23
「~~~~~/////‼‼」
ベッドの上で布団を抱きしめながらゴロゴロと転がり悶絶する。
初めて男の子に抱き寄せられた。
彼の声が、体温が、瞳が、今でも鮮明に思い出せる。
顔を思い出すだけで頬から耳まで熱くなる。言われた言葉を思い出すだけでこれもまた身体が熱くなる。
まだ彼と会って二回程度。初対面の運動会の印象は良いものではなかった。
私の話は碌に聞かないし、小馬鹿にしてくるし、人の好意を無下にするし……
今回でたったの二回目だが、今回の印象は前回とは似て非なるものだった。
今回も話を聞かず、私のことは小馬鹿にされたが、私のために、弟の京汰のために走り回ってくれた。
それに……
『やぁ、子猫ちゃん一体こんなところで何をしてるんだい?』
今までの印象とはかけ離れたセリフ。声色。
こんな風に話す相手はいつもなら嫌いだ。苦手だ。怖い。
だがあの時、あの言葉に、あの表情に安堵した自分がいた。
苦手なのに……苦手なハズなのに……あの男は人を小馬鹿にする……人の話を聞かない……
あの件が終わってからというもの、シュンさんと目が合わせられない。あった瞬間に逸らしてしまう。胸の高鳴りが収まることを知らない。
「はぁ……」
怖い……この気持ちを認めて良いものなのか?勘違いではないのか?何度も考えた。何度も否定した。
だが、彼を見ると、彼のことを考えると胸がここぞとばかりに高鳴る。あの人の隣を歩けたらと思うとドキドキする。
今まで男子と親交を深めたことなんてなかった。今までもこれからもきっとないと思っていた。
運動会で話しかけたときだって、自分の正義感故だ。他に邪な感情何て一つもなかった。
なのにだ……
今日たまたま会って、それで……
「ん~~~~////‼‼」
自分の頭から蒸気が噴射されるおとがする(気持ち的にだが)
認めるのが怖かった。男の子にこんな気持ちを抱くなんて初めてだ。だが、認めよう……
「私は……」
心の中だけで停止することはなく、独りしかいない自室のベッドの上でぽつりと呟く。
誰に伝える意味もない。しかし、声を出さずにはいられない。これは言わば決意表明なのである。
「私はシュンさんのことが好き……なんだ」
牙狼タイガーヴァンプ……だったか?シュンさんの好きな蒼井剣矢というキャラクターは……
「うーん……」
あとで京汰に聞いてみよう。
それに私自身でも調べてみてみよう。この話題でシュンさんと話せるかもしれないし、それに好きな人が好きなキャラクターというのは個人的に興味がある。
「よし!」
ベッドから起き上がり、机のノートパソコンと向き合いあった。時刻は午前二時である。




