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タイガルフ  作者: 波左間たかさ
5月
65/81

38

 ゴールデンウィーク明けの学校。

 なんで一週間近く休んで一発目から七時間も授業があるんだ……午前授業とかでリハビリしたい。

「はぁ……」

 ため息を漏らしながら駐輪場から下駄箱への道を歩く。

「シュンくん、おはようございます!」

 なぜか下駄箱の前に立っていたタイガに声をかける。

「なんでここに?」

「僕もこの学校の生徒なんですけど」

「そういうこと言ってんじゃないんだけどな」

 俺が言いたいこととは違う捉え方をしたタイガ。考えてみればこのゴールデンウィークはほぼ毎日タイガと一緒にいた気がする。

 そう思うと苦笑いしてしまう。

「なんで苦笑いなんです?」

「なーんでだ?」

 下駄箱を抜け廊下を歩いていると背後から声がかかる。

「何してるんですか朝から」

 そう言ってくるのは三つ編みおさげの眼鏡っ娘、千鶴。後ろからの声に振り返る。

「誰だよ⁉」

 そこにいたのはショートカットで眼鏡の無い美少女。

「千鶴よ!」

 千鶴だった。

「どうした千鶴~?イメチェン~?」

「な、何よ、似合わない?」

 口を尖らせる千鶴をジロジロと眺める。

「いいんじゃない?似合ってると思うよ」

「っな⁉」」

 耳まで赤くして千鶴が照れている。きっと褒められ馴れてないのだろう。

 そう言った俺も女の子に可愛いなんて恥ずかしくて言えないため、当たり障りのない、キモイと言われない程度の誉め言葉を口にした。

「っふん!あんたに言われても嬉しくなんかないんだからね!」

 そのセリフを聞いて俺がタイガに耳打ちする。

「おいタイガ、千鶴が本当にツンデレみたいになっちまったぞ」

「シュンくん、ツンデレってことまでわかってるなら……」

「何だよ?」

 その発言にタイガが軽く引く。

「シュンくんって以外と主人公ですね」

「お前はたまにわけわからないことを言うよな」

 そう言うとのけ者にされていた千鶴が口を挟む。

「シュンさん」

「何だよツンデレ」

「私のどこがツンデレですか⁉」

「それ本気で言ってる?」

 そう言うとタイガが肩にポンと手を置く。

「僕も同じことが言いたいです」

「だろ?」

「シュンくんにですよ」

「え?」

 わけのわからないことを言うタイガ。

「んで、なんだよ?」

「あの、えっと……」

 キーンコーンカーンコーン……朝のホームルームを知らせるチャイムが鳴る。

 何か言いかけたことがあるようだった千鶴だが、チャイムが鳴ったからには教室に急がなければならない。

「悪い、予鈴だ。あそこのテーブルで昼休みに弁当食べてるから、何か要件があるなら昼休みとかに頼む」

「あ、はい!」

 千鶴はなぜか元気よく返事を返し、三人は各々教室へ向かった。

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