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タイガルフ  作者: 波左間たかさ
5月
51/81

24

 遊園地に行ってしまった昨日。五月一日から一夜明け、五月二日。

 五日にはタイガと石巻に行くが、その前日には模試がある。

 一応、俺だって受験生。大学受験に向けて現時点での自らの力量を知るためにも、面倒だが模試は受けなければならない。

 だから、今日明日は形だけでも学校に行って勉強しようと思っていたのだが……

「なんでお前がいるんだよ……」

 現時刻は朝八時。平日の学校と何ら変わらないくらいの時間帯だ。

 学校に来ているのは部活をしている生徒と俺くらいなもの……と思っていたのだが……

「そりゃあ模試がありますし、それに僕だって受験生ですよ?居てもおかしなことはないと思いますけど」

 それは確かにそうなのだが、昨日のことだ。

『そいえば、今週は模試ですね』

『やめろ、嫌なこと思い出させんな』

 タイガの発言が受験生たちに被弾する。

 あるものは頭を抱え、あるものは腹痛を訴えている。

 吉田さんだけが余裕そうなのを不思議に思ったが、彼女は運動以外のことは大抵万能だ……だが、運動できないのがまたかわいい。

 余談だが、頭を抱えているのが明人で腹痛を訴えているのが弘樹だ。

 そのとき変にニコニコして俺たちの方を見ていたタイガが印象的だった。なぜそんなニコニコしているのか?バカにしてるのか?腹立つ。

「だから、お前が来てるのはちょっと意外だったんだよ」

「何を言ってるんですか?」

「気にすんな、回想シーンだ。見えなかったのか?」

「僕を二次元キャラか何かと勘違いしてませんか?」

 特に否定もせずに校舎へ入り、自習室を目指す。

 自習室ならば同じ境遇の人間が一人二人いると考えていたが、朝だからか教室には俺とタイガしかいない。

 となりあった席に着き、タイガは数学の問題集とノート。俺はとりあえず読みかけのライトノベルを机に出した。

「勉強しに来たんですよね?」

 隣からタイガの疑問の声が聞こえる。

 その疑問に本に目を落としたまま答える。

「もちよ」

「勉強しないんですか?」

「俺の特性はスロースターターだからな。一旦やる気がでるまで本読むんだよ」

「シュンくんはいつから何ギガスになったんですか」

 意外とマニアックなツッコミをしてくるタイガに少し驚く。コイツの評価を牙狼タイガーオタクから、ただのオタクに変えるべきなのかもしれない。

「すぐはじめっから安心しろって」

 早朝からの勉強は本当にやる気がでない。なので勉強する前や、休憩の際にはライトノベルを読んでいる。

 本当は漫画でも読みたいことだが、漫画を読んでいたところ見回りしていた教員に怒られた苦い思い出がある。しかし、ライトノベルはあくまで活字なため、見回りの教員もスルーする。

 それからはライトノベルを一冊は持つようにしている。

 一時間後、俺のバッグからノートと問題集が顔を出した。

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