの群れだ






「俺には個人的な恨みはこれっぽっちも無いよ(笑)

けどここにいる貴婦人方がそうはいかないらしい


蛍光魔法展開」



霊の明かりを灯される

そこには今まで残虐で殺していった女共が魔法使いを見つめていた

解剖したまま蹴り潰した内蔵を持った女

キメラ改造されて排気管に異常が見られて死亡した女



「俺もびっくりしたぜ

まさかこんな殺虐を楽しんでいやがったってな」



次の言葉を霊も魔法使いも知っていた

その言葉を彼は口にしなかった



「俺も混ぜろよぉ~」



『は?』



誰もがそう思った

スフィアは虐殺している様を楽しそうだと思っていた

ずっと拷問してみたかった事を明かした

世界から排除された後、ずっと一人ぼっちだった


ずっと魔法の開発と研究を続けていた

そしてこの手に残ったのは単なる好奇心だけだった







「混ぜてくれないなら君らで楽しむ事にするけどね

火ピラニアに加速兵装施すんで」



ブーストを火ピラニアの群れに施すと

ピラニアの群れは活発な動きをする

火海から飛び跳ねるようになる


やがてピラニアは頭上に獲物がぶら下がっているのを知る

魔法使いはその橋を歩いていく



『あの先に行けば火炙り鍋からの開放地区だ』



スフィアはそれを許してはくれなかった

スフィアとの盟約によって成仏し切れない魂は縮小化して

両端に出現していた


縮小化された霊的存在に圧縮された怨念が

魔法使いの恐怖へ駆り立てた



「下にはピラニア 両端には恐怖の象徴

さぁ、どうする?(笑)」



魔法使いは謝罪していた

土下座謝罪してもスフィアは許さなかった


というよりただ笑っていただけだった



「俺にとっちゃどうでもいいや

今日数時間前に会ったばかりの出会いだぜ?

どっちにも俺には仲良くするつもりは別に無いよ」



「だったら少しでも俺達に協力してくれ」

「そうだ 褒美は弾むさ」



「褒美ねぇ…何を献上してくれるんだい?

魔法具のレア度はいくつだ?

Aランク以上を献上してくれるんだろうな」



「そ、それは…」

「ないんだね」



火海に対して更に着火を促せた

強化魔法を施されて火属性が活発的になる


グツグツ燃え盛る火上では

身体が溶け出していく魔法使い


悲鳴を上げるものの、笑い声だけが木霊していた







「お前、キングリー様が黙っている訳にはいかないからな!」

「キングリー様って誰?」



「偉大な御方だ」

「偉大な御方…ねぇ

つう事はこの塔の建造者って事か」



図星を突かれて魔法使いは沈黙する

笑いながらスフィアは振動で橋を揺らしていた


どんな人間がいようとスフィアは驚かない

興味がある しかしそれは只の好奇心だ



「面白そうだから

お前等を殺して監視でもしてやるか」






命乞いを乞う声が響くのだが

スフィアはどうでもよかった


そんな事よりも魔法使いが所持していた魔導書が欲しかった

魔導書だけを戻して読んでいた


魔法使いは橋の上で焼き焦がれながら

ピラニアに部位を跳び食らう度に抉られていた


魔導書を読みふけって夜が明けていた

蛍光魔法で照らしていた光も意味を成さなくなって

背伸びをして隙間から見える景色に驚いていた



「もう夜が明けてしまったぞ

魔導書を読みふけったが意外と面白いな


昔はこんなもの国語辞典のようでつまらないものと感じていたが

今では漫画のようにライトに読み耽られるぞ

これは良い収穫だったな ありがとう魔法使い――」



礼を言った魔法使いは既にいなくなっていた

グツグツ煮え盛る火炙り鍋で骨も溶けていて

橋からポタポタと溶けた液体が垂れる光景



「死んでしまったか 呆気ないな

何かしかけたところで俺の仕掛け魔法で返り討ちにあってただろうけど」



魔法陣の展開を解除した事で魔力が戻って来る

スフィアは闇魔法で再度魂を見る


もうそこには霊的エネルギーが存在しなかった



「随分と…夕べは楽しんでいたのだろうな

俺は魔導書に熱中していたせいで何も見れなかったよ

実に残念だ」



隙間から隊員の合図が来ていた

ここから座標軸へ転送出来るという事だ


魔導書を読みふけってから

どういう作用があるか知っていたので教科書通りに実践した


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