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タイガルフ  作者: 波左間たかさ
5月
50/81

23

「~~~~~/////‼‼」

 ベッドの上で布団を抱きしめながらゴロゴロと転がり悶絶する。

 初めて男の子に抱き寄せられた。

 彼の声が、体温が、瞳が、今でも鮮明に思い出せる。

 顔を思い出すだけで頬から耳まで熱くなる。言われた言葉を思い出すだけでこれもまた身体が熱くなる。

 まだ彼と会って二回程度。初対面の運動会の印象は良いものではなかった。

 私の話は碌に聞かないし、小馬鹿にしてくるし、人の好意を無下にするし……

 今回でたったの二回目だが、今回の印象は前回とは似て非なるものだった。

 今回も話を聞かず、私のことは小馬鹿にされたが、私のために、弟の京汰のために走り回ってくれた。

 それに……

『やぁ、子猫ちゃん一体こんなところで何をしてるんだい?』

 今までの印象とはかけ離れたセリフ。声色。

 こんな風に話す相手はいつもなら嫌いだ。苦手だ。怖い。

 だがあの時、あの言葉に、あの表情に安堵した自分がいた。

 苦手なのに……苦手なハズなのに……あの男は人を小馬鹿にする……人の話を聞かない……

 あの件が終わってからというもの、シュンさんと目が合わせられない。あった瞬間に逸らしてしまう。胸の高鳴りが収まることを知らない。

「はぁ……」

 怖い……この気持ちを認めて良いものなのか?勘違いではないのか?何度も考えた。何度も否定した。

 だが、彼を見ると、彼のことを考えると胸がここぞとばかりに高鳴る。あの人の隣を歩けたらと思うとドキドキする。

 今まで男子と親交を深めたことなんてなかった。今までもこれからもきっとないと思っていた。

 運動会で話しかけたときだって、自分の正義感故だ。他に邪な感情何て一つもなかった。

 なのにだ……

 今日たまたま会って、それで……

「ん~~~~////‼‼」

 自分の頭から蒸気が噴射されるおとがする(気持ち的にだが)

 認めるのが怖かった。男の子にこんな気持ちを抱くなんて初めてだ。だが、認めよう……

「私は……」

 心の中だけで停止することはなく、独りしかいない自室のベッドの上でぽつりと呟く。

 誰に伝える意味もない。しかし、声を出さずにはいられない。これは言わば決意表明なのである。

「私はシュンさんのことが好き……なんだ」

 牙狼タイガーヴァンプ……だったか?シュンさんの好きな蒼井剣矢というキャラクターは……

「うーん……」

 あとで京汰に聞いてみよう。

 それに私自身でも調べてみてみよう。この話題でシュンさんと話せるかもしれないし、それに好きな人が好きなキャラクターというのは個人的に興味がある。

「よし!」

 ベッドから起き上がり、机のノートパソコンと向き合いあった。時刻は午前二時である。


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