1話 成仏し切れぬ魂
「なんだここ?」
「お前こそ誰だ」
スフィアは二度目の人生を生誕した
パンドラボックスは希望概念が詰まっている
パンドラボックスに求めた概念の存在が現象化されるという
「俺らこんな男呼んでねぇんだけど」
「つうかこいつら奴隷のどいつかじゃねぇの」
スフィアは暗い空間で見た
そこには裸体の女が転がっていた
「うへぇ…最初からこんな感じかよ
随分暗くて地味なスタートだ」
「何言ってやがんだこいつ…」
「まあいい オラ!どいつだ?お前か?お前だよな」
悲鳴を上げる少女
長髪をそのまま風魔法で切り落とす
泣きじゃくるのを蹴りながら遊ぶ
「うは こいつらやべぇ性癖者だな
おまけに転がってる女はメンヘラってやがんな」
壁にチョークで落書きする裸体女
ぶつぶつ呟いて現実を直視しない裸体女
抱き着き合う百合女
「しかしまぁ一番異常なのはこいつらなのは変わりねぇんだけどな」
髪の毛を引っ張ってケツを突き出させる
艶めかしく触ると耳に舌を這わせる
「やめてください!」
「いいじゃねぇかよぉ
つうかお前、拷問魔法でまた臓器公開ショーでもされてぇのか?
嫌なら抵抗すんじゃねぇよ」
拷問魔法
拷問に使う魔法種類の色々
脅迫観念を増幅させる効果がある
奴隷達の恐怖は拷問魔法から来ている
「こりゃ色々やらかしたんだろうなぁ」
「おいうるせぇぞお前!」
「うっす すいません」
スフィアは黙ってそれを見ていた
助ける事も何もしなかった
スフィアが世界に再誕したのは
パンドラボックスに誰かが訴えたからだ
「助けて欲しい」という事を
だからそれが誰か見分ける必要があった
微かに光が見える隙間穴から合図を貰い
呼び出しが来た事を知る
「おい 連絡が来たぞ」
「ち 今日はこのくらいにしておいてやるよ」
登録された座標軸に転送する
「なるほど こいつらここでずっと生活させられてんのね
つか、こいつら何?すげぇ睨んでるけど」
涎を垂らしてスフィアを見ている
人肉として捉えられたようだ
スフィアはその裸体女のハーレムを回避しながら
隙間穴から見える景色を見ていた
「もしかしてパンドラボックスから呼び出したのって…
やっぱりそうだよな…」
パンドラボックスが見える角度 それは上空しかない
そしてスフィアは上空からの希望概念ではない事も知る
闇魔法でスフィアは周囲の魂を見た
「成仏し切れていない魂が
俺を待っていたというのか
難儀だなぁほんと
お前等も死ぬのを望んでるのか?」
涎を垂れ流して噛みつく裸体女達
ハーレム状態であるが、抉り噛みつかれている
スフィアの身体が抉られている中冷静に見ていた
誰も言語を喋らない語らない
「日本語も理解出来ないんだなかわいそうに
脅えるのも極度に怖がってる」
雷魔法で電気を迸るだけで逃げ去るように後ろへ遠ざかる
だからスフィアは一瞬で終わらせることを決めた
「成仏出来ないだろうが、
お前等の魂は利用させてもらうぞ」