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「あちゃ~」
飛び出していったシュンくんを見て渚ちゃんが額に手を当てる。
「ごめん、今の地雷だった……」
シュンくんの過去に関すること、前に遊園地で弘樹君や明人君が言っていたシュンくんに直接聞けと言われていたことだろう。
思考し、結論に至る。しかし、千鶴ちゃんや幸花ちゃんはそんなこと知る由もないため詮索を始める。
「地雷って?」
特にシュンくんへ好意を向ける千鶴ちゃんはその疑問を押さえることが出来ない。
「実は去年……」
何のためらいもなく話そうとする渚ちゃんの前に手を出して無理矢理その会話を終わらせる。
「よくないよ、渚ちゃん」
少し悩んだ。自分もシュンくんの過去には興味がある。
だが、過去に言われた。シュンくんが直接話すまで待てと、その約束にもきっと意味があるだろう。ならばその約束を守るために今この会話は止めねばなるまい。
「友達に知っていることを話してあげたい気持ちはよくわかります。僕だって気になりますもん。でも、その先のことはシュンくんが怒鳴ってでも言ってほしくなかったことです。渚ちゃんが妹だからって軽々しく話すべきことではないんじゃないですか?」
少し説教じみたことを言ってしまったため、反感を買うかと思っていたが僕の言葉に渚ちゃんがシュンとする。
「は、はい、確かにそうですね」
千鶴ちゃんの方を向く。
「千鶴ちゃん、気になるのはわかります。でもこの内容は多分、シュンくんから直接聞くべきことじゃないですか?」
「そうですね……」
千鶴ちゃんも納得してくれたようだ。
僕と千鶴ちゃんの会話が終わると渚ちゃんが千鶴ちゃんに問いかける。
「というか、ちづるんはどうしておにぃが好きなの?」
「は?え?何の話!」
急な質問に千鶴ちゃんは顔を真っ赤に染め上げる。
「え、ちょっと待って、タイガさんは知らないし、なんでナギちゃんが?」
「僕は割と知ってたよ」
「ふぇ!」
千鶴ちゃんは変な声を上げて驚く。
「今日来てからほぼずっとおにぃの方見てたし、好きなのか気になるのか、何なのか」
「わ、わ、わ、私そんなに見てた?」
そう聞かれ、三人が頷く。
「相手がおにぃじゃなかったらバレてると思うよ」
「あ、聞きたかったんだぁ、私とタイガ先輩の間では納得してるんだけどシュン先輩ってやっぱり鈍感系主人公?」
「久しぶりに口を開いたと思ったら……ブレないわね、サチ」
「いつ話そうか悩んでたんだよねぇ」
「うーん、そうだねぇ、確かにある程度モテるけど……自分はモテないって思ってるから永遠に他人を意識しないんだよね」
「ありゃりゃ、大変な人を好きになったね」
幸花ちゃんの視線の方向、千鶴ちゃんの方向を見る。
千鶴ちゃんを見て三人で笑う。
勉強会あるある。恋バナのせいで全く勉強は進まなかった。




