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キミと紡ぐ【BL編】  作者: Motoki
18/55

ある事に気がついた 1


 アルバイトを終えてマンションに帰ると、同居人の中野浩行がリビングで酒を飲んでいた。


「何? なんか文句でもあんの?」


 リビングに1歩入り、唖然としている俺に何やらからんでくる。どうやらすでにデキあがっているようだ。


「いや、別に」


 俺は時計を確認しなから、リビングに隣接してる自室へと向かう。


「もう10時まわってんし、酒飲んでてもなんの文句もないよ」


 この時間ですでにそんな状態になってるのには、ひと言いいたいけど……。


「大学で何かあったのか?」


 何気に訊くと、ソファから立ち上がった浩行が、フラフラと部屋まで付いて来た。


「麻美に、フラれたんだよねぇ」


「また?」


 俺の言葉に、ジトリと睨んでくる。しかしすぐにフラつくと、ガツンと肩をドアへとぶつけた。


 その拍子に、持っていたグラスからウィスキーが床へと零れる。


「おっ前! 絨毯汚れんだろッ」


 目を剥いた俺は浩行からグラスを取り上げ、そのままリビングの硝子テーブルへとグラスを置く。


 ぞうきんを持って部屋に戻ると、


「お前は! こんな時に俺より絨毯取るのかーッ」


と、浩行が駄々をこねていた。


「当たり前だろ」


 お前の部屋の絨毯ならともかく、俺の部屋の絨毯なんだぞ。


 絨毯を叩くようにして拭いていると、ズリズリと浩行が腰を落としてくる。立てた膝に肘を付いて、俺を間近で見つめてきた。


「そんなだから、朋花にフラれんだろー。お前はー」


 そう言いながら、肩を小突いてくる。


「バカ言うな。俺はフッた側だよ」


 ぞうきんを持ち上げるついでに、浩行の肘を掴んで立ち上がらせる。リビングを通る時に、グダグダの浩行をソファへと座らせた。


 まだフラフラと立ち上がろうとする浩行に「立つな!」と洗面所に向かいながら言うと、「なんでだよー」と手足をバタつかせる。


「ガキか、お前は」


 そんなだから麻美にフラれんだろ、という言葉は心の中だけで突っ込んでおいた。


 また部屋に来られても困るので、急いで着替えてリビングへと戻る。


「なんでフラれたんだ?」


 麻美とは、結構うまくいっていた筈だ。俺が見る限り、どちらかと言うと麻美の方が浩行に熱をあげているように見えた。


 自分の分の缶ビールを持って、浩行の向かいのソファへと座る。


「つまんないんだってさ」


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