第23話 おばさんからの提案
久しぶりにジャンル別ランキングで10位以内に入れて嬉しかったので、感謝の気持ちを込めて急いで書き上げました!
学校から帰ってきた俺は勉強をしていた。何気なくスマホを手に取ると、一通とメッセージが届いていた。
『ママが話があるみたいだから、今日の夕食はこっちに来て』
という内容が結奈からの送られてきていた。
『了解』と一言送るとすぐに返信が来る。
『七時くらいに来て』
それにスタンプで返すとスマホを置く。
「話ってなんだ?」
怒られるようなことをした覚えはない。一番可能性があるとしたら結奈負担が大きすぎることに対するものだろう。夕食を毎日作りに来てくれているし、今日は弁当まで作ってくれた。
回数を減らした方がいいかもしれない。結奈の手料理が食べられなくなるのは本当に残念だが、俺のせいで結奈が体調を崩してしまう方が嫌だ。
おばさんの話っていうのもきっと似たような内容だろう。
結奈との約束の時間までまだ余裕がある。途中だった勉強を再開した。
◆◆◆◆
七時を少し過ぎた頃に結奈の家のインターホンを鳴らす。
『はーい、すぐに開けるから待っててね』
おばさんの声が聞こえてから少し待つとドアが開いた。
「ナイスタイミング。ちょうど結奈が夕食を作り終えたところよ。さぁ、入って」
「はい、お邪魔します」
おばさんの後をついていく。リビングに着くと、結奈がテーブルに料理を並べているところだった。
「悠君は、手を洗ってきてね」
「はい」
おばさんに言われ手を洗いにいく。少しくらい手伝いをしようと急いで戻るったが、すでに料理を並べ終えていた。
「冷める前に食べましょう」
おばさんの話が気になったが、とりあえず結奈の作ってくれた料理に手をのばす。
いつもながらうまい。この料理を食べられる回数が減るのは悲しいな……
たわいもない話をしながら食べ進める。
「そうだ、話があるって結奈から聞いているわよね?」
「はい」
「実はね、結奈のことなのよ」
想像通り結奈のことだった。
「ここ最近ずっと悠君のところに夕食を作りに行っているじゃない? 毎日通うのは結奈の負担になると思うのよ」
「そうですね」
「それに、やっぱり夜遅く帰ってくるのは親として少し心配なの。いくら家が近くて、悠君が送ってくれていてもね」
「親なら当然だと思います」
「わかってもらえて嬉しいわ」
やっぱり結奈が来る回数を減らすという話のようだ。
おばさんが心配になる気持ちもわかる。
迷惑かけているのは俺なのだからわがままを言うわけにはいかない。
「それで提案なんだけどね、結奈も悠君の家で暮せばいいと思うのよ」
「「はい?」」
俺と結奈の疑問の声が重なる。
「一緒に暮らせばわざわざ通う必要もないしから負担も減るし安心だわ」
「いや……それはいろいろまず気が……おじさんが反対するんじゃないですか?」
「あの人も私の考えに賛成してくれたわ」
えぇ……娘を一人暮らしの男の家に送り出すのはいろいろ問題があると思う。そっちの方が危険なのではないだろうか? 間違いが起こったらどうするんだ。
「それに、悠君のお父さんとお母さんの了承も得ているから平気よ」
父さんも母さんもそんなこと一言も聞いていないんですけど!?
訳もわからず混乱していると、なにかを思いついたようにハッとするおばさん
「もしかして……悠君彼女いたりするのかしら?」
「えっ……?」
なぜか結奈もビクッとし、そわそわしている。
「あまり乗り気じゃないみたいだから、彼女がいるのかなぁって」
「彼女なんていませんけど……」
ずっと結奈一筋なので彼女なんていたことがない。俺が心配しているのはそこではないというか……
「えっと……そ、そうだっ、結奈! 結奈の方が困るんじゃないですか」
「私?」
おばさんも不思議そうな顔をしている。
「だって、結奈にもいろいろあるだろうし……それこそ、か、彼氏とか……」
焦って変なことを口走りダメージを受ける。結奈に彼氏ができるなんで嫌に決まっているのに……
「あらあら、なるほどね……それで? 結奈はどうなの?」
いきなり話を振られた結奈はびっくりして、ワタワタしている。
「か、彼氏なんていないから平気っ。それに私は他の誰とも付き合うつもりなんてないから!」
「そ、そうか……」
彼氏がいないということを結奈の口から聞けてかなり安心したが、それと同時に絶大なダメージを受ける。
誰とも付き合うつもりなんてない、と結奈から直接聞くと、なかなかきついものがある。
結奈に彼氏が出来てしまうのではないかという心配は減るが、それと同時に俺の可能性も消えることになる。
だからといって十年以上も好きなのだから今更諦めるなんて出来ない。もしかしたらワンチャンあるかもしれない。
まぁ、それは俺だけではなく他の人にも言えることだけど……
結奈の彼氏を作らないぞ宣言を聞いて、思考が停止している俺におばさんが話しかけてくる。
「それなら二人とも問題ないわね。悠君、よろしくね」
「は、はい」
勢いで了承してしまった。
突如決まった結奈との同棲。考えても見なかった展開に脳が追いついついない。
驚きや不安、喜びと言った感情で頭の中がぐちゃぐちゃにになっている。
ただ、一つ言えることは結奈との同棲は嬉しすぎる出来事であるということだ。
結奈は誰とも付き合う気がないと言っていたが、絶対ではないだろう。むしろそうでないと俺が困ってしまう。
それに他の奴らよりも同棲することになった俺が一歩リードしていると言っても過言ではないだろう。
突如舞い降りた絶好のチャンスだ。この機会を絶対に無駄にしてはいけないと思う。
頭の中でグルグルと色々な考えが回っている。
結奈とおばさんが片付けをするために立ち上がる。
食器を運んでいる最中におばさんが結奈に何か言っている。
「頑張りなさいね」
「……うん」
小さい声で何か言っていたが、よく聞こえなかった。
余裕をなくした俺はそれどころではなかった。
ランキングが上がるとやっぱり嬉しいです。単純な作者でごめんなさい。
2日ほど前から、以前書いて放置していた作品を投稿してみました。
あまり伸びなかったらこっそり消そうと思います。
興味がある方は是非読んでみてもらえると嬉しいです!
タイトル
『超貧乏な俺は幼馴染みに買われ、幸せでちょっぴりエッチな生活を送っています』




